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第3章 怒りの十字架 1-
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しおりを挟む「私は、田舎者のハイヤーハムシェルと申します。
少々お話をお伺いできないでしょうか。」
「以前、大量の宝石を持って、医者を訪ねてきたものがいるのですが、
姿をくらましました。彼の妹さんはいらゃっしゃいます。
身の安全は保証しましょう。」
ハイヤーハムシェルは事情が知りたかった。
「私はあなたと初対面では無いですよね。」
「そうですね、マンチェスターのゲットーでお会いしました。
5万カラットの宝石袋をいただいたときです。」
「ほう、隠そうともしないとはね。どう考えても死刑ですよ。
まあ、いいでしょう。事情がありそうですし。」
ハイヤーハムシェルは続けた。
「彼らが何者なのか、目的は何か、ぜひ知りたいですね。」
「お断りします。私たちアイルランド人がこうなったのは
あなたのお仲間、ギデオン家の初代当主が原因と言われています。」
パトリシアも譲る気はなかった。これは自治組織の存続にかかわる。
かつて、南海バブル事件において、たしかに投資した地方貴族は敗け
都市資本家のホイッグは勝利した。
労働者を搾取する資本家
ホイッグ、そのイメージはぬぐえないだろう。
しかし、イングランド銀行の所有者たるハンタギュー公爵家が
指一本動かすことがなければ、何も為せはしないのだ。
それを、この女は理解していなかった。同じカソリックそれゆえ
己が目を曇らせていた。だが、ハイヤーハムシェルにとって
それは自明の事だった。
「率直に申し上げて、故オックスフォード卿は嵌められたのです。
ハンタギューそして、神聖ローマ帝国にね。なぜ、ハンタギューが
ハイルドギースを国内から掃討したか。」です。
「オーストリア継承戦争には、2人の英雄がいました。
一人はフランスのプリンツオイゲン。もう一人は
大英帝国のジョンチャーチル。彼らは、オスマン帝国の
野望を阻止すべく奮戦した。しかし、ルイ・ブルボン側は
コレを良しとせず、ジョンチャーチルを閑職へ追いやり、
アン女王の信頼していたコクピットグループを解散させました。」
「アン女王は失意の内に亡くなられ、そしてハノーヴァ朝が誕生し
宮廷ユダヤ人ハッペンハイムに乗っ取られた。」
「まあ、しかたありませんよね。オックスフォード卿は
我々、ユダヤ側の人ですから。」
パトリシアは絶句した。
少し落ち着こうとしたが、話が衝撃的過ぎて
頭が回らない。
しかしこれだけは言った。
「協力するには条件があります。」
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