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王
灯りからはじまる
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セウラザが先行して、書斎を出る。
扉が開くと、議会場の天井が見えた。一瞬、どうやって出ればいいのだろうとためらった。するとセウラザが、扉の先に出した足の膝を器用に曲げて、くるりと出て行った。
つづけてラトスが扉に向かう。
扉から出た部分だけ重力の向きが変わるのは、気持ちが悪いものだった。悪夢の回廊で味わったものとは、少し違う。結局ラトスは両手を突いて、扉をぬけた。
「フィノア、行きましょう」
「ええ」
メリーのうながす声に、フィノアがうなずいた。
二人とも、ラトスと同様に両手を突いて扉をくぐりぬけた。全員が通りぬけたのを見計らったかのように、床の扉は錆びつきはじめた。同時に、ひとりでに閉まっていく。閉まる直前、扉の向こうに王妃の人形が見えた。人形は、笑顔のままだった。
閉まると同時に、取っ手はひどく錆びついた。
錆びついていく様子を、フィノアはじっと見ていた。泣くのではないかと思ったが、少女は唇を強く結んで、何色も表情にださないようにしてた。しかし、ほそい手の先は、メリーの袖をつまんでいた。無意識なのだろうか。力強くはなく、そっとつまんでいた。メリーはフィノアの手に気付いていたが、そのままにしていた。扉を探しはじめることになれば、自然とはなすことになるだろう。
「そろそろ、ここのセウラザに繋がる扉を開けたいものだ」
切り替えるようにして、ラトスが言う。そうだなと、セウラザがうなずいた。フィノアとメリーもつづく。
国王の夢の世界は、終わりが近付いている。しかし、議会場の様子に大きな変化はなかった。終わると同時に、突然崩れだしたりするのだろうか。そうなれば、脱出する時間は残されているのだろうか。あれこれと考えながら、四人はまた、開く扉を探しはじめた。
静かな議会場に、砂を踏む音がひびく。美しい大理石が敷き詰められていた床は、足を付けたところすべて、砂に変わっていた。そのうちに砂に埋もれて、議会場が消えてしまうのではないか。扉を探す四人に、焦燥感がじわじわとおそいはじめた。
「ありました」
フィノアの声が、短く聞こえた。見ると、転送石である白い柱のすぐそばに、フィノアが立っていた。少女の前には、小さな扉があった。かがまなければとおれないほどの小ささだった。近寄って見てみると、小さな扉は金と銀でできていた。
金は錆びていなかったが、心なしか鈍い輝きをたたえていた。銀の部分だけが、ところどころ黒く錆びている。取っ手も銀でできていた。今までの扉とは違って、錆びついてはいなかった。むしろ、磨かれた様に輝きをはなっていた。
「豪華ですね……。ここが、当たりではないですか?」
「そうだと良いが」
メリーの言葉に、ラトスは腕を組んで眉根を寄せた。
外れというわけではないが、奥につながる扉を三度も開けなかったのだ。豪華に見える目の前の扉は、かえって期待を裏切りそうな気がした。
フィノアが、銀の取っ手に手をかける。金と銀の扉は、今までの扉とは違い、錆びついた音を立てなかった。静かに開く扉を見て、メリーは期待に満ちた声をこぼす。フィノアは無表情を貫いていたが、小さく息を飲んで取っ手をひねり、押した。
「……あれ?」
扉の先をのぞきこむようにしていたメリーが、首をかしげた。
彼女の声に反応して、フィノアも扉の先をのぞく。
扉の先には、長い通路があった。
通路は、武骨な石を組みあげて作られていた。床面の石も磨かれていない。足を踏み入れると、革靴の底に硬い石の冷たさが伝わってきた。不思議なことに、床を踏んでも、壁に手を突いても、砂に変じることはなかった。
通路を進んでいくと、円形の小さな部屋があった。
部屋の中央には、小さな火があった。火は、なにかを燃やしているわけでもなく、ぽつりと落ちている。踏みつぶせば、簡単に消えてしまいそうだった。
