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1 お父様

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「コンッ…お父様、お待たせ致しました」

「ああ、大丈夫だよ。それじゃあ、早速頂こうか」

「「「「神々の恵みに感謝を」」」」

「あ、そうだ。ローズマリー、今日は恐らくお前に婚約の話が来るだろうけど…どうするんだい?」

…あれ?もしかして、まだ婚約されていない?

「お父様、わたくしは既に皇子と婚約しているのでは?」

「ああ、それなら正式にはまだ発表されていないんだ。だから、断るのであれば今日が最後ってことになるね」

…た、確かに…ローズマリーとの婚約は、皇子が属性を継承した後…なら、私の答えは…

「もちろん、お断りさせて頂きます」

「良いのかい?」

「ええ。だって私、まだお父様やお母様と離れたくないもの。それに…別に、皇子に興味を示せないもの」

「プッ…あははは!そうか、分かったよ、そう報告しておこう」

これで、皇子とのフラグは叩き折れたかな?えっと、あと攻略キャラは…全部で…え、何人だっけ?
えっと…
副騎士団長の義理の息子
〈エイト〉
宰相の息子
〈ゼファー〉
隣国の皇子
〈ミセル〉
唯一の味方キャラ
〈アレン〉
隠しキャラで暗殺ギルド
〈ディルク〉

…あ、5人…かな。その中で私が好きになれそうなのは…うん、居ないわ。まともなキャラってこのゲーム居ないんだった…

「ゴクンッ…それじゃあ、そろそろ出発しようか」

「ええ、そうね」

「お父様、お母様。皇子との政略結婚は…」

「「心配要らないよ(わ)」」

「実際、皇子との政略結婚で利益があるのはこちらじゃなくてあっちだからね」

「私達は本人達の意志を尊重したいのよ。だから、問題ないわ」

「…なら、良かったですわ」

「チリンッ…執事、馬車の用意を」

「かしこまりました」

あれは確か…呼び出しの鈴…だっけ?確か、指定範囲内に居る人にならば伝言を伝えることもできるって感じの能力だったと思うけど…

「それじゃ、準備が出来るまではちょっとお喋りしようか」

「ええ」

「はい」

取り敢えず、今の内にローズマリーの属性でも整理しておこうかな。
ローズマリーの属性は、メインは闇魔法…だけど、光以外は全部使える…筈。
何で筈、なのかは原作でローズマリーが闇以外滅多に使わなかったから。
うーん、となると…満遍なく鍛えて行く方が良さそうね。他の人よりも効率は落ちるかもしれないけど…それでも、ほぼ全属性に耐えれる相手は早々居ないはず…

「…おや、馬車が来たようだよ」

「それじゃあ、行きましょう。ローズ、行くわよ」

「はい、お母様」
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