11 / 44
supplementary tuition番外編
倦怠期ってなんですか?3
しおりを挟む
春香がなぜここにいるのか、それは勿論気にはなるが聞き流せないのは。
…………倦怠期?倦怠期って言った?
夢月の知る倦怠期には良い意味はない。
だけれどそれは、夢月の中にある不安を言い表した様にしっくりくるものだった。
「別に狙ってココにいたんじゃないし」
身構える夢月に春香は心外だと言わんばかりに眉を顰める。
「ココね、うちの学校の最寄駅、そんで偶然おねーさま方がそこに座ったんだからね」
春香に言われて辺りを見回すと確かに同じ制服がたくさん目についた。
どうやら本当に、偶然らしい。
「そしたら面白い話してたから」
「…………どこから聞いてたの?」
「ザックリぜんぶ?」
思い出そうとするように斜め上に視線を上げてから春香がニコリと笑う。
恥ずかしさ極まりない。
美咲相手だったから明から様に吐露したりもした。
このまま立ち去りたい思いに駆られながら、夢月は椅子を立つ事が出来ず逡巡する。
春香は、兄が逮捕された一件をどう感じているのだろうか。
先程の会話には触れて欲しくないし、倦怠期と言うフレーズはかなり引っかかる。
だけれど、自分に向けてくるその笑顔に夢月は清水蓮を思い浮かべずにいられなかった。
「ねーねー、私が相談に乗ったげる」
「 ──── えっ?はい?」
戸惑う夢月に構わずに、春香が自分のグラス片手に夢月の座るテーブルに移ってくる。
しかも夢月の真隣に椅子を持ってきた。
「夢月さん、倦怠期って知ってるよね?」
「い、いちお?」
付き合いの長いカップルや夫婦が「飽きや慣れ」を感じる時期を倦怠期と呼ぶはずだ。
恋愛に乏しい人生だっただけに、その言葉は縁遠く、さらっと表面上の意味しか知らない。
付き合いが長いってどれくらい?
あれ…………私っていつから真崎くんと恋人?
「夢月さんは最近有くんに恋したんだろーけど、有くんはさ、もう何年も夢月さんに恋してんじゃん」
「 ────── っ!?」
春香の指摘に夢月は愕然とした。
言われた通り、二人の間には列記とした違いがあるのだ。
「えっと、中2のカテキョからなら、1、2…………4年?それはさ、さすがに飽きても仕方ないよ」
指折り数え春香は自分の発言に納得しながら頷く。
「しかもー、つい最近まで不毛な片思いだよ。なんかほら、前振り長過ぎてゲットしたとたんに冷めるみたいな」
「…………さ、さめる?」
「ヤり飽きたとかー」
「ヤっ!……………………」
力一杯それはないと言い切りたかったが言葉が詰まった。
前々から薄っすら思っていたが、行為中されるがままで自分は何もしていない。
こんな年齢まで処女で、何の技もない。
男を喜ばせる方法が全く分かっていない。
そんなSEX、経験豊富な男からしたらつまらないのかもしれないと、ぼんやり思っていた。
「有くんってさ、かなりドライなSEXじゃん。女取っ替え引っ替えだったし、飽きやすいのかもよ」
「………………………………ドライ?」
「事務的で素っ気なくない?」
春香が拗ねたように唇を尖らせ、テーブルに肘をつく。
ドライな印象など、微塵もない。
それに不思議な既視感に襲われ、夢月は黙りこんだ。
この会話、前にも……………………
…………倦怠期?倦怠期って言った?
夢月の知る倦怠期には良い意味はない。
だけれどそれは、夢月の中にある不安を言い表した様にしっくりくるものだった。
「別に狙ってココにいたんじゃないし」
身構える夢月に春香は心外だと言わんばかりに眉を顰める。
「ココね、うちの学校の最寄駅、そんで偶然おねーさま方がそこに座ったんだからね」
春香に言われて辺りを見回すと確かに同じ制服がたくさん目についた。
どうやら本当に、偶然らしい。
「そしたら面白い話してたから」
「…………どこから聞いてたの?」
「ザックリぜんぶ?」
思い出そうとするように斜め上に視線を上げてから春香がニコリと笑う。
恥ずかしさ極まりない。
美咲相手だったから明から様に吐露したりもした。
このまま立ち去りたい思いに駆られながら、夢月は椅子を立つ事が出来ず逡巡する。
春香は、兄が逮捕された一件をどう感じているのだろうか。
先程の会話には触れて欲しくないし、倦怠期と言うフレーズはかなり引っかかる。
だけれど、自分に向けてくるその笑顔に夢月は清水蓮を思い浮かべずにいられなかった。
「ねーねー、私が相談に乗ったげる」
「 ──── えっ?はい?」
戸惑う夢月に構わずに、春香が自分のグラス片手に夢月の座るテーブルに移ってくる。
しかも夢月の真隣に椅子を持ってきた。
「夢月さん、倦怠期って知ってるよね?」
「い、いちお?」
付き合いの長いカップルや夫婦が「飽きや慣れ」を感じる時期を倦怠期と呼ぶはずだ。
恋愛に乏しい人生だっただけに、その言葉は縁遠く、さらっと表面上の意味しか知らない。
付き合いが長いってどれくらい?
あれ…………私っていつから真崎くんと恋人?
「夢月さんは最近有くんに恋したんだろーけど、有くんはさ、もう何年も夢月さんに恋してんじゃん」
「 ────── っ!?」
春香の指摘に夢月は愕然とした。
言われた通り、二人の間には列記とした違いがあるのだ。
「えっと、中2のカテキョからなら、1、2…………4年?それはさ、さすがに飽きても仕方ないよ」
指折り数え春香は自分の発言に納得しながら頷く。
「しかもー、つい最近まで不毛な片思いだよ。なんかほら、前振り長過ぎてゲットしたとたんに冷めるみたいな」
「…………さ、さめる?」
「ヤり飽きたとかー」
「ヤっ!……………………」
力一杯それはないと言い切りたかったが言葉が詰まった。
前々から薄っすら思っていたが、行為中されるがままで自分は何もしていない。
こんな年齢まで処女で、何の技もない。
男を喜ばせる方法が全く分かっていない。
そんなSEX、経験豊富な男からしたらつまらないのかもしれないと、ぼんやり思っていた。
「有くんってさ、かなりドライなSEXじゃん。女取っ替え引っ替えだったし、飽きやすいのかもよ」
「………………………………ドライ?」
「事務的で素っ気なくない?」
春香が拗ねたように唇を尖らせ、テーブルに肘をつく。
ドライな印象など、微塵もない。
それに不思議な既視感に襲われ、夢月は黙りこんだ。
この会話、前にも……………………
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる