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第二章 ナミュール城主編
第6話 戦犯
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オンフルール城を出たマクナイト率いる一軍は、ポルニック城を目指していた。ここを落とせばこの遠征の目的は完遂される。それを考えると、兵たちの士気が上がるのも当然のことであった。
攻略にあたりマクナイトは一つの策を用意していた。ニーズホッグが逃がした捕虜に紛れて潜入しているのである。いざとなれば、ニーズホッグが中から手引きしてくれる手筈だ。
しかし、ポルニック城を間近にしてマクナイトが目にしたのは意外な光景だった。城壁に高々と白旗が掲げられていたのである。城門は開かれており、城壁の上でニーズホッグが手を振っている。
「マクナイト殿・・・これは一体」
「さあな。ニーズホッグがなにかしたんじゃないか?よし、そこの伝令兵、ジェレミーに城内へ進むよう連絡してくれ」
「はっ」
伝令兵がジェレミーのもとに向かう。それから間もなくジェレミー率いる部隊がポルニック城へ入城し、安全であることが確認された。マクナイトも軍を進めポルニック城に入る。この瞬間、ベオルグ公国の領地は完全にサミュエル連邦の支配下となった。事実上の滅亡からサミュエル連邦の併合まであっという間であった。
「ニーズホッグ、詳しい経緯を教えてくれるか」
城内に入ったマクナイトは、ニーズホッグに詳しい事情を聴いた。ニーズホッグが言うには、ポルニック城の城主は厭戦思想の持ち主らしい。そのため、端からマクナイトと事を構える気がなかったという。それを知ったニーズホッグがマクナイトの側近であることを名乗り出て、話をまとめたというわけだ。
「というわけですので、命と領地の保証を殿のお名前でしていただきたいです」
「俺に領地の保証はできないが、政府への書面なら書こう」
ニーズホッグの隣にいた見るからに小物の男がぺこぺこ頭を下げている。マクナイトは領地の保証をお願いしたいという書面を作成し、その男に渡す。彼は内容を確認すると満足しているようであった。
ニーズホッグは厭戦思想と言っていたが、単に保身しか考えていないのだろう。あまりにもお粗末な遠征の終わりに苦笑いをせずにはいられなかった。とはいえ、どんな終わり方でも終わったことには変わりない。共に戦ってきた兵士たちの許へ赴いたマクナイトは最後の挨拶をおこなうのであった。
「よし、これで今回の遠征は終わりだ。みんなご苦労!」
「「「おーーーー!」」」
「俺たちの故郷に戻るぞ!」
「「「おーーーー!」」」
ーーーーー
ポルニック城を後にし、もうまもなくミスリアに着こうとしていた時である。前方から馬に乗った男が駆けてくる。
「アニスじゃねえか」
アニスはマクナイトの師であるイリスの息子だ。現在は少佐として軍に所属している。
「マクナイト、大変だ!今すぐここから離れろ」
アニスの血相を変えた様子に、マクナイトの顔が引き締まる。ミスリアで何かが起こっていると見て間違いない。そう確信した。
「一体何があったって言うんだ」
「落ち着いて聞いてくれ、君が戦犯として裁かれることになった」
「「「!?」」」
マクナイトとその部下たちに衝撃が走る。褒賞を貰えることがあっても戦犯になることはありえない。何かの間違いではないか。この場にいる全員がそう思った。
「俺が戦犯になる理由はなんだ」
「君がパトリシア城で民間人を含む全員を虐殺したことが理由らしい」
「俺がパトリシアで民間人を虐殺!?おいおい、悪い冗談ならよしてくれ」
マクナイトはあまりにも突拍子もない言葉に、思わずそう言い返す。それに対してアニスは、ムッとした顔で冗談じゃないと告げる。
「ブロワ城とパトリシア城で大量虐殺した殺人鬼という評価で、新聞も盛大にマクナイトを叩く論評になっている」
オンフルール城で敵がわけのわからないことを言っていたのはこういうことか。それを思い出し、腸が煮えくり返る想いに駆られる。そもそも、まだミスリアへ戻ってもいないのに、なぜこのことをミスリアにいる奴らが知っているんだ。
