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第2章 遺言
因縁の虎と竜
相良 和希は思う。
あの男、西園寺 要は悪魔だ。
悪魔と書いて悪魔と呼ぶ。
冷徹非道で無表情、権力を振りかざす傲慢野郎、しかもロールキャベツ男子だと言う。
見た目草食系、だけど中身を覗くと肉ぎっしり!ガッツリ肉食、あっちのテクも相当らしい。
世の中、理不尽過ぎる。
天は二物を与えず、とか言う癖に、あの悪魔には、二物も三物もある。
ルックス、財力、権力、秀でた能力、超人的な運動神経、そして相思相愛の恋人。
和希は目の前で洗い物をする葵を、カウンターに肘をついてぼんやりと眺める。
見た目は普通、いやギリギリ中の上程度?
最初見た時は「何でこの女なのか」と思ったくらいだ。
それほど胸がデカイようにも見えない。
まー、バランス的にスタイルはそこそこイイのか…
それにしてももっと上玉を捕まえられるだろうに、なぜこの女なのかと疑問だった。
だけれど、これがまた癖のある女で、夢中になる理由がすぐに分かってしまった。
鯵の開き、たくあん、スルメ?
味わい深いと言うか、癖になると言うか、噛めば噛む程的な、味のある女なのだ。
すでに28才のアラサーではあるが、童顔のせいか全く年相応には見えず、色気もなく、男性経験もない。
所謂、喪女と言うやつだと思う。
同じ年くらいだと思っていたら7才も年上だった!これにはビックリ。
悪魔が18才で通しているから、10才差のカップルなわけだ。
だがリードしてるのは18才、ベタ惚れなのも18才のほうか?
とにかく、溺愛ぶりが半端ない。
この二人、最近何か隠し事をしている…
気がするようなしないような。
悪魔は隠し事の塊みたいな奴だから、まあいい。
問題は、葵だ。
テーブル席を片付けてきた要が、洗い物をシンクの中に追加する。
顔を合わせ微笑み合う二人…
和希は眉間にしわを寄せ、片目を細めると、二人を凝視した。
すると速攻で要が視線を向けて来た。
(あ、ヤベ…)
和希は見ていたのは偶然です、と言わんばかりに視線を泳がせる。
「……和希」
要が食器を拭きながら声をかけてくる。
「なんでもねーよっ」
「まだ何も言ってないだろ」
チラリと要が目を上げる。
検閲でもするかのような、蛇のようなその目が和希は苦手だ。
蛇に睨まれたカエルさながら、つい構えてしまう。
「和希くんはケーキ好き?」
空気を読んだからか天然だからなのか、また唐突に葵が声をかけてきた。
要が拭き終わった食器をてきぱきと棚に戻しながら、好奇心の塊のような目を向けてくる。
「…あー、普通に食べるけど、なんで突然ケーキ?」
「クリスマスにね、ケーキ作ろうかって満琉さんと話したの。でね、皆んなが好きなケーキをリサーチ中」
「クリスマスって気が早くね?」
「早くないよっ、作るの練習するの。で、和希くんはどんなケーキ好き?何味?」
「あー、フルーツとかいらねー、味はゴテゴテしてないヤツ」
「フルーツ嫌なんだね…」
困った顔をする辺り、葵はフルーツ盛り沢山なタイプらしい。
別に作るなら作るで、皆んなの好みなんか聞かず、自分で好きなものを作ればいいのに、と和希は思う。
好みがバラけたら面倒なことになるのが目に見えてる。
「別に、食えねーワケじゃないから、あってもいいけどな」
「うん、和希くんのフルーツは私が食べてあげる」
笑うと小さな顔に愛嬌が溢れる。
こう言う辺り、今までモテない訳ではなかったと思うが、なぜ処女でいられたのか…
そもそも、あの橘 詠一と付き合っていながら、処女を守れたことが謎だ。
「要くんはチョコケーキ系だもんね?」
「葵さんが作るなら何でも食べますよ」
歯が浮きそうな台詞を挨拶でもするかのように、サラッと言えてしまう要に和希は片頬を引きつらせた。
「ほんとかな?」と呟く葵の耳元に要が何やら囁いている。
(うわー、マジないわ…)
目の前のリア充カップルに和希は冷めた視線を送った。
もう二人の世界である。
午後のピークが過ぎ、満琉が買い物に出ているから他に話す相手もいない。
和希はイスを反転させ、それとなく窓の外を見た。
黒塗りの高級車がスッと入口前に停まるところだった。
(バカ親父が乗ってんのに似てんなー)
最近は祥吾も似たのに乗り、篠宮が運転している。
時折、店の前まで乗り付けるし、あまり珍しい光景ではない。
運転手らしき男が後部座席のドアを開く。
ガタイの良さからして篠宮ではない、が何処と無く見覚えが…
後部座席から出てきた人物を見て、和希はイスから落ちそうになった。
(…な、な、なっ…何でだ!)
