産業創世記 ギデオン(休載中)

初書 ミタ

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第2章 黒い宝石1-12

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大英帝国 ロンドン


「D101、D101、お前の仕事は今日からもう少しマシになる。

黒いとはいえキリスト教に改宗したのだからな。」


黒い体を抱いた牧師はそういうと周囲にいるユダヤ人を見下ろすのだった。


「その仕事と言うのは、アメリカ大陸から帰って来る使者の魂を清める

聖なる職務、オラバの末裔たる君にふさわしいと思うがね。君たちを苦しめる

ユダヤ人に対し、我々、高教会が 黒い物に少しばかり救いを与えるためだ。」


その牧師はそういうと、彼女に口付けた。


「いまは、天にまします。われらがイエスの使徒です。」


D101と呼ばれた少女は、キッと目を見るとこう答えた。


火にくべた死体から何故、金が取れるのだろう。魔術、噂に聞く錬金術。


それは教会だけの特権、棺を開けるのは。


この中にはアフリカの同胞のものがあるのだろう。少し感謝する気持ちもあった。

しかし、キリスト教徒は土葬のはず。何故燃やすのだろう。一抹の不安がよぎった。

だめだとは思っても、その誘惑には勝てなかった。禁断の棺を開ける誘惑には。



そう、どれだけの同胞の血が流されようとも変えなければ、未来を。



黒人奴隷を皆殺しに、ハッペンハイムに急報がとんだ。


「首謀者の死体は受け取ったものの、キリスト教徒の少女だとは。」

ゲットーの一室で、シオンとハイヤーハムシェルは人払いをかけると

そっと彼女を見つめていた。



当初、暴動を起こし多数のユダヤ人を殺害した首謀者は、拷問するため

生きたまま渡すように要求したのだ。しかし、彼女は服毒自殺していた。

綺麗な体だった。炭鉱は閉鎖され、真相は隠された教会の手で。

血に飢えた天使は、再び舞い降りたのだ。我らを創り賜いし、ガゼルによって。


私たちの国、ガゼル ハイエナ ライオン 多くの動物たちと歩んだ。

そう、多くの同胞を犠牲にして、キリスト教徒になりながら私は生きている。


「起きなさい。わたくしにそれは通用いたしません。」



シオンナスィは強く言い放った。今回の暴動の元凶さん。

シェイクスピアの有名な悲劇に「仮死の薬」と言うものがあるのです。


「その結末はどうなっているかご存知ですか?」


彼女の顔はわずかに赤みを帯びていた。

「気づかれていたんですね。私は生きていていいとは思っていません。

しかし、真実を誰かに伝えなければいけない。どんな拷問も

殺されることも喜んで受けます。」





そういうと彼女は伝えることを伝えこういった。

あなた方は白い肌、直接手を下す存在、許せると思いますか。
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