「ふざけるなっ!俺はやっていない!」
マクナイトは激高する。
「残念だけどマクナイト、誰もそれを証明してくれないんだ。君が好き好んで民間人を殺したと世間も上層部も評価している。そんな人間を国の要職に置いておくことはできないのだそうだ」
先ほどまで怒りを前面に出していたマクナイトは、一転して苦虫を嚙み潰したような顔をする。手を強く握り、身体は小刻みに揺れていた。
「・・・俺がミスリアへ戻ったらどうなる」
「よくて謹慎だろう・・・。なあマクナイト、君は逃げたほうがいい。君の家族はニクティス様が内々に匿ってくれているから安全は保障されている」
家族は前総統であるニクティスが面倒を見てくれているらしい。その言葉でマクナイトはいくらか冷静になる。
「だが、逃げろって言ってもどこへ行けばいいんだ」
「どこでもいい、とにかく君がこの国に居ないことが重要なんだ。もし残ったら、それこそ難癖付けられて殺されてしまうよ」
シリウスの顔が浮かぶ。道中気を付けてとはこう言うことだったのか!?そもそも虐殺で更迭なんて聞いたこともない。
「・・・ちきしょう。覚えてろよシリウス!」
(俺がこの任務を失敗したらそれを理由に更迭、成功したら虐殺の汚名を着せて更迭、どっちにしても更迭される未来だったっていうのかよ)
「マクナイト・・・言いたくないが、君は権力争いに巻き込まれてしまったんだ・・・僕も軍を去ることにするよ」
「ソレルはなんて言ってるんだ!」
ソレルとは、マクナイトの上司であり現元帥である。
「元帥閣下も総統閣下と同じ意見で・・・危険思想の持ち主は必要ないそうだ」
「はは、ははははははは・・・上等じゃねえか。こんな国出ていってやる」
数年間共に戦ってきたソレルもシリウスの犬に成り下がっていたようだ。やけくそである。
「マクナイト様、私も共に」
「・・・同じく」
「ああ、殿についていくぜ」
「それがしの主はマクナイト殿一人です」
部下たちも亡命に賛成している。亡命と言ってもどこの国へ向かえばいいのだろう。ベオルグ公国の滅んだいま、シャルナーク王国、ツイハーク王国、ウェスタディア帝国の3国が選択肢としてあげられる。ここから一番近いのはシャルナーク王国で、その次にツイハーク王国である。
「マクナイト、とにかく逃げるんだ。いいね? 僕はそろそろ怪しまれるから戻ることにする。無事を祈っている」
アニスは名残惜しいにそう告げる。マクナイトはその気持ちを十分に受け取っていた。
「わざわざすまない。感謝する」
「お互い気をつけよう。それじゃ、また会える日を」
そう言い残したアニスは、再びミスリアへと戻っていった。
「殿、グズグズしていると追っ手が来るかもしれませんぜ」
「ああ、わかっている。ひとまず軍を先にミスリアへ向かわせよう。それで少しは時間稼ぎになるはずだ。ダフネ、ジェレミーの二人は持てるだけの兵糧を準備しておけ」
「かしこまりました」
「承知」
マクナイトは軍の副官にミスリアへ向かうように指示した。シリウスたちは俺が率いていると思っているだろうから、露見するまでの時間稼ぎになる。
「ここから近いのはシャルナーク王国とツイハーク王国だが、どっちがいい?」
マクナイトは腹心たちに意見を求め、ベルクートが真っ先に声を上げた。
「殿、それがしが具申いたす」
「ああ」
「それがしはツイハーク王国へ向かうべきと考えます」
ベルクートは最も近いシャルナーク王国ではなくツイハーク王国へ向かうべきと考えていた。
「詳しく聞こう」
「ツイハーク王国の女王アスタリアは心優しき方と聞いております。また、ツイハーク王国には軍を率いて他国と渡り合えるような将はおりませぬ。必ずや殿を重宝することでしょう」
シャルナーク王国は最短距離だが、最短であるだけにシリウスたちも真っ先に逃亡先として思い浮かべることだろう。それを考えるとツイハーク王国は良い選択肢かもしれない。
「マクナイト様、兵糧を確保して参りました」
ダフネとジェレミーが軍の兵糧の一部をもらってきた。
