上 下
1 / 40

プロローグ

しおりを挟む
「…お嬢様、朝です。起きて下さい」

「ん…あと30分…」

…って、え?お嬢様?

「駄目です、今日はお嬢様の晴れ舞台なのですから…」

「ふぁぁ…全く、少しくらい良いじゃないの」

と、取り敢えずこんな感じで演技しとけば良いのかな?ええっと、この状況は…
↑豪華な天井
メイド姿←
→大きな庭が見える
↓ふわっふわで豪華なベッド

…え、えええ!?な、なにこれ!?え、私家で寝てたよね!?なんでこんなことに!?

「ダメです。それでは、準備いたします」

「ええ」

…鏡?…あれ、この顔どっかで…あっ!ま、まさか…寝る前にやってた乙女ゲームの悪役キャラ!?うそ…

「本日の髪はどうされますか?」

「そうね…今日はなんだが疲れているみたいだから巻かなくて良いわ」

と、取り敢えずあのドリルだけは回避しないと!

「え?で、ですが…本日は皇子様も来られますよ?」

「別にいいわよ、私興味無いし」

「た、確かに政略婚約ですが…」

…良かった、てことはこの日はまだ会ってない時かな…

「それより、この服邪魔ね。もっと楽なのないのかしら」

「え?楽…ですか?それならば、こちら等はどうでしょう」

「却下よ、ピンクは要らないわ。そうね…」

このキャラ、ローズマリー・アベレージは悪役通りの見た目で、髪は赤、瞳は…って、瞳は変えれるんだった。
取り敢えず、髪は赤で固定だからその色に合わせて…

「…黒、かしら」

「黒ですか?少々お待ち下さい…こちらはどうでしょうか?」

「…ええ、それで良いわ」

「かしこまりました」

…取り敢えず、状況を整理しないと。
ローズマリーが皇子に興味を持っていなくて、晴れ舞台なのは…最初のイベントで、聖女が現れるイベントよね…となると、ローズマリーの魔力がわかるはず…

「どうされました?」

「何も無いわよ」

「?…よし、出来ました。お嬢様」

「ええ、ありがとうね。さて、それじゃあ下に降りましょうか」

「はい、お嬢様」
しおりを挟む

処理中です...