上 下
10 / 40

9 素振り練習

しおりを挟む
「ブンッ…なるほど、力の加減が…」

振る際に力を入れるのは、最初から力入れてしまうと筋肉が強ばって剣を柔軟に動かすことが出来ないから…つまり、振る際に力を入れるというのは攻撃の方向が決まった際の重攻撃や通常攻撃、フェイントなどの適正を合わせて加える…

「よっ!ほっ!…ふぅ」

「…その調子だ」

「ブンッ…なるほど、確かに…基礎が大事なのが分かりますね。常に一定の力で攻撃するのに慣れなければ、重攻撃わフェイントを使う際に中途半端な攻撃になり、防がれやすくなる…といった感じですかね?」

「そうだ。それと、もうひとつ」

「もう1つ…」

「分かるまでは暫くはぁ、素振りだろうな」

「はい…ブンッ」

もう1つ…一定の力を制御するのが重要…?
でも、一体どんなことだろ…

「ブンッ…うーん」

攻撃の際の、変換?

「ブンッ…えっと、攻撃の際に咄嗟に重攻撃↔通常攻撃↔フェイントの力加減を変えるため…ですか?」

「んー…ま、及第点だ。この練習では、例えば…敵がいきなり攻撃方法を変える場合もある。そういった時に、距離を離すために重攻撃や薙ぎ払いを使うこともある。その為、常にどの体勢からも剣を止められるようにする必要がある」

「えっと…ああ、なるほど…ブンッ…ピタッ…ブンッ」

「そうだ。こうすることで、相手の変化にも咄嗟に対応できるようになる」

「ブンッ…なるほど確かに…対人でも、対魔物でも攻撃方法が変わらないとは言いきれませんね…」

「ま、そういうことだ。んじゃ、しばらくはこの練習をしておけ。
まあ、慣れてきたら…そうだな、重攻撃やフェイントの練習をしてもいい。だが、注意してほしいのは手首の故障だ。
手首が壊れてしまうと変な癖が着きやすくなる。だから、手首の故障だけは絶対にしないようにしろ」

「はい、分かりました」

「それじゃあ俺は暫く仕事もあるからまた休みの時にでも来る。それまでに成果を期待しているぞ」

「はい」

「…もう一度だけ言う。怪我だけはするな」

「はい!」

「…じゃあな、またくる」

…過保護だなぁ…というか、攻略キャラにはあんなキャラ居なかったよね?
ということは…この本物の世界だからこそ攻略が可能になるサブキャラ…かなぁ…

「…ローズマリー?」

「どうされました?」

?」

「…なんのことですか?剣術試験ならば、分かっておりますよ?」

「…ま、別にいいよ。ただし…報告にはちゃんと来てね?」

「…?はい」
しおりを挟む

処理中です...