転生したら悪役令嬢！？忙しいのでお断りします！

23 いや、帰ったら駄目じゃん

「…って、普通に帰ってきたは良いけど目的は資金稼ぎだったのを忘れていたわね」

「なら、一旦戻るか？」

「いえ、先に霊王龍の保護をしましょ」

「いや、我は精霊界に戻らせてもらう」

「そう、なら大丈夫ね」

「ﾌﾟﾁｯ…この鱗を持っておけ。我の魔力が生きているから、これで世が違えど連絡を取り合える」

「分かったわ。大切に保管しておくわね」

《では、ついでに先決姫のペンダント部分に使用しよう》

「ええ、よろしくね」

「む？鮮血姫？こやつは精霊姫ではないのか？」

《精霊からの呼び名は精霊姫だ》

「ふぅむ…人間から、か…何をしたらそのような呼び名に…」

「あら、私はただ、目の前に立ち塞がる敵を薙ぎ倒しただけよ？」

「それくらいならば普通な筈だが…」

《魔物も人も、1振りで首を斬られ、血を浴びている1人の少女…それは正に“鮮血姫”》

「あら、心外ね。別に血は被ってないわよ」

「ふ、ふぅむ…精霊姫とは戦闘もできたのか？我が知っている精霊姫は、人々の繁栄のため、物作りや癒しの力ばかり使っておったが…」

《ならば、その者がそういった力を願ったのだろう。
精霊姫とは、確かに精霊に愛された存在だ。それ故、確かに魔法や自然現象、肉体操作などのスキルなどにはあらゆる適性を持つこととなる。
しかし、その本命は全能神の力を持っている事だ》

「…全能神？初めて聞いたわね」

〖もう我を忘れたか〗

「…あら？貴方って創造神じゃなかったかしら」

〖全知全能の神、創造神、神々の王、それら全ては我が存在だ〗

「なるほど、つまりあなたの力を持っている私はあらゆる力を行使できるって言う事ね？」

《〖うむ〗》

なるほど、だから…

「あら？そういえば…ヴィランを創り出した力はなんという力なのかしら。今までなら、言霊、剣術、魔法…そういった行動自体に言葉があるものだったけれど…」

〖“創造”だ〗

「…ふぅむ、なるほど…でも、それならあらゆる物が作れるんじゃないかしら？」

〖創造の中での一部の力といった所だな〗

「ふぅむ…面倒ね」

〖創造の力を全て使うには魂の位が足りないのでな〗

「魂の位？」

〖“魔”を浄化すれば神の力が、“聖”を侵食すれば邪神の力が手に入る。そして、それらを続けていけば浄化や侵食の力が増し、魂の位が上昇する〗

「なるほど…つまり、魔物や悪意のある者を倒せば倒すほど魂が成長していくという事ね？」

〖うむ、だがまあ…一般人では上がらぬがな〗

「そこら辺は、神の力を持っている者…といった感じかしらね」

〖うむ。そういうことで、これからも鍛錬に励みたまえ〗

「わかってるわ、元よりそのつもりよ」