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風が呼び
石室からはじまる
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≪風が呼び≫
背中に冷たい痛みを感じて、ラトスは目を覚ました。
目がかすんでいる。視力がもどるまで待ち、最初に目に入ったものは石の天井だった。ドーム状に組みあげられていて、ずいぶんと高い。
ラトスは目だけ動かし、辺りを見回してみた。右も左も、上も下も、同じように大きく切り出された石の壁で囲まれていた。その石室の広さは、大きな屋敷が丸ごと一つは入るほどだった。
「ラトスさん?」
聞き覚えのある女性の声が聞こえた。
「良かった。気が付いて」
声の主は、ラトスの横に座っていた。メリーだった。
ラトスがそちらのほうに顔を向けると、彼女はほっとしたようで、笑顔を見せた。
「ここは、どこだ」
ラトスは、石の床に手をついて上体を起こそうとした。その瞬間、背中ににぶい痛みが走って、彼は顔をゆがめた。ずいぶんと長い時間、石の上で倒れていたのだろう。身体は冷え切っていて、背中の筋肉と骨は、岩のようにかたくなっていた。
「わかりません。私も今、目が覚めたので」
メリーは周りを見回しながら言うと、だらりと肩を落とした。
どこかの地下室だろうか? ラトスは考えながら、冷たい石の床を手のひらでなでた。石の表面はざらざらしていたが、塵ひとつ落ちていなかった。
「閉じ込められているのでしょうか」
「どうだろうな」
人を閉じ込めるにしては、広すぎる牢獄だ。
ラトスは固くなった背中を伸ばしながら、ゆっくりと立ち上がった。メリーと同じように、辺りを見回してみる。牢獄ではないようだが、出口のようなものは無いように見えた。
「あの光ってるものは、何でしょう?」
メリーが指差した先には、薄っすらと青白く光る、杭のようなものが石の床面に刺さっていた。杭の光は、光量を落とさず薄っすらと広がって、石室全体を照らしている。綺麗ですねと彼女は呆けた顔で見惚れていたが、その隣でラトスはぞくりとした。
「あれは、……テラズの宝石、か?」
ラトスは目を見開いて言い、硬直した。
光る杭は、青と赤の光が入り混じっていて、じわりとにじむように青白い光をはなっていた。その光にラトスは見覚えがあった。
「テラズの宝石?」
メリーは首をかしげる。おとぎ話のテラズですか? とラトスにたずねた。彼女の言葉に、ラトスは小さくうなずいた。
テラズとは、はるか昔にいたとされる魔法使いの名前だ。
おとぎ話として多くの人に知られていたが、テラズに関わる物は、意外にも数多く発見されていた。そのうちの一つが、テラズの宝石だった。
一般には、その宝石を持つと魔法が使えるようになるとされていた。真偽はともかく、世の好事家が血なまこになって探し回っているという。
「ラトスさんは、あの宝石を他で見たことがあるのですか?」
「ある」
「うそ?」
「いや、本当だ。むしろ、持っていた」
そう言うと、ラトスは自分の手のひらを見つめ、しばらく考えた。
ラトスが持っていたテラズの宝石は、一年ほど前に偶然手に入れたものだ。それは、手の中に納まるほどの小さなものだった。今二人のいる、石室の中心に刺さっているものは、人の身体ほどの大きさがある。
「これを持って帰ったら、国一つ買えるぞ」
「うそ!?」
「いや、本当だ」
ラトスの言葉に、メリーは目を輝かせて光る杭を見る。もちろん、それは持って歩ける大きさではない。持って歩けたにしても、今はそれどころではないのだが。
ただ、ラトスが持っていた小さなテラズの宝石でさえ、売り払えば何十人もの人が一生遊んで暮らせる金になると聞いたことがある。
その小さなテラズの宝石は、今はもう無かった。
妹のシャーニの命と共に、奪われたのだ。
そのため最初は、強盗に妹が殺されたのだとラトスは思っていた。最近羽振りが良くなった人間がいないかと、エイスの城下街を散々探し回ったが、結局そんな人間はいなかった。
そこまで思い返していたところで、ラトスは頭の中と身体の奥に、黒い靄のようなものがかかり、渦巻きはじめるのを感じた。
またかと、突然のことにラトスは頭をかかえる。
直後、今度は息苦しくなり、うずくまった。
メリーはラトスの様子に気付き、隣にしゃがみ込んで彼の顔をのぞき込んだ。何か言っているようだが、ラトスには何も聞こえなかった。
森の中で、妹の夢を見た後のようだと、ラトスは思い出した。
あの時は、妹の夢を見た後の息苦しさが残っていた。その後に、黒い靄のようなものが、身体の奥底に渦巻きはじめていることに気付いた。しかし今回は、黒い靄と息苦しさが同時におそってきている。