店の扉が開き、カランカランと鳴り響く扉の鐘の音に、葵がカウンターの入口まで移動する。
「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」
会釈をした葵が店内へと誘った。
「ちょっ、ちょーっと待て!!」
慌てた和希はその客の前に立ちはだかる。
これ以上、店の奥に入れる訳にはいかない。
「何しに来たんだよ、バカ親父っ」
今年のクリスマスは賑やかになりそうだ、と満琉が嬉しそうに言っていた。
葵もそう思いたい。
だけれど、満琉がクリスマスの話を出すのも寂しさの裏返しなのだろう。
楓の寿命が尽きることを知り、気丈でいたいが為に気を紛らわしたいのだと思う。
カウンターの中が片付き、一息つくと目の前でガタンと音が鳴り、和希が座り直していた。
どうしたのだろうと思ったら、店の前に黒い車が停まっていて、男性が降りてくると店へと入ってきた。
和服姿の中年の紳士である。
紺色の羽織姿に食いつかれそうな鋭い眼光を放ち、貫禄たっぷりだ。
一瞬気押されたが、平常心を装い葵が出迎える。
葵に声をかけられ、紳士の眼光が和らぎ、何かを見つけたように驚目した。
(…初対面よね?)
何だろうか、初めて会った気がしない。
「何しに来たんだよ、バカ親父っ」
紳士を見上げてぼんやりしていると、和希が凄い足音で駆けて来て通路を塞いだ。
「えっ?!」
葵は和希と和服姿の紳士を交互に見る。
(親父?親父って言ったよね…え?親父??)
威嚇するように睨みつける和希と、岩壁も貫きそうな眼光を向けている紳士。
「元気そうだな、バカ息子」
低くドスの効いた声が貫禄を増す。
「だから、何しに来たんだよ!」
今にも唸り出しそうな和希の剣幕を、紳士が鼻で笑う。
「相良さん、ようこそ」
その場の雰囲気を冷やすような静かな口調で、要が葵の横から声をかけ、手を差し出す。
「御足労頂いてしまい申し訳ありません」
「要様、そんな滅相も無い…愚息が世話になり、こちらこそ申し訳ない」
要に向き直った紳士が目元を緩め、要の手を取ると固い握手を交わす。
(要くんが呼んだんだ!)
