40 / 40
38 誘拐された瑞季
しおりを挟む
「う…ここは…」
〖む?なんだ、もう起きたか。もう少し眠ってもらおう…〗
「グッ…バキッ…全く、私を誘拐する馬鹿な人が居たなんて…」
〖なっ!何故効かぬ!?〗
「うん?あれ、創造神じゃん。てことは、誘拐犯は…へぇ、敵対するんだね」
〖…まあ良い。すまないが、お前には消えてもらう。
これも、物語を進めるためだ〗
「キンッ…あのさぁ、あんた程度の攻撃が私に効くわけないじゃん。さて…折角だしちょっとお喋りしようか」
〖…どういうつもりだ?貴様ならば、逃げられる筈だが…〗
「どのみちここには半狂乱になったヴィランが神々を喰らい尽くして来るだろうし、大丈夫だよ。それに…この場合、逃げるのは君じゃないかい?」
〖む?…どういう…〗
「…ふふ、今君が思っていること、当ててあげよっか。それはね…どうやってこの死神から逃げるか…でしょ?」
〖くっ…〗
「ふふ、逃げられると思う?逃がすわけないでしょ?まあ、良いわ。さて、それじゃあ続けましょ。
まず、あなたが私を捕まえた理由だけれど…
《女神アナスタシア》あれは、君の分身体が作った最初の部下だろう?」
〖なっ!〗
「そして、彼女が創造の力で創り出したこの世界は、神々に人気で定期的に管理と整備をする度に干渉することを許可されていた。
しかし、一つだけ誤算があった。それは、女神アナスタシアが創り出した始まりの人間であるイヴ。あれは、彼女が創り出した人の器に感情を芽生えさせた。そのせいで、物語に関係の無い部分を含め、運命に亀裂が入ってしまった。
しかし、女神アナスタシアはそれを運命の呪い…いや、あの力を考えるに、正しき道を巡らせる…という循環の祝福か加護…それがどちらかは分からないけど、そういった効果のある力を登場人物に授けて事なきを得た。
だが…イヴは、1つの可能性に掛け、ヒロインではなく、悪役となったローズマリーに可能性を掛けた。
その力は、次第にローズマリーの感情で暴走を引き起こし、祝福という名の歯車の一部がズレた。その瞬間から、ローズマリーは繰り返される展開の中で私を呼び出し、運命に抗うことを決意した…」
〖な、なぜ貴様がそれを…〗
「…しかし、貴女はそれでも女神アナスタシアを助けたいがために何度もローズマリーにある運命の歯車を修復し続けた…が、私の介入により、ついには魂への干渉すら出来なくなった。
そこで、私を誘拐し、説得…出来なければ始末しようとした」
〖ふぅ…うむ、その通りだ。しかし…やはり、我には無理であった。あれは確かに我が分身が創り出した者だった…しかし、あの者は…まるで、この世界のヒロインその者であり…希望だけを実現しようとする。そのため、段々とこの世界にも亀裂が入ってしまったのだ…〗
「貴方の間違いは、彼女を正しき道に導かなかった事だ。旧神である君ならば、本当ならば神帝国以上の権力がある。その権力を使い、このめちゃくちゃなルールを破壊し、全てが平等にならなければなかった…」
〖…だが、もう手遅れだ…恐らく、お主の恋人はここには辿り着かない〗
「…恋人じゃないよ。私達は、多分恋人にはなれない…多分、そうなる前には既に彼の前から何らかの理由で消えているはずだから…」
〖お主はまだ間に合う。頼む…アナスタシアを止めてくれ〗
「…ちなみにだけど、ヴィランってさ…あれ、君が複製した様だけど完コピ出来なかったでしょ?」
〖む?うむ、何らかのバグが発生してな〗
「あれ、バグじゃないんだよね。
あれさ、私が彼に与えた最大の加護なんだよね。効果は…私が彼を想う間、彼は不死となること…
そして、私が死んだ後、彼の願いが一つだけ叶う…それが加護の効果だよ。
だから…彼は死なない。それにね…」
«バンッ!!…瑞季!»
「彼は、私の相棒だよ?その程度、とっくに気づいてるっての!」
«…今度は本物、だよな?»