今までとは、どうも違うようだった。
妹のことを思い出したからだろうか。
ラトスは胸元をおさえて、歯を食いしばった。
奪われたテラズの宝石など、微塵も惜しいとは思わなかった。むしろ妹が気に入り、何度も宝石を見せてほしいというので、外には持ち出さないという条件は付け、惜しげもなくあげてしまったほどだ。
宝石が欲しかったのなら、それだけ盗めばよかったではないか。
そう思いながら、ラトスは胸元を押さえる両手を強くにぎった。固い拳にして、冷たい石の床に押し当てる。
黒い靄は、視界を奪い尽くすほど広がっていた。息苦しさも限界を超えているようで、苦しいのかどうかも分からなくなっていた。
呼吸しているかどうかも分からないと思っていたところで、突然、身体が前後左右にぐらぐらとゆれた。なんだ? と周りを見回してみた。しかし、視界はほとんど黒く染まっていて、よく見えなかった。
「……トスさん!」
何かが耳元で聞こえた。
「ラトスさん! 大丈夫ですか!?」
メリーの声だった。彼女がラトスの身体を何度も強くゆらしていた。
黒い靄が引いていく。視界が明るくなり、メリーが自分の顔をのぞき込んでいるのが見えた。妹の夢から目が覚めてしばらくした後と同じように、息苦しさもゆっくりと消えていく。そして、何事もなかったように身体が軽くなっていった。
「もう、大丈夫だ」
ラトスは片手を上げて、メリーの顔の前でひらひらと手をふってみせた。
彼女はほっとした顔になって、ぺたりと石の床に座り込んだ。
「心配しましたよ」
「ああ……すまない」
ラトスはそう言うと、ゆっくりと身体を起こして深呼吸をした。
隣でメリーも長く息を吐いている。吐きだす息の長さだけ心配かけたのだろうと、ラトスはもう一度メリーに謝った。彼女は驚いた顔をして、何度も頭を横にふった。
しばらく、静かになった。
ラトスはゆっくりと石室の中を見回した後、光る杭をじっとながめた。
今は、テラズの宝石のことを思い出しても仕方のないことだ。やらねばならないと決めたことを淡々と進めたほうがいい。そう思いながら、ラトスは両膝に手をついて立ちあがった。それを見て、メリーも跳ねるように立ちあがった。
「ラトスさん、もしかして身体、悪いのですか?」
「いや。悪くない」
「本当ですか? だって、あんなに……」
「本当だ」
ラトスはメリーの顔を見て、両手を交差させるようにふってみせた。彼女は納得いかないような顔をしたが、それ以上何も言わなかった。
背中に冷たい痛みを感じて、ラトスは目を覚ました。
目がかすんでいる。視力がもどるまで待ち、最初に目に入ったものは石の天井だった。ドーム状に組みあげられていて、ずいぶんと高い。
ラトスは目だけ動かし、辺りを見回してみた。右も左も、上も下も、同じように大きく切り出された石の壁で囲まれていた。その石室の広さは、大きな屋敷が丸ごと一つは入るほどだった。
「ラトスさん?」
聞き覚えのある女性の声が聞こえた。
「良かった。気が付いて」
声の主は、ラトスの横に座っていた。メリーだった。
ラトスがそちらのほうに顔を向けると、彼女はほっとしたようで、笑顔を見せた。
「ここは、どこだ」
ラトスは、石の床に手をついて上体を起こそうとした。その瞬間、背中ににぶい痛みが走って、彼は顔をゆがめた。ずいぶんと長い時間、石の上で倒れていたのだろう。身体は冷え切っていて、背中の筋肉と骨は、岩のようにかたくなっていた。
「わかりません。私も今、目が覚めたので」
メリーは周りを見回しながら言うと、だらりと肩を落とした。
どこかの地下室だろうか? ラトスは考えながら、冷たい石の床を手のひらでなでた。石の表面はざらざらしていたが、塵ひとつ落ちていなかった。
「閉じ込められているのでしょうか」
「どうだろうな」
人を閉じ込めるにしては、広すぎる牢獄だ。
ラトスは固くなった背中を伸ばしながら、ゆっくりと立ち上がった。メリーと同じように、辺りを見回してみる。牢獄ではないようだが、出口のようなものは無いように見えた。
「あの光ってるものは、何でしょう?」
メリーが指差した先には、薄っすらと青白く光る、杭のようなものが石の床面に刺さっていた。杭の光は、光量を落とさず薄っすらと広がって、石室全体を照らしている。綺麗ですねと彼女は呆けた顔で見惚れていたが、その隣でラトスはぞくりとした。
「あれは、……テラズの宝石、か?」
ラトスは目を見開いて言い、硬直した。
光る杭は、青と赤の光が入り混じっていて、じわりとにじむように青白い光をはなっていた。その光にラトスは見覚えがあった。
「テラズの宝石?」
メリーは首をかしげる。おとぎ話のテラズですか? とラトスにたずねた。彼女の言葉に、ラトスは小さくうなずいた。