昨日の会話を思い出し、葵はそれに気づいた。
(やること早いよ、要くん…)
和希に父親との和解を促したい、のだろうけど…
「てめーか、呼んだのっ!」
要に掴みかかりそうな和希を見るからに、促せるのだろうか、これは。
「このバカ息子が!要様に向かって何と言う口の利き方だ!」
火が付いたように紳士が声を張り上げる。
「うるっせーな!何が要様だっ、オレはなその要様の弟だったんだよ!てめーこそ、図がたけーんだよ、クソ親父!!」
「何を抜かすか!弟でありながら謀反を働きおって!!要様の温情で許されているのがわからんのか?!」
「なっ!何が温情だ?!こき使われてるただの下僕だっつーの!!」
「側にいられるだけ有難いと思え、この恥知らずが!」
差し詰め、和希がガルガルと歯をむき出しにする虎なら、紳士は火を吐く竜である。
終わりが見えない怒涛の応酬に、葵はそっと要の袖を掴んだ。
「…これ、どうしよ」
おろおろと紳士と和希を見やる葵を見下ろし、要は小さく笑った。
「葵さん、二人に何か言ってみてください」
「え?私が?…」
「葵さんの言葉なら届きますよ」
自信たっぷりに言う要に、葵は首を傾げる。
だけど、これでは何も話が進まないし…
要は何故か二人のやりとりを静観する姿勢だ。
「あ、あの…」
駄目元で声をかけると、紳士がすぐに反応し葵を見た。
「ここでは何ですし、落ち着いて座って話しませんか?」
スーッと紳士の勢いが引いていくのがわかる。
袖口に手を入れる形で腕を組んだ。
「…ごもっとも」
そして低く落ち着いた声が告げる。
和希に視線を送ると、オモチャを取り上げられたような膨れっ面の和希がいた。
「…ね?和希くん」
声をかけたとたん、和希が葵の手を取りエレベーターホールへの扉に向かい出す。
「ちょっと和希くん!」
グイグイと手を引かれ葵はぶら下がるように足を踏ん張った。
「ちょっと!…いい加減に、しなさい!」
掴まれていない手で和希の肘、親指二本分辺りを力いっぱいつまみ上げてやる。
「いでっ…いでてて!」
和希が葵の手を放し悲鳴を上げた。
「子供染みたことしてないで、ちゃんとお父さんと向き合いなさい!向き合った上でどうしてもダメでも、和希くんにはここがあるんだからっ」
怒鳴りつけてから葵はハッとする。
和希から手を放し、背後を肩越しに振り返ると、要が笑いを堪えるように口元に手を当てていて、紳士はうっすら口を開けて唖然としていた。
あの男、西園寺 要は悪魔だ。
悪魔と書いて悪魔と呼ぶ。
冷徹非道で無表情、権力を振りかざす傲慢野郎、しかもロールキャベツ男子だと言う。
見た目草食系、だけど中身を覗くと肉ぎっしり!ガッツリ肉食、あっちのテクも相当らしい。
世の中、理不尽過ぎる。
天は二物を与えず、とか言う癖に、あの悪魔には、二物も三物もある。
ルックス、財力、権力、秀でた能力、超人的な運動神経、そして相思相愛の恋人。
和希は目の前で洗い物をする葵を、カウンターに肘をついてぼんやりと眺める。
見た目は普通、いやギリギリ中の上程度?
最初見た時は「何でこの女なのか」と思ったくらいだ。
それほど胸がデカイようにも見えない。
まー、バランス的にスタイルはそこそこイイのか…
それにしてももっと上玉を捕まえられるだろうに、なぜこの女なのかと疑問だった。
だけれど、これがまた癖のある女で、夢中になる理由がすぐに分かってしまった。
鯵の開き、たくあん、スルメ?
味わい深いと言うか、癖になると言うか、噛めば噛む程的な、味のある女なのだ。
すでに28才のアラサーではあるが、童顔のせいか全く年相応には見えず、色気もなく、男性経験もない。
所謂、喪女と言うやつだと思う。
同じ年くらいだと思っていたら7才も年上だった!これにはビックリ。
悪魔が18才で通しているから、10才差のカップルなわけだ。
だがリードしてるのは18才、ベタ惚れなのも18才のほうか?
