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紅
紅の盃からはじまる
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人形の頭が、がくりと上がる。
意思を持って、ラトスたちを見ているようだった。だが、実際はそうではない。人形は、夢魔の腕とつながったままだった。玉座の裏にいる夢魔が、人形を操っているのだ。
「……おお……お……」
人形から、うめくような声が聞こえた。
見ると、人形の口がガクガクと動いている。同時に、目が上下左右に振れていた。
「……おお、フィ……ノア」
人形がしゃべる。
ひざまずいているフィノアの肩が、小さく動いた。
「おお。我が娘、フィノアよ……!」
国王の人形が、玉座から立ちあがる。声に合わせて、人形の口はなめらかに動いた。視点が定まっていなかった両目も、静かになる。人形は両腕を広げて、笑顔を作った。
「お父様……!」
フィノアは、泣きそうな表情で国王の人形を見た。まるで、本物の父親と再会したかのようだと、ラトスは顔をゆがめた。人形ではないと信じてしまったのだろうか。
「よくぞ戻ったな。嬉しいぞ」
国王の人形が、流暢に言う。人形の後ろで、紅い眼の夢魔が何度かまたたきした。異様な光景に、ラトスだけでなく、メリーも顔をゆがめる。
人の言葉を話す夢魔に会うのは、二度目だった。テトたちと違うのは、紅い眼の夢魔が敵意に近いものを発していることだ。親し気にフィノアへ話しかけているが、父親のふりをしている時点でいやらしい。
「お父様……。良かった。本当に」
フィノアは、ほっとした表情をする。立ちあがり、国王の人形に近付こうとした。メリーがあわてて、フィノアの手を取る。少女は彼女の手をふり払って、数歩前に進みでた。
「ああ、フィノア。さあ、もっと。こちらに来なさい」
「はい。お父様」
フィノアはうなずく。
手を振り払われたメリーは、少女の背中を見ながらあわてつづけた。口をパクパクと動かし、なんと声をかければいいか分からないようだった。
フィノアは、国王の人形も、その後ろに侍っている夢魔も無視しようとしている。
なにかに憑りつかれたように、また一歩前に進んだ。
見かねて、ラトスは駆けだした。フィノアの腕をつかみ、声をかけた。
「なんですか! 離してください!」
「よく見ろ。王女さん」
「何を……!」
ラトスは、国王の人形の後ろにいる夢魔を指差した。
フィノアは一瞬、夢魔の姿を見たようだった。しかしすぐに、頭を横にふる。
「だから何を……」
フィノアは顔をゆがめて、ラトスの手をふり払おうとした。
しかしラトスは少女の手をはなさない。はなせば、夢魔に駆け寄っていく気がしたのだ。そうなれば、必ず面倒なことになる。
「どうしたのだ。フィノアよ。さあ、こちらに来なさい」
国王の人形が言う。人形の口に合わせて、夢魔の身体もゆれていた。間違いなく、夢魔がしゃべっている。今まで見てきた人形とは違って、国王の人形に意思があるようには見えなかった。
「王女さん、よく見ろ。あれは普通じゃない」
「普通……じゃない?」
フィノアは少しだけ目をほそめた。
訝しむようにラトスを見た後、少女は人形に視線を移す。国王の人形の顔は、じっとフィノアに向けられているようだった。だが、瞳には光がなかった。笑顔を作っているが、温かみはない。
フィノアはようやく違和感を感じ取ったのか、わずかに眉根を寄せた。
「どうしたのだ。フィノア。さあ。早く」
「お父様……」
「どうしたのだ。フィノア。さあ、早く」
国王の人形が笑顔で言った。笑顔の上には、夢魔の腕が垂れさがっていた。腕は時折、脈打っていた。こまやかに人形を動かすためか、最初よりも静かに、繊細に動いている。
