私の片思いの相手は不思議な喫茶店で働いている猫さんでした。

*花*

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6日目(土) ぶち猫3

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私と優斗は少し話をしてから、解散した。解散する時も優斗の方から「じゃあな」とにこにこしながら手をぶんぶんと大きく振ってくれた。
……これでひとまず安心だ。肩の荷がおりた気がする。私はベンチから すっ と立って、ふと木の方を見た。

……今日もいるよ。

木の陰から、ぬっと顔を出して、大きな金色の目でこちらを見ているぶち猫がいた。私は木の方へ駆け寄った。すると猫は木から離れ、ゆっくりと後ろを振り返り、いつもとは違い、少し重い足取りで歩いて行った。

あれ……?おかしいな……?いつもならもうちょっと軽い足取りで、軽快に歩いていたんだけど。

私は気になったが、とりあえずついて行くことにした。


いつも通り、まりもには着いた。だが、どうしてもあの猫のことが気になる。だけど、周りを見渡してもあのぶち猫はいなかった。私はあの三人に話を聞いてみることにした。

私はドアを開けた。ベルがチリンと鳴ったと同時に「瀬良ちゃん!!」と大声で叫ぶ声が聞こえた。その声の正体は夕佳さんだった。夕佳さんは私の方を少し青ざめた顔で見てきた。何か焦っている様子だ。私は急いで夕佳さんの元へ駆け寄った。

「どうしたんですか!?」
「…………彗くんが……熱を出しちゃって……しかもかなりの高熱で、苦しそうなのよ……」
「えっ!?本当ですか!?!?」
「えぇ、今から案内するわ」

「ついてきて」とこちらを振り返って言った。私はうんと力強く頷いた。零さんはもの凄く冷静に私達のことを じっ と見つめていた。落ち着けとでも伝えているのか。私は冷たい視線をひやひやと浴びながらも夕佳さんんの後について行った。

初めて入った厨房。そこには色々な食べ物が置いてあった。そして、何か書かれているメモ紙。料理の試作でもしていたのか。
ちらちら見ていると、厨房の奥の方にドアノブが付いている黒い扉があった。

「この奥に彗くんがいるわ」

と夕佳さんは言った。私はごくりと唾を飲み込んでから、そっとドアノブに手をかけ、ゆっくり開けた。

「彗く……あ……」

私はそばに近寄った。
寝ている……
彗くんはすぅ、すぅと寝息を立てて寝ていた。部屋の中はいたって殺風景だった。すっきりとまとめられて、ごちゃごちゃとした部屋ではなかった。この部屋にあるのは、掛け時計、作業机、上げ下げ窓、そしてベッド。私は作業机の椅子を引き出し、座った。私は彗くんの額にそっと手を置いた。

…………少し熱い。

どれだけ熱が高いんだとびっくりしていた。彗くんは氷枕の上で寝ていた。そして、氷嚢をしていたが、まだ熱さは残っていた。

私に出来ることは…………

少し悩んだ末、私はあることを思いついた。私はハンカチを取り出した。そして、厨房へと入った。水でハンカチを濡らし、さっきの部屋へ戻った。そして私は、顔や首元を拭いた。それから窓を開けた。外からの風が心地よい。私はハンカチを握りしめ、これで少しでも良くなったらいいな と思った。そして、さらにハンカチをぎゅっと握りしめ、願った。

……早く、彗くんが元気になってくれるといいなぁ。
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