とにかく、溺愛ぶりが半端ない。
この二人、最近何か隠し事をしている…
気がするようなしないような。
悪魔は隠し事の塊みたいな奴だから、まあいい。
問題は、葵だ。
テーブル席を片付けてきた要が、洗い物をシンクの中に追加する。
顔を合わせ微笑み合う二人…
和希は眉間にしわを寄せ、片目を細めると、二人を凝視した。
すると速攻で要が視線を向けて来た。
(あ、ヤベ…)
和希は見ていたのは偶然です、と言わんばかりに視線を泳がせる。
「……和希」
要が食器を拭きながら声をかけてくる。
「なんでもねーよっ」
「まだ何も言ってないだろ」
チラリと要が目を上げる。
検閲でもするかのような、蛇のようなその目が和希は苦手だ。
蛇に睨まれたカエルさながら、つい構えてしまう。
「和希くんはケーキ好き?」
空気を読んだからか天然だからなのか、また唐突に葵が声をかけてきた。
要が拭き終わった食器をてきぱきと棚に戻しながら、好奇心の塊のような目を向けてくる。
「…あー、普通に食べるけど、なんで突然ケーキ?」
「クリスマスにね、ケーキ作ろうかって満琉さんと話したの。でね、皆んなが好きなケーキをリサーチ中」
「クリスマスって気が早くね?」
「早くないよっ、作るの練習するの。で、和希くんはどんなケーキ好き?何味?」
「あー、フルーツとかいらねー、味はゴテゴテしてないヤツ」
「フルーツ嫌なんだね…」
困った顔をする辺り、葵はフルーツ盛り沢山なタイプらしい。
別に作るなら作るで、皆んなの好みなんか聞かず、自分で好きなものを作ればいいのに、と和希は思う。
好みがバラけたら面倒なことになるのが目に見えてる。
「別に、食えねーワケじゃないから、あってもいいけどな」
「うん、和希くんのフルーツは私が食べてあげる」
笑うと小さな顔に愛嬌が溢れる。
こう言う辺り、今までモテない訳ではなかったと思うが、なぜ処女でいられたのか…
そもそも、あの橘 詠一と付き合っていながら、処女を守れたことが謎だ。
「要くんはチョコケーキ系だもんね?」
「葵さんが作るなら何でも食べますよ」
歯が浮きそうな台詞を挨拶でもするかのように、サラッと言えてしまう要に和希は片頬を引きつらせた。
「ほんとかな?」と呟く葵の耳元に要が何やら囁いている。
(うわー、マジないわ…)
目の前のリア充カップルに和希は冷めた視線を送った。
もう二人の世界である。
午後のピークが過ぎ、満琉が買い物に出ているから他に話す相手もいない。
和希はイスを反転させ、それとなく窓の外を見た。
黒塗りの高級車がスッと入口前に停まるところだった。
(バカ親父が乗ってんのに似てんなー)
最近は祥吾も似たのに乗り、篠宮が運転している。
時折、店の前まで乗り付けるし、あまり珍しい光景ではない。
運転手らしき男が後部座席のドアを開く。
ガタイの良さからして篠宮ではない、が何処と無く見覚えが…
後部座席から出てきた人物を見て、和希はイスから落ちそうになった。
(…な、な、なっ…何でだ!)
店の扉が開き、カランカランと鳴り響く扉の鐘の音に、葵がカウンターの入口まで移動する。
「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」
会釈をした葵が店内へと誘った。
「ちょっ、ちょーっと待て!!」
慌てた和希はその客の前に立ちはだかる。
これ以上、店の奥に入れる訳にはいかない。
「何しに来たんだよ、バカ親父っ」
今年のクリスマスは賑やかになりそうだ、と満琉が嬉しそうに言っていた。
葵もそう思いたい。
だけれど、満琉がクリスマスの話を出すのも寂しさの裏返しなのだろう。
楓の寿命が尽きることを知り、気丈でいたいが為に気を紛らわしたいのだと思う。
カウンターの中が片付き、一息つくと目の前でガタンと音が鳴り、和希が座り直していた。
どうしたのだろうと思ったら、店の前に黒い車が停まっていて、男性が降りてくると店へと入ってきた。
和服姿の中年の紳士である。
紺色の羽織姿に食いつかれそうな鋭い眼光を放ち、貫禄たっぷりだ。
一瞬気押されたが、平常心を装い葵が出迎える。
葵に声をかけられ、紳士の眼光が和らぎ、何かを見つけたように驚目した。
(…初対面よね?)
何だろうか、初めて会った気がしない。
「何しに来たんだよ、バカ親父っ」
紳士を見上げてぼんやりしていると、和希が凄い足音で駆けて来て通路を塞いだ。
「えっ?!」
葵は和希と和服姿の紳士を交互に見る。
(親父?親父って言ったよね…え?親父??)
威嚇するように睨みつける和希と、岩壁も貫きそうな眼光を向けている紳士。
「元気そうだな、バカ息子」
低くドスの効いた声が貫禄を増す。
「だから、何しに来たんだよ!」
今にも唸り出しそうな和希の剣幕を、紳士が鼻で笑う。
「相良さん、ようこそ」
その場の雰囲気を冷やすような静かな口調で、要が葵の横から声をかけ、手を差し出す。
「御足労頂いてしまい申し訳ありません」
「要様、そんな滅相も無い…愚息が世話になり、こちらこそ申し訳ない」
要に向き直った紳士が目元を緩め、要の手を取ると固い握手を交わす。
(要くんが呼んだんだ!)
昨日の会話を思い出し、葵はそれに気づいた。
(やること早いよ、要くん…)
和希に父親との和解を促したい、のだろうけど…
「てめーか、呼んだのっ!」
要に掴みかかりそうな和希を見るからに、促せるのだろうか、これは。
「このバカ息子が!要様に向かって何と言う口の利き方だ!」
火が付いたように紳士が声を張り上げる。
「うるっせーな!何が要様だっ、オレはなその要様の弟だったんだよ!てめーこそ、図がたけーんだよ、クソ親父!!」
「何を抜かすか!弟でありながら謀反を働きおって!!要様の温情で許されているのがわからんのか?!」
「なっ!何が温情だ?!こき使われてるただの下僕だっつーの!!」
「側にいられるだけ有難いと思え、この恥知らずが!」
差し詰め、和希がガルガルと歯をむき出しにする虎なら、紳士は火を吐く竜である。
終わりが見えない怒涛の応酬に、葵はそっと要の袖を掴んだ。
「…これ、どうしよ」
おろおろと紳士と和希を見やる葵を見下ろし、要は小さく笑った。
「葵さん、二人に何か言ってみてください」
「え?私が?…」
「葵さんの言葉なら届きますよ」
自信たっぷりに言う要に、葵は首を傾げる。
だけど、これでは何も話が進まないし…
要は何故か二人のやりとりを静観する姿勢だ。
「あ、あの…」
駄目元で声をかけると、紳士がすぐに反応し葵を見た。
「ここでは何ですし、落ち着いて座って話しませんか?」
スーッと紳士の勢いが引いていくのがわかる。
袖口に手を入れる形で腕を組んだ。
「…ごもっとも」
そして低く落ち着いた声が告げる。
和希に視線を送ると、オモチャを取り上げられたような膨れっ面の和希がいた。
「…ね?和希くん」
声をかけたとたん、和希が葵の手を取りエレベーターホールへの扉に向かい出す。
「ちょっと和希くん!」
グイグイと手を引かれ葵はぶら下がるように足を踏ん張った。
「ちょっと!…いい加減に、しなさい!」
掴まれていない手で和希の肘、親指二本分辺りを力いっぱいつまみ上げてやる。
「いでっ…いでてて!」
和希が葵の手を放し悲鳴を上げた。
「子供染みたことしてないで、ちゃんとお父さんと向き合いなさい!向き合った上でどうしてもダメでも、和希くんにはここがあるんだからっ」
怒鳴りつけてから葵はハッとする。
和希から手を放し、背後を肩越しに振り返ると、要が笑いを堪えるように口元に手を当てていて、紳士はうっすら口を開けて唖然としていた。
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