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10 ???の精霊

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「それにしても、騎士団長は厳しい方とお聞きしましたが…」

「ええ、そうね。噂とは違い、かなり優しかったわ」

「皇子様とどちらが良かったですか?」

「そうね…紳士な分騎士団長の方が…って、何を言わせるのよ」

「…あれ、そういえばお嬢様ってどんな方がタイプなのですか?」

「私のタイプ?そうね…私と方を並べられるか、パートナーとして私に着いてこられるのが最低条件ね」

「…えっと、強い方…ですか?」

「私よりもね」

「な、なるほど…(それって騎士団長と公爵様位しかいないような…)」

「ああ、そういえば…メアリ、今日は皇子が友人を連れてここに来るようだけど…」

「大丈夫です、追い返しておきます。執事にもそう伝えておきますね」

「お願いね…さて、休憩も終わったから引き続き始めようかしら」

《姫、的を作ることも可能だが、どうする?》

「(あら、それならおねがいするわ)」

《承った》

「(…ねぇ、今更なんだけど。ガイアとクロノアってなんであんなに私に堅いのかしら)」

《我はこれが素なのだ、堅苦しく思うだろうが慣れて欲しい》

《我は敬意を示しているだけだ》

「(あら、そうなの。なら…クロノア、素の喋り方に変えてくれるかしら?)」

《うっ…そこまで嫌だったか?》

「(あら、そっちの喋り方の方がよっぽど素敵よ?)
…さて、それじゃあ始めようかしら」

《ちょっと良いかしら》

「…え、誰?」

「お嬢様?どうされました?」

「え、いや…契約していない精霊が目の前に居るのよ」

「は、はぁ…」

《っ!全員姫を護れ!》

《あら、私は敵対するつもりはないわよ。というより…今回に至っては手を出したら消されるもの》

《…信用ならねぇな、前だってそういって裏切ったじゃねぇか》

《あら、そうだったかしら?
まあ、別に良いわ。それじゃ、精霊王からのでんご…》

「帰りなさい」

《…え?》

「…あら、こういった命令でも精霊には効くのね」

《ひ、姫…それは普通は出来ない。我ら精霊は言霊に近い存在だから、言霊の力にはかなり抵抗があるのだ》

「あら、そうなの?まあでも…別に良いわ。それじゃあ、練習を再開しましょ」

《う、うむ…(精霊王と言っていたからには何か重要な気も…)》

《(私達の方から接触してみます。私たちならば分身を出せますので)》

《(そうしてくれ)》

「バキッ!!…あら、重攻撃したら的が壊れてしまったわ」

《姫、この的は通常攻撃の力加減の適正を計測するものだ》

「あら、そうなの?なら…キンッ!」

[強]

「…これはどういう意味かしら」

《強は強すぎるという意味だ。ここには、弱・合・強があるからそれで練習できるだろう》

「なるほど…ね!」

[弱]

…今度は弱すぎたみたいね。

「っとと、やっぱり最初は直ぐに手首が痛くなるわね…今日はやめておきましょ」

《姫、手首の筋トレ等も追加していこう》

「ええ、そうするわ」
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