「…さ、それじゃあ…ヴィラン!」
«…!おう!ハンマーポイント!»
「吹っ飛べぇぇぇ!…ドゴォッ!!」
〖ぐっ…がぁぁぁぁ!〗
「…ねぇ、ヴィラン…流石にやり過ぎたかも(焦」
«おうっ!…瑞季、聞いてくれ»
「うん?なに?」
«…俺は、瑞季が好きだ。お前の隣にいつまでも居たい…だから、俺と付き合ってくれ»
「…ごめんね」
〖…油断したわね〗
「ゴフッ…ヴィ…ラン…幸せ…なって…ね…願いを…叶え…て…」
«お、おい…瑞季?»
〖これで、あの子はきっと戻ってくれるは…〗
«ガブッ…クソ野郎が»
〖ぎっ…あがぁぁぁぁ!〗
«瑞季…ああ、瑞季…頼む、なんで…なんで回復魔法が…»
〖…むぅ、随分と飛ばされたな〗
«…ッ!おい、創造神!お前なら…助けられる筈だろ!»
〖…ああ、やはり…こうなったか。瑞季は…こうなることを予想していたのだろうな…〗
«お、おい…何か知っているのか?»
〖…瑞季から、伝言だ。ヴィランには幸せになって欲しい…だから、私の加護として、私が死ぬのを条件に、一つだけ願いが叶う加護を授けている…との事だ。ではな、我は…彼女の墓を作る〗
«願い…俺の?…そんなの、決まってる…瑞季、俺はもう…お前を離したくない。だから…瑞季、もう一度…チャンスをくれ»
【異端者:ヴィランに掛けられた異端者:柳城 瑞季の加護を発動します】
「…ただいま、ヴィラン」
«…瑞季、もう一度言う…好きだ、付き合ってくれ»
「っ!…ふふ、ありがとう…嬉しい」
«…これから、ずっと一緒だ…瑞季»
〖む?なんだ、もう起きたか。もう少し眠ってもらおう…〗
「グッ…バキッ…全く、私を誘拐する馬鹿な人が居たなんて…」
〖なっ!何故効かぬ!?〗
「うん?あれ、創造神じゃん。てことは、誘拐犯は…へぇ、敵対するんだね」
〖…まあ良い。すまないが、お前には消えてもらう。
これも、物語を進めるためだ〗
「キンッ…あのさぁ、あんた程度の攻撃が私に効くわけないじゃん。さて…折角だしちょっとお喋りしようか」
〖…どういうつもりだ?貴様ならば、逃げられる筈だが…〗
「どのみちここには半狂乱になったヴィランが神々を喰らい尽くして来るだろうし、大丈夫だよ。それに…この場合、逃げるのは君じゃないかい?」
〖む?…どういう…〗
「…ふふ、今君が思っていること、当ててあげよっか。それはね…どうやってこの死神から逃げるか…でしょ?」
〖くっ…〗
「ふふ、逃げられると思う?逃がすわけないでしょ?まあ、良いわ。さて、それじゃあ続けましょ。
まず、あなたが私を捕まえた理由だけれど…
《女神アナスタシア》あれは、君の分身体が作った最初の部下だろう?」
〖なっ!〗
「そして、彼女が創造の力で創り出したこの世界は、神々に人気で定期的に管理と整備をする度に干渉することを許可されていた。
しかし、一つだけ誤算があった。それは、女神アナスタシアが創り出した始まりの人間であるイヴ。あれは、彼女が創り出した人の器に感情を芽生えさせた。そのせいで、物語に関係の無い部分を含め、運命に亀裂が入ってしまった。
しかし、女神アナスタシアはそれを運命の呪い…いや、あの力を考えるに、正しき道を巡らせる…という循環の祝福か加護…それがどちらかは分からないけど、そういった効果のある力を登場人物に授けて事なきを得た。
だが…イヴは、1つの可能性に掛け、ヒロインではなく、悪役となったローズマリーに可能性を掛けた。
その力は、次第にローズマリーの感情で暴走を引き起こし、祝福という名の歯車の一部がズレた。その瞬間から、ローズマリーは繰り返される展開の中で私を呼び出し、運命に抗うことを決意した…」
〖な、なぜ貴様がそれを…〗