「何の部屋だ、ここは」
ラトスは小さな火を見てから、小さな部屋を見回した。
小さな火以外、なにも見当たらない。牢獄のほうがまだ見栄えするというものだ。
「このような部屋は、エイスガラフ城には無いと思います」
「隠し部屋のようなものではないか? 王だけが知っているとか……」
「それは、否定できませんが……」
ラトスの言葉に、フィノアは唸る。念のためメリーの顔も見てみたが、彼女も頭を横に振るだけだった。
「大層な扉の先にあったのだ。何もないことはないと思うが」
「……そうですね」
フィノアはうなりながら、部屋の壁を触れて回る。なにか隠れているのではないかと思ったのだろう。メリーもフィノアに従って、壁を見て回りはじめた。
ラトスとセウラザは、部屋の中央に落ちている小さな火をもう一度見た。
かがんで、よくよく見てみる。
火は、白と赤と青が入り混じって燃えていた。まるで宝石のようだなと、ラトスは思った。顔を近付けてみると、火は小さくゆれた。
「熱さを感じないな」
火を見ながら、セウラザが言う。言われてみればと、ラトスは火に手をかざした。
どれだけ手を近付けても、火の熱を感じることはなかった。火に見えるだけで、別のものではないか。そう思って、ラトスは指先を火に触れさせてみた。すると火がラトスの指を舐めるように燃え広がった。あわててラトスは、小さな火から手をはなした。
「大丈夫か?」
「あ、ああ。なんだこれは?」
ラトスはごくりと唾を飲みこむと、燃えた指を見た。
火は、しばらく指先に灯っていた。石の上の小さな火と同様に、熱さはない。指を燃やして損なっている様子もなかった。ただ、指の表面に火が乗っているだけだった。
不思議に思いながら、ラトスはじっと指先の火を見ていた。
火は次第に小さくなって、溶けるように消えた。代わりに、指先にはいくつかの水滴が付いていた。
「魔法のようなものか?」
「いや、違うだろう。もしかすると、命そのものかもしれないな」
「命か」
「断言はできないが。今はそっとしておいた方が良いだろう」
セウラザの言葉に、ラトスはうなずく。指先に付いた水滴を見ると、わずかな水なのに揮発していなかった。こすり合わせても、水の潤いを維持したまま、留まりつづけている。命なのかと言われれば、そうかもしれないなとラトスは思った。
フィノアたちは、まだ壁を調べているようだった。
二人の様子を見るかぎり、なにかを見つけることはできなかったらしい。そのうちにメリーは飽きてきたらしく、ラトスたちの元へもどってきた。
「どうだった?」
「何か見つかったように見えます?」
「いや」
「じゃあ、聞かないで貰えます?」
「そうだな」
メリーの言葉に、ラトスは小さく笑う。彼女は困った顔をしたが、釣られて苦笑いした。
「本当に、その火しかないみたいですね」
ついに調べるのを諦めたフィノアも、ラトスたちに合流する。四人が部屋の中央に集まると、小さな火はかすかにゆれた。まるで生き物のように、石の床の上でゆれている。メリーとフィノアが小さな火をのぞきこむと、火は驚いたかのようにしてほそくなった。
「これが何なのかは分からないが、一度出よう」
ラトスは、小さな火を指差しながら言った。
余計なことをしてなにかの拍子に消えてしまったら、取り返しがつかない気がしたのだ。メリーとフィノアは仕方なさそうにうなずいた。
四人は小さな円形の部屋を後にして、長い通路にもどっていく。
もどりながら、メリーが後ろをふり向いた。彼女の肩がぴくりとゆれる。少しの間を置いて、メリーは足を止め、小さな部屋のほうに向かって手を振った。どうしたのだと、ラトスもふり返る。すると、部屋の中心にあった小さな火が、ゆらゆらとゆらめいているのが見えた。なぜだか分からないが、こちらを見ているように感じる。
「揺れているのが、手を振っているみたいに見えたので」
「……そうだな」
メリーが言うと、ラトスはうなずいた。
小さな火が、はかなく、哀しいものに見える。別れを惜しんで、手を振っているのだろうか。手を振るメリーに釣られて、ラトスも手を振ろうかと思ったが、やめておいた。代わりに、心の中で手を振った。
