RPG009 ペットはボコってHP1割以下にしてテイムします 改良版

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第1章

13 ティアとリエルの旅立ち

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ここは、ハンフルクを南下したところにある町『サウスブルグ』
紡績が主な産業で、綿花畑が周囲に広がる。
人口は2~3万人といったところか。
坂道の多い街だが、ティアはスキップしながら
駆け上っていた。
「ただいまー」
ティアはそう言うと部屋のドアを閉めた。
熾天使と言えど金はない。格下の天使に言えば
金はもらえるだろうがプライドが許さない。
道中倒したモンスターからドロップしたお金で生活している。
熾天使リエルはティアのマナががあれば生活できるのだが、
人間になったティアには水食糧は必要だ。

ティアは買ってきたライ麦パンとミルク、果物を
テーブルに置くと、携帯のナイフでパンを切り分け
果物の皮をむいた。

「リエルは食べないの?」
ティアがそう聞くと、「天使や悪魔の食料はマナだ。
そのくらい覚えているだろう」
「あ、そうか野菜を食べてるんじゃなくて、マナを食べてるのか。」
「お前からもらっている分で十分賄えている。」
リエルはぶっきらぼうに言うと、相変わらずベッドで
ごろごろしている。

「エスタ帝国で『死者蘇生魔法』を扱う大賢者が現れたらしいが、
どこかへ行ってしまったらしい。」
リエルはそう言うとため息をついた。
かつての真なる神は使えたらしいが、現在は存在していない。

リエルはティアを睨みつけると成長しないのはなぜか考えてしまう。
「それにしてもお前は、なぜ今だに初級魔法しか使えないんだ?」
「一般人ならともかく、元魔族だ。しかも教えているのは
熾天使たる私だぞ。」

いらいらしながら、リエルはベットから出ると上着とマントを羽織り
ティアを急かす。
「早く食事を終わらせろ、ギルドで仕事を探すぞ。」

「は、ふぁい」急いでパンを詰め込むとティアは準備を整えた。

ギルド施設に到着した2人は初心者向けクエストを探し始めた。
ティアはマナつまりマジックポイントが計測不能なほど高いが
他のステータスが人間の一般人レベルなので、初級魔法を連発できる。
雑魚を大量に狩るのが向いている。

「このイノシシの群れの討伐などいいんじゃないか?
1匹につき銅貨3枚だ。」

「そうですね、それにします。」
ティアは快く返事をした。

街の門から出て500メートルも進めば今回の狩場だ。
別にイノシシは旅人や冒険者に害をなすわけではなく、
単に食料にするために狩っているのだ。

知力が低いため火力がなく、ティアの初級範囲魔法には手ごろな相手だ。
威力が高すぎて灰になったりしないためだ。
周りの冒険者は、肉をダメにしないように剣や弓で倒している。

ティアは周りに人のいないところを選ぶとイノシシの群れに魔法を放った。
『初級範囲魔法 火炎球』、『初級範囲魔法 火炎球』、『初級範囲魔法 火炎球』
・・・・・・普通ならマナが切れるのだがティアは永遠に打ち続けられる。
撃ち終わったらイノシシを殺してストレージに入れる。
生きたままだとスタックされず入らないからだ。
500匹は狩り殺しただろう、これで豚肉の価格はまた暴落しそうだ。

ギルドに戻り報告した2人は金貨10枚と銀貨5枚の報酬を受け取ると
ギルドの食堂で食事を始めた。メニューはポークソテーだ。
すると隣の冒険者が声をかけてきた。
「よぉ、ねえちゃんたち。初心者クエストですごい稼ぐな。」
「質より数を重視して仕事を探すのでね。」
馬鹿にしているのかと思い不愉快そうにリエルが答える。

「すげえと言えば、ビギニングブルグでは生きたマグロ2000匹を
半日で運んだやつがいるらしい。」
男は興奮気味に語る。

「眉唾物だな、生きたマグロはスタックできない。
どうやって運んだんだ?それに半日で往復など不可能だ。
どこの港からだ。最寄りはマルセポートのはずだが、
それでも往復600キロメートルはあるだろう。」
リエルは人間を雑魚だと思っているので不機嫌だ。

「そう、マルセポート、どうやったんだろうな。
100メートルくらいのでかいドラゴンに乗せて運んだという噂だが、
まあ、うわさにすぎないだろうな。」
その冒険者もそのうわさ話の信憑性には疑いを持っているようだ。

「まあ、結構有名な噂だからな、ビギニングブルグに立ち寄った時には
聞いてみるといいだろう、ハハハ」
男はそう言うと立ち去った。

ギルドを後にした2にんはなかなかおしゃれなカフェでお茶をしていた。
「ここでの生活は慣れたが、生活するために生活しているようだ。
目的がない。だからそろそろ拠点を移そうと思う」
「ティアはどう思う」
「そうですね。慣れてきたので残念ですが、リエルさんにお任せします。」
「先ほどの話で気になったのだが、死者蘇生を行なった大賢者が復活させたのは
『巨大なドラゴンに乗った竜騎士』だったらしいです。そんなドラゴンが
そう、たくさんいるのだろうか?」
リエルはティアに相談半分に独り言を言った。

「まあ、そうだな巨大なドラゴンならマグロ2000匹をのせて
600キロメートルを往復することも可能かもしれない。
死者蘇生をした白魔導士も関係者かもしれない、行ってみるか。

2人は手早く荷物をまとめると馬車を調達して、サウスブルグから
1週間程度の距離にあるビギニングブルグに向かった。
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