上 下
23 / 40

21 試験合格の為に

しおりを挟む
「ここです」

「それで、試験とは何をするのですか?」

「先程書かれた発動詳細によって変わりますが…レオンさんは近接、レオナさんはオールラウンダーということですので、2人ともが協力して私を攻撃してもらいます」

「へぇ?」

「その際の攻撃や補助でDランクに値する者かを判断させていただきます。それでは、何時でも開始してくださって構いません」

「さて…どちらから行こうかしら?」

「俺が近接で抑えたらいいんじゃねぇのか?」

「言っておくけれど、私も攻撃メインなのよ?」

「そうだな、それじゃあ…」

「「早い者勝ちだ(ね)」」

「彼の者を縛れ」

霊剣、あらゆる方向から牽制を…

「“土鎖ロックバインド
…ラスト!」

「…ふむ、同時…だな」

「全く…貴方を足止めした方が良かったかしら」

「それだと反則だろ?」

「ええ、そうね」

「…え?」

「それで、私達はDランクには及ばないかしら」

「…ぎ、ギルドマスター!」

「…なんじゃ?」

「あら、転移魔法…かしら?」

「魔力の流れが薄かったし魔道具だろ」

「なるほど」

「こ、この2人Dランク以上の実力があります!」

「…ほぅ?お主にそれほど言わせるとは…」

「お、恐らくSランク級かと…」

「そういえば…ヴィラン」

«グルル?»

「貴方って最近は人間みたいになっているけれど…移動手段のためにも虎か龍にでもなれないかしら?」

«グルル…グル?»

「あら、やっぱり出来るのね」

「ほぅ、従魔師か…」

「あら、違うわよ?彼らは私のペットだもの」

「…ふぅむ、ならばお主ら…儂の権限でAランクまで引き上げてやろう。その代わり、ちと龍の調査をしてくれんかの?」

「龍の調査、ねぇ…それは倒しても良い存在なのかしら?」

「いや、出来れば共同関係を築きたいのでな。交渉が出来そうなのであればぜひそうしてほしいのじゃ」

「ふーん、わかったわ。それで?場所はどこかしら」

「このギルドの地下深くじゃよ。着いて来るが良い、秘密の部屋じゃ」

「…また転移、複数も可能なのね」

「この先じゃ」

「あら?この気配はもしかして…」

「この魔道具を使って下に降りるのじゃ」

「ふぅむ…凄い技術だな」

「初代魔道技師が残したものじゃよ。さて…この先じゃ」

「グルルル…また来たか、何度言っても同じだ」

「そうかっかするでない」

「…あら、やっぱり…貴方精霊の一部を取り込んでいるのね」

「…なんじゃと?」

「いえ、正確に言えば…龍の姿をした精霊…といった所かしら?」

「グルル…小娘、何者だ」

「ギルドマスター、ちょっと話したいので上に戻ってくれませんか?」

「うむ、分かったのじゃ」
しおりを挟む

処理中です...