さらば。
小さな火が、ささやいている気がした。
扉が開くと、議会場の天井が見えた。一瞬、どうやって出ればいいのだろうとためらった。するとセウラザが、扉の先に出した足の膝を器用に曲げて、くるりと出て行った。
つづけてラトスが扉に向かう。
扉から出た部分だけ重力の向きが変わるのは、気持ちが悪いものだった。悪夢の回廊で味わったものとは、少し違う。結局ラトスは両手を突いて、扉をぬけた。
「フィノア、行きましょう」
「ええ」
メリーのうながす声に、フィノアがうなずいた。
二人とも、ラトスと同様に両手を突いて扉をくぐりぬけた。全員が通りぬけたのを見計らったかのように、床の扉は錆びつきはじめた。同時に、ひとりでに閉まっていく。閉まる直前、扉の向こうに王妃の人形が見えた。人形は、笑顔のままだった。
閉まると同時に、取っ手はひどく錆びついた。
錆びついていく様子を、フィノアはじっと見ていた。泣くのではないかと思ったが、少女は唇を強く結んで、何色も表情にださないようにしてた。しかし、ほそい手の先は、メリーの袖をつまんでいた。無意識なのだろうか。力強くはなく、そっとつまんでいた。メリーはフィノアの手に気付いていたが、そのままにしていた。扉を探しはじめることになれば、自然とはなすことになるだろう。
「そろそろ、ここのセウラザに繋がる扉を開けたいものだ」
切り替えるようにして、ラトスが言う。そうだなと、セウラザがうなずいた。フィノアとメリーもつづく。
国王の夢の世界は、終わりが近付いている。しかし、議会場の様子に大きな変化はなかった。終わると同時に、突然崩れだしたりするのだろうか。そうなれば、脱出する時間は残されているのだろうか。あれこれと考えながら、四人はまた、開く扉を探しはじめた。
静かな議会場に、砂を踏む音がひびく。美しい大理石が敷き詰められていた床は、足を付けたところすべて、砂に変わっていた。そのうちに砂に埋もれて、議会場が消えてしまうのではないか。扉を探す四人に、焦燥感がじわじわとおそいはじめた。
「ありました」
フィノアの声が、短く聞こえた。見ると、転送石である白い柱のすぐそばに、フィノアが立っていた。少女の前には、小さな扉があった。かがまなければとおれないほどの小ささだった。近寄って見てみると、小さな扉は金と銀でできていた。
金は錆びていなかったが、心なしか鈍い輝きをたたえていた。銀の部分だけが、ところどころ黒く錆びている。取っ手も銀でできていた。今までの扉とは違って、錆びついてはいなかった。むしろ、磨かれた様に輝きをはなっていた。
「豪華ですね……。ここが、当たりではないですか?」
「そうだと良いが」
メリーの言葉に、ラトスは腕を組んで眉根を寄せた。
外れというわけではないが、奥につながる扉を三度も開けなかったのだ。豪華に見える目の前の扉は、かえって期待を裏切りそうな気がした。
フィノアが、銀の取っ手に手をかける。金と銀の扉は、今までの扉とは違い、錆びついた音を立てなかった。静かに開く扉を見て、メリーは期待に満ちた声をこぼす。フィノアは無表情を貫いていたが、小さく息を飲んで取っ手をひねり、押した。
「……あれ?」
扉の先をのぞきこむようにしていたメリーが、首をかしげた。
彼女の声に反応して、フィノアも扉の先をのぞく。
扉の先には、長い通路があった。
通路は、武骨な石を組みあげて作られていた。床面の石も磨かれていない。足を踏み入れると、革靴の底に硬い石の冷たさが伝わってきた。不思議なことに、床を踏んでも、壁に手を突いても、砂に変じることはなかった。
通路を進んでいくと、円形の小さな部屋があった。
部屋の中央には、小さな火があった。火は、なにかを燃やしているわけでもなく、ぽつりと落ちている。踏みつぶせば、簡単に消えてしまいそうだった。
「何の部屋だ、ここは」
ラトスは小さな火を見てから、小さな部屋を見回した。
小さな火以外、なにも見当たらない。牢獄のほうがまだ見栄えするというものだ。