「よし、俺たちはツイハーク王国へ向かう。休むことなく進むけどいいな?」
4人を見回すと、それぞれ力強く頷く。マクナイトたちは、来た道を引き返すようにツイハーク王国の王都ツイハークを目指すことになった。
攻略にあたりマクナイトは一つの策を用意していた。ニーズホッグが逃がした捕虜に紛れて潜入しているのである。いざとなれば、ニーズホッグが中から手引きしてくれる手筈だ。
しかし、ポルニック城を間近にしてマクナイトが目にしたのは意外な光景だった。城壁に高々と白旗が掲げられていたのである。城門は開かれており、城壁の上でニーズホッグが手を振っている。
「マクナイト殿・・・これは一体」
「さあな。ニーズホッグがなにかしたんじゃないか?よし、そこの伝令兵、ジェレミーに城内へ進むよう連絡してくれ」
「はっ」
伝令兵がジェレミーのもとに向かう。それから間もなくジェレミー率いる部隊がポルニック城へ入城し、安全であることが確認された。マクナイトも軍を進めポルニック城に入る。この瞬間、ベオルグ公国の領地は完全にサミュエル連邦の支配下となった。事実上の滅亡からサミュエル連邦の併合まであっという間であった。
「ニーズホッグ、詳しい経緯を教えてくれるか」
城内に入ったマクナイトは、ニーズホッグに詳しい事情を聴いた。ニーズホッグが言うには、ポルニック城の城主は厭戦思想の持ち主らしい。そのため、端からマクナイトと事を構える気がなかったという。それを知ったニーズホッグがマクナイトの側近であることを名乗り出て、話をまとめたというわけだ。
「というわけですので、命と領地の保証を殿のお名前でしていただきたいです」
「俺に領地の保証はできないが、政府への書面なら書こう」
ニーズホッグの隣にいた見るからに小物の男がぺこぺこ頭を下げている。マクナイトは領地の保証をお願いしたいという書面を作成し、その男に渡す。彼は内容を確認すると満足しているようであった。
ニーズホッグは厭戦思想と言っていたが、単に保身しか考えていないのだろう。あまりにもお粗末な遠征の終わりに苦笑いをせずにはいられなかった。とはいえ、どんな終わり方でも終わったことには変わりない。共に戦ってきた兵士たちの許へ赴いたマクナイトは最後の挨拶をおこなうのであった。
「よし、これで今回の遠征は終わりだ。みんなご苦労!」
「「「おーーーー!」」」
「俺たちの故郷に戻るぞ!」
「「「おーーーー!」」」
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ポルニック城を後にし、もうまもなくミスリアに着こうとしていた時である。前方から馬に乗った男が駆けてくる。
「アニスじゃねえか」
アニスはマクナイトの師であるイリスの息子だ。現在は少佐として軍に所属している。
「マクナイト、大変だ!今すぐここから離れろ」
アニスの血相を変えた様子に、マクナイトの顔が引き締まる。ミスリアで何かが起こっていると見て間違いない。そう確信した。
「一体何があったって言うんだ」
「落ち着いて聞いてくれ、君が戦犯として裁かれることになった」
「「「!?」」」
マクナイトとその部下たちに衝撃が走る。褒賞を貰えることがあっても戦犯になることはありえない。何かの間違いではないか。この場にいる全員がそう思った。
「俺が戦犯になる理由はなんだ」
「君がパトリシア城で民間人を含む全員を虐殺したことが理由らしい」
「俺がパトリシアで民間人を虐殺!?おいおい、悪い冗談ならよしてくれ」
マクナイトはあまりにも突拍子もない言葉に、思わずそう言い返す。それに対してアニスは、ムッとした顔で冗談じゃないと告げる。
「ブロワ城とパトリシア城で大量虐殺した殺人鬼という評価で、新聞も盛大にマクナイトを叩く論評になっている」
オンフルール城で敵がわけのわからないことを言っていたのはこういうことか。それを思い出し、腸が煮えくり返る想いに駆られる。そもそも、まだミスリアへ戻ってもいないのに、なぜこのことをミスリアにいる奴らが知っているんだ。
「ふざけるなっ!俺はやっていない!」
マクナイトは激高する。