「…しかし、貴女はそれでも女神アナスタシアを助けたいがために何度もローズマリーにある運命の歯車を修復し続けた…が、私の介入により、ついには魂への干渉すら出来なくなった。
そこで、私を誘拐し、説得…出来なければ始末しようとした」
〖ふぅ…うむ、その通りだ。しかし…やはり、我には無理であった。あれは確かに我が分身が創り出した者だった…しかし、あの者は…まるで、この世界のヒロインその者であり…希望だけを実現しようとする。そのため、段々とこの世界にも亀裂が入ってしまったのだ…〗
「貴方の間違いは、彼女を正しき道に導かなかった事だ。旧神である君ならば、本当ならば神帝国以上の権力がある。その権力を使い、このめちゃくちゃなルールを破壊し、全てが平等にならなければなかった…」
〖…だが、もう手遅れだ…恐らく、お主の恋人はここには辿り着かない〗
「…恋人じゃないよ。私達は、多分恋人にはなれない…多分、そうなる前には既に彼の前から何らかの理由で消えているはずだから…」
〖お主はまだ間に合う。頼む…アナスタシアを止めてくれ〗
「…ちなみにだけど、ヴィランってさ…あれ、君が複製した様だけど完コピ出来なかったでしょ?」
〖む?うむ、何らかのバグが発生してな〗
「あれ、バグじゃないんだよね。
あれさ、私が彼に与えた最大の加護なんだよね。効果は…私が彼を想う間、彼は不死となること…
そして、私が死んだ後、彼の願いが一つだけ叶う…それが加護の効果だよ。
だから…彼は死なない。それにね…」
«バンッ!!…瑞季!»
「彼は、私の相棒だよ?その程度、とっくに気づいてるっての!」
«…今度は本物、だよな?»
「…さ、それじゃあ…ヴィラン!」
«…!おう!ハンマーポイント!»
「吹っ飛べぇぇぇ!…ドゴォッ!!」
〖ぐっ…がぁぁぁぁ!〗
「…ねぇ、ヴィラン…流石にやり過ぎたかも(焦」
«おうっ!…瑞季、聞いてくれ»
「うん?なに?」
«…俺は、瑞季が好きだ。お前の隣にいつまでも居たい…だから、俺と付き合ってくれ»
「…ごめんね」
〖…油断したわね〗
「ゴフッ…ヴィ…ラン…幸せ…なって…ね…願いを…叶え…て…」
«お、おい…瑞季?»
〖これで、あの子はきっと戻ってくれるは…〗
«ガブッ…クソ野郎が»
〖ぎっ…あがぁぁぁぁ!〗
«瑞季…ああ、瑞季…頼む、なんで…なんで回復魔法が…»
〖…むぅ、随分と飛ばされたな〗
«…ッ!おい、創造神!お前なら…助けられる筈だろ!»
〖…ああ、やはり…こうなったか。瑞季は…こうなることを予想していたのだろうな…〗
«お、おい…何か知っているのか?»
〖…瑞季から、伝言だ。ヴィランには幸せになって欲しい…だから、私の加護として、私が死ぬのを条件に、一つだけ願いが叶う加護を授けている…との事だ。ではな、我は…彼女の墓を作る〗
«願い…俺の?…そんなの、決まってる…瑞季、俺はもう…お前を離したくない。だから…瑞季、もう一度…チャンスをくれ»
【異端者:ヴィランに掛けられた異端者:柳城 瑞季の加護を発動します】
「…ただいま、ヴィラン」
«…瑞季、もう一度言う…好きだ、付き合ってくれ»
「っ!…ふふ、ありがとう…嬉しい」
«…これから、ずっと一緒だ…瑞季»
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
105
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
おもしろい!
お気に入りに登録しました~
ありがとうございます〜m(*_ _)m
こういったコメントって偶にしてくれる方居るんですけど励ましになるのでありがたいです!
アドバイスや誤字脱字とかあるかもしれませんが楽しんでいってくださいね〜