「どうしたのだ。フィノア。さあ。早く」
「……おと…さ」
「どうしたのだ。フィノア。さあ。早く早く」
国王の人形が笑顔で言った。満面の笑みで、両手を広げている。人形の後ろで、紅い眼の夢魔が大きな口を開けていた。愉快そうに笑っている。笑い声こそあげていないが、身体が上下にゆれていた。
不自然な言葉を発しはじめた人形に、フィノアは大きく顔をゆがめる。半歩下がり、胸元に両手を当てた。呼吸も早くなっている。
「どうしたのだ。フィノア。フィノア。フィノア。さあさあさあさあさあ。早く早く早く早く早く早く早く」
「やめて!」
「どうしたのだ。どうした。どうした? どう? し、た? さあ。さああああ? 早く早く? 早く。嬉しいぞ。よくぞ戻った。よくぞ。よく、ぞ? フィノア。フィノア。フィノアフィノアフィノアフィノア!」
フィノアは後ずさりする。
ラトスは少女の手をつかんだまま、紅い眼の夢魔をにらみつけた。夢魔の紅い眼が、何度もまたたく。愉快そうに身体を上下にゆらし、さらに大きく口を開けた。
「さあ。さあああああああ! さあああああああああああああ! フィノア! フィノアフィフィフィフィフィフィノノノノノノノノノノアアアアアアアアアアアアアアアアアア! フィノノノノノノノノフィフィフィノノノノアアアアアノノノノノノノノノノノアアアアアアフィフィフィフィフィノアアノアノアノノアアアアフィフィフィフィイイイイイイイイイイイイイノオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアハハハハハハ! フィハハハハハハハハ!」
「やめて! やめてください!」
狂ったような夢魔の声に、フィノアはうずくまる。胸元を押さえ、顔を引きつらせた。
少女の姿を見て、夢魔は狂喜したようだった。人形がガタリとゆれ、立ちあがる。同時に、夢魔の身体も玉座の裏から姿を見せた。
紅い眼の夢魔は、全身が黒かった。まるで、人の影が起きあがったような姿をしていた。顔には、紅い眼がいくつも付いている。口は裂けているかのように大きかった。腕と足は、胴よりも太く、長かった。黒い身体は、全体が脈打っている。脈打つたびに、紅い眼がまたたいていた。
立ちあがった夢魔を見て、フィノアは身体をふるわせた。
ラトスの手に、少女のかぼそい呼吸まで伝わってくる。フィノアの様子に戸惑っていたメリーも、夢魔の姿に緊張を隠せないでいた。彼女の腰の細剣が、カチカチと鳴っている。
立ちあがった国王の人形が、一歩前に出た。
フィノアを見下ろしながら、にやりと笑う。
「フィノア」
国王の人形が、短く言った。
フィノアの肩が、小さくゆれた。
「フィノア。続きを。しよう」
国王の人形の後ろに立っていた夢魔が言った。
紅い眼が、またたく。大きな口をゆがませ、不快にさせる笑顔でフィノアを見下ろした。同時に、国王の人形は糸が切れたように崩れ落ちた。
紅い眼の夢魔が、玉座を乗り越える。崩れ落ちた国王の人形を踏みつけ、砕いた。人形は、鈍い音を立てて四散した。
砕けた人形を見て、フィノアの身体が小さくゆれた。
足元に、がらりと人形の破片が飛んでくる。破片は、人形の頭の一部だった。人形の瞳は、フィノアをじっと見るようにして止まっていた。
フィノアは目を見開く。唇をふるわせ、ゆっくりと顔をあげた。
意思を持って、ラトスたちを見ているようだった。だが、実際はそうではない。人形は、夢魔の腕とつながったままだった。玉座の裏にいる夢魔が、人形を操っているのだ。
「……おお……お……」
人形から、うめくような声が聞こえた。
見ると、人形の口がガクガクと動いている。同時に、目が上下左右に振れていた。
「……おお、フィ……ノア」