テラズとは、はるか昔にいたとされる魔法使いの名前だ。
おとぎ話として多くの人に知られていたが、テラズに関わる物は、意外にも数多く発見されていた。そのうちの一つが、テラズの宝石だった。
一般には、その宝石を持つと魔法が使えるようになるとされていた。真偽はともかく、世の好事家が血なまこになって探し回っているという。
「ラトスさんは、あの宝石を他で見たことがあるのですか?」
「ある」
「うそ?」
「いや、本当だ。むしろ、持っていた」
そう言うと、ラトスは自分の手のひらを見つめ、しばらく考えた。
ラトスが持っていたテラズの宝石は、一年ほど前に偶然手に入れたものだ。それは、手の中に納まるほどの小さなものだった。今二人のいる、石室の中心に刺さっているものは、人の身体ほどの大きさがある。
「これを持って帰ったら、国一つ買えるぞ」
「うそ!?」
「いや、本当だ」
ラトスの言葉に、メリーは目を輝かせて光る杭を見る。もちろん、それは持って歩ける大きさではない。持って歩けたにしても、今はそれどころではないのだが。
ただ、ラトスが持っていた小さなテラズの宝石でさえ、売り払えば何十人もの人が一生遊んで暮らせる金になると聞いたことがある。
その小さなテラズの宝石は、今はもう無かった。
妹のシャーニの命と共に、奪われたのだ。
そのため最初は、強盗に妹が殺されたのだとラトスは思っていた。最近羽振りが良くなった人間がいないかと、エイスの城下街を散々探し回ったが、結局そんな人間はいなかった。
そこまで思い返していたところで、ラトスは頭の中と身体の奥に、黒い靄のようなものがかかり、渦巻きはじめるのを感じた。
またかと、突然のことにラトスは頭をかかえる。
直後、今度は息苦しくなり、うずくまった。
メリーはラトスの様子に気付き、隣にしゃがみ込んで彼の顔をのぞき込んだ。何か言っているようだが、ラトスには何も聞こえなかった。
森の中で、妹の夢を見た後のようだと、ラトスは思い出した。
あの時は、妹の夢を見た後の息苦しさが残っていた。その後に、黒い靄のようなものが、身体の奥底に渦巻きはじめていることに気付いた。しかし今回は、黒い靄と息苦しさが同時におそってきている。
今までとは、どうも違うようだった。
妹のことを思い出したからだろうか。
ラトスは胸元をおさえて、歯を食いしばった。
奪われたテラズの宝石など、微塵も惜しいとは思わなかった。むしろ妹が気に入り、何度も宝石を見せてほしいというので、外には持ち出さないという条件は付け、惜しげもなくあげてしまったほどだ。
宝石が欲しかったのなら、それだけ盗めばよかったではないか。
そう思いながら、ラトスは胸元を押さえる両手を強くにぎった。固い拳にして、冷たい石の床に押し当てる。
黒い靄は、視界を奪い尽くすほど広がっていた。息苦しさも限界を超えているようで、苦しいのかどうかも分からなくなっていた。
呼吸しているかどうかも分からないと思っていたところで、突然、身体が前後左右にぐらぐらとゆれた。なんだ? と周りを見回してみた。しかし、視界はほとんど黒く染まっていて、よく見えなかった。
「……トスさん!」
何かが耳元で聞こえた。
「ラトスさん! 大丈夫ですか!?」
メリーの声だった。彼女がラトスの身体を何度も強くゆらしていた。
黒い靄が引いていく。視界が明るくなり、メリーが自分の顔をのぞき込んでいるのが見えた。妹の夢から目が覚めてしばらくした後と同じように、息苦しさもゆっくりと消えていく。そして、何事もなかったように身体が軽くなっていった。
「もう、大丈夫だ」
ラトスは片手を上げて、メリーの顔の前でひらひらと手をふってみせた。
彼女はほっとした顔になって、ぺたりと石の床に座り込んだ。
「心配しましたよ」
「ああ……すまない」
ラトスはそう言うと、ゆっくりと身体を起こして深呼吸をした。
隣でメリーも長く息を吐いている。吐きだす息の長さだけ心配かけたのだろうと、ラトスはもう一度メリーに謝った。彼女は驚いた顔をして、何度も頭を横にふった。
しばらく、静かになった。
ラトスはゆっくりと石室の中を見回した後、光る杭をじっとながめた。
今は、テラズの宝石のことを思い出しても仕方のないことだ。やらねばならないと決めたことを淡々と進めたほうがいい。そう思いながら、ラトスは両膝に手をついて立ちあがった。それを見て、メリーも跳ねるように立ちあがった。
「ラトスさん、もしかして身体、悪いのですか?」
「いや。悪くない」
「本当ですか? だって、あんなに……」
「本当だ」
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