「残念だけどマクナイト、誰もそれを証明してくれないんだ。君が好き好んで民間人を殺したと世間も上層部も評価している。そんな人間を国の要職に置いておくことはできないのだそうだ」
先ほどまで怒りを前面に出していたマクナイトは、一転して苦虫を嚙み潰したような顔をする。手を強く握り、身体は小刻みに揺れていた。
「・・・俺がミスリアへ戻ったらどうなる」
「よくて謹慎だろう・・・。なあマクナイト、君は逃げたほうがいい。君の家族はニクティス様が内々に匿ってくれているから安全は保障されている」
家族は前総統であるニクティスが面倒を見てくれているらしい。その言葉でマクナイトはいくらか冷静になる。
「だが、逃げろって言ってもどこへ行けばいいんだ」
「どこでもいい、とにかく君がこの国に居ないことが重要なんだ。もし残ったら、それこそ難癖付けられて殺されてしまうよ」
シリウスの顔が浮かぶ。道中気を付けてとはこう言うことだったのか!?そもそも虐殺で更迭なんて聞いたこともない。
「・・・ちきしょう。覚えてろよシリウス!」
(俺がこの任務を失敗したらそれを理由に更迭、成功したら虐殺の汚名を着せて更迭、どっちにしても更迭される未来だったっていうのかよ)
「マクナイト・・・言いたくないが、君は権力争いに巻き込まれてしまったんだ・・・僕も軍を去ることにするよ」
「ソレルはなんて言ってるんだ!」
ソレルとは、マクナイトの上司であり現元帥である。
「元帥閣下も総統閣下と同じ意見で・・・危険思想の持ち主は必要ないそうだ」
「はは、ははははははは・・・上等じゃねえか。こんな国出ていってやる」
数年間共に戦ってきたソレルもシリウスの犬に成り下がっていたようだ。やけくそである。
「マクナイト様、私も共に」
「・・・同じく」
「ああ、殿についていくぜ」
「それがしの主はマクナイト殿一人です」
部下たちも亡命に賛成している。亡命と言ってもどこの国へ向かえばいいのだろう。ベオルグ公国の滅んだいま、シャルナーク王国、ツイハーク王国、ウェスタディア帝国の3国が選択肢としてあげられる。ここから一番近いのはシャルナーク王国で、その次にツイハーク王国である。
「マクナイト、とにかく逃げるんだ。いいね? 僕はそろそろ怪しまれるから戻ることにする。無事を祈っている」
アニスは名残惜しいにそう告げる。マクナイトはその気持ちを十分に受け取っていた。
「わざわざすまない。感謝する」
「お互い気をつけよう。それじゃ、また会える日を」
そう言い残したアニスは、再びミスリアへと戻っていった。
「殿、グズグズしていると追っ手が来るかもしれませんぜ」
「ああ、わかっている。ひとまず軍を先にミスリアへ向かわせよう。それで少しは時間稼ぎになるはずだ。ダフネ、ジェレミーの二人は持てるだけの兵糧を準備しておけ」
「かしこまりました」
「承知」
マクナイトは軍の副官にミスリアへ向かうように指示した。シリウスたちは俺が率いていると思っているだろうから、露見するまでの時間稼ぎになる。
「ここから近いのはシャルナーク王国とツイハーク王国だが、どっちがいい?」
マクナイトは腹心たちに意見を求め、ベルクートが真っ先に声を上げた。
「殿、それがしが具申いたす」
「ああ」
「それがしはツイハーク王国へ向かうべきと考えます」
ベルクートは最も近いシャルナーク王国ではなくツイハーク王国へ向かうべきと考えていた。
「詳しく聞こう」
「ツイハーク王国の女王アスタリアは心優しき方と聞いております。また、ツイハーク王国には軍を率いて他国と渡り合えるような将はおりませぬ。必ずや殿を重宝することでしょう」
シャルナーク王国は最短距離だが、最短であるだけにシリウスたちも真っ先に逃亡先として思い浮かべることだろう。それを考えるとツイハーク王国は良い選択肢かもしれない。
「マクナイト様、兵糧を確保して参りました」
ダフネとジェレミーが軍の兵糧の一部をもらってきた。
「よし、俺たちはツイハーク王国へ向かう。休むことなく進むけどいいな?」
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