人形がしゃべる。
ひざまずいているフィノアの肩が、小さく動いた。
「おお。我が娘、フィノアよ……!」
国王の人形が、玉座から立ちあがる。声に合わせて、人形の口はなめらかに動いた。視点が定まっていなかった両目も、静かになる。人形は両腕を広げて、笑顔を作った。
「お父様……!」
フィノアは、泣きそうな表情で国王の人形を見た。まるで、本物の父親と再会したかのようだと、ラトスは顔をゆがめた。人形ではないと信じてしまったのだろうか。
「よくぞ戻ったな。嬉しいぞ」
国王の人形が、流暢に言う。人形の後ろで、紅い眼の夢魔が何度かまたたきした。異様な光景に、ラトスだけでなく、メリーも顔をゆがめる。
人の言葉を話す夢魔に会うのは、二度目だった。テトたちと違うのは、紅い眼の夢魔が敵意に近いものを発していることだ。親し気にフィノアへ話しかけているが、父親のふりをしている時点でいやらしい。
「お父様……。良かった。本当に」
フィノアは、ほっとした表情をする。立ちあがり、国王の人形に近付こうとした。メリーがあわてて、フィノアの手を取る。少女は彼女の手をふり払って、数歩前に進みでた。
「ああ、フィノア。さあ、もっと。こちらに来なさい」
「はい。お父様」
フィノアはうなずく。
手を振り払われたメリーは、少女の背中を見ながらあわてつづけた。口をパクパクと動かし、なんと声をかければいいか分からないようだった。
フィノアは、国王の人形も、その後ろに侍っている夢魔も無視しようとしている。
なにかに憑りつかれたように、また一歩前に進んだ。
見かねて、ラトスは駆けだした。フィノアの腕をつかみ、声をかけた。
「なんですか! 離してください!」
「よく見ろ。王女さん」
「何を……!」
ラトスは、国王の人形の後ろにいる夢魔を指差した。
フィノアは一瞬、夢魔の姿を見たようだった。しかしすぐに、頭を横にふる。
「だから何を……」
フィノアは顔をゆがめて、ラトスの手をふり払おうとした。
しかしラトスは少女の手をはなさない。はなせば、夢魔に駆け寄っていく気がしたのだ。そうなれば、必ず面倒なことになる。
「どうしたのだ。フィノアよ。さあ、こちらに来なさい」
国王の人形が言う。人形の口に合わせて、夢魔の身体もゆれていた。間違いなく、夢魔がしゃべっている。今まで見てきた人形とは違って、国王の人形に意思があるようには見えなかった。
「王女さん、よく見ろ。あれは普通じゃない」
「普通……じゃない?」
フィノアは少しだけ目をほそめた。
訝しむようにラトスを見た後、少女は人形に視線を移す。国王の人形の顔は、じっとフィノアに向けられているようだった。だが、瞳には光がなかった。笑顔を作っているが、温かみはない。
フィノアはようやく違和感を感じ取ったのか、わずかに眉根を寄せた。
「どうしたのだ。フィノア。さあ。早く」
「お父様……」
「どうしたのだ。フィノア。さあ、早く」
国王の人形が笑顔で言った。笑顔の上には、夢魔の腕が垂れさがっていた。腕は時折、脈打っていた。こまやかに人形を動かすためか、最初よりも静かに、繊細に動いている。
「どうしたのだ。フィノア。さあ。早く」
「……おと…さ」
「どうしたのだ。フィノア。さあ。早く早く」
国王の人形が笑顔で言った。満面の笑みで、両手を広げている。人形の後ろで、紅い眼の夢魔が大きな口を開けていた。愉快そうに笑っている。笑い声こそあげていないが、身体が上下にゆれていた。
不自然な言葉を発しはじめた人形に、フィノアは大きく顔をゆがめる。半歩下がり、胸元に両手を当てた。呼吸も早くなっている。
「どうしたのだ。フィノア。フィノア。フィノア。さあさあさあさあさあ。早く早く早く早く早く早く早く」
「やめて!」
「どうしたのだ。どