転生したら悪役令嬢！？忙しいのでお断りします！

20 資金集めの為に

「ああ、そういえば…この領地の独立化もしようとか言っていたわね」

《どうするのだ？独立ともなれば、相当な資金と今後の繁栄が必要だが…》 

「それはもうやめたわ。私達…いや、私だけの住処でも作って事が終わり次第名と姿を伏せて暮らそうかと思っているところよ。
そもそも、領地の管理はお父様に任せっきりになるでしょうし…さっさと冒険者ギルドに登録して、独立できる所まで資金でも貯めなくちゃね」

《うむ！》

「ああ…いや…そうね、どうせなら滅ぼす予定の帝国に移り住もうかしら。あそこなら、消したあとは土地の権利は消えるものね」

《世界の秩序の権限からしても、問題はない》

「あら、そうなの？それなら、あそこを私の拠点にしようかしらね」

「…（いつからだ？さっきの話…この家を出る？帝国を滅ぼす？あの娘が？危険すぎる…娘にそんなことは…）」

《姫》

「分かっているわよ。それくらい…さて、1週間後ということだけれど…面倒ね」

《ならば、今の内に冒険者ギルドの方を進めると良いだろう》

「あら、確かにそうね。早速行ってくるわ」

「（？…何処に行くんだ？）」

「ふぅ…全く、盗み聞きをする親をどう信用しろというのですかね。まあ、どうせこの家は捨てるつもりですし問題ないですが。
ああ、止めるようならば…敵対すると思ってください」

「（…な、なんだ今の気配は…）」

「ｺﾂｯ…ｺﾂｯ…ｺﾂｯ…」

「（死神…？…だけど、何よりも…確実に信頼の言葉が飾りでしかないことは確かだね…全く、親として情けない…）」

「座標を冒険者ギルドへ」

ｼｭﾝｯ…さてと、受付は…ああ、あれかな？

「受付はここで大丈夫ですか？」

「はい、ご依頼ですか？」

「いえ、登録をお願いします」

「かしこまりました。それでは、こちらの書類に必要事項をご記入下さい」

「わかりました」

「おいおい、嬢ちゃん。ここは女が遊びに来るような場所じゃねぇぞ」

「…あら、3流程度のチンピラが私に触れないでくれるかしら」

「な、何だこの力！？」

「名前…は偽名でも大丈夫ですか？」

「はい、冒険者間で呼ばれる公式名称ネームとなりますので、偽名でも大丈夫です。
ですが、通常の冒険者ならば自身の名を残したいがため、本名で活動する方も多く存在しています」

「この発動詳細って言うのは？」

「魔法、近接、補助、斥候のどれかです。また、より詳しくご記入されると、パーティなどに誘われやすくなります」

なら、全部一通り書いて…詳細はなしかな。どうせソロだろうし。

「あとは…この位試験って言うのは？」

「これは、初心者がどのランクから活動したいから明細してもらうものです。このランク分けの最小はF、最大はDですが、この試験の記入欄で選択したランクに見合ったテストを行い、試験に合格ならばそのランクから始めることが可能です。
ただし、試験に挑戦できる回数は1度だけ。また、失敗するとFの下であるHランクからスタートします。
Hランクになった者は、雑用系の依頼を受け続け、HからGへ、GからFランクへ上げることで初めて冒険者となります」

「なるほど…なら、Dね」

「俺も良いか？」

「あら、確かにそれが良いわね。この子の登録もお願いできるかしら」

「はい」

「さてと…それで？試験はどこでするのかしら」

「それでは、闘技場へご案内しますので、こちらに着いてきてください」