「このような部屋は、エイスガラフ城には無いと思います」
「隠し部屋のようなものではないか? 王だけが知っているとか……」
「それは、否定できませんが……」
ラトスの言葉に、フィノアは唸る。念のためメリーの顔も見てみたが、彼女も頭を横に振るだけだった。
「大層な扉の先にあったのだ。何もないことはないと思うが」
「……そうですね」
フィノアはうなりながら、部屋の壁を触れて回る。なにか隠れているのではないかと思ったのだろう。メリーもフィノアに従って、壁を見て回りはじめた。
ラトスとセウラザは、部屋の中央に落ちている小さな火をもう一度見た。
かがんで、よくよく見てみる。
火は、白と赤と青が入り混じって燃えていた。まるで宝石のようだなと、ラトスは思った。顔を近付けてみると、火は小さくゆれた。
「熱さを感じないな」
火を見ながら、セウラザが言う。言われてみればと、ラトスは火に手をかざした。
どれだけ手を近付けても、火の熱を感じることはなかった。火に見えるだけで、別のものではないか。そう思って、ラトスは指先を火に触れさせてみた。すると火がラトスの指を舐めるように燃え広がった。あわててラトスは、小さな火から手をはなした。
「大丈夫か?」
「あ、ああ。なんだこれは?」
ラトスはごくりと唾を飲みこむと、燃えた指を見た。
火は、しばらく指先に灯っていた。石の上の小さな火と同様に、熱さはない。指を燃やして損なっている様子もなかった。ただ、指の表面に火が乗っているだけだった。
不思議に思いながら、ラトスはじっと指先の火を見ていた。
火は次第に小さくなって、溶けるように消えた。代わりに、指先にはいくつかの水滴が付いていた。
「魔法のようなものか?」
「いや、違うだろう。もしかすると、命そのものかもしれないな」
「命か」
「断言はできないが。今はそっとしておいた方が良いだろう」
セウラザの言葉に、ラトスはうなずく。指先に付いた水滴を見ると、わずかな水なのに揮発していなかった。こすり合わせても、水の潤いを維持したまま、留まりつづけている。命なのかと言われれば、そうかもしれないなとラトスは思った。
フィノアたちは、まだ壁を調べているようだった。
二人の様子を見るかぎり、なにかを見つけることはできなかったらしい。そのうちにメリーは飽きてきたらしく、ラトスたちの元へもどってきた。
「どうだった?」
「何か見つかったように見えます?」
「いや」
「じゃあ、聞かないで貰えます?」
「そうだな」
メリーの言葉に、ラトスは小さく笑う。彼女は困った顔をしたが、釣られて苦笑いした。
「本当に、その火しかないみたいですね」
ついに調べるのを諦めたフィノアも、ラトスたちに合流する。四人が部屋の中央に集まると、小さな火はかすかにゆれた。まるで生き物のように、石の床の上でゆれている。メリーとフィノアが小さな火をのぞきこむと、火は驚いたかのようにしてほそくなった。
「これが何なのかは分からないが、一度出よう」
ラトスは、小さな火を指差しながら言った。
余計なことをしてなにかの拍子に消えてしまったら、取り返しがつかない気がしたのだ。メリーとフィノアは仕方なさそうにうなずいた。
四人は小さな円形の部屋を後にして、長い通路にもどっていく。
もどりながら、メリーが後ろをふり向いた。彼女の肩がぴくりとゆれる。少しの間を置いて、メリーは足を止め、小さな部屋のほうに向かって手を振った。どうしたのだと、ラトスもふり返る。すると、部屋の中心にあった小さな火が、ゆらゆらとゆらめいているのが見えた。なぜだか分からないが、こちらを見ているように感じる。
「揺れているのが、手を振っているみたいに見えたので」
「……そうだな」
メリーが言うと、ラトスはうなずいた。
小さな火が、はかなく、哀しいものに見える。別れを惜しんで、手を振っているのだろうか。手を振るメリーに釣られて、ラトスも手を振ろうかと思ったが、やめておいた。代わりに、心の中で手を振った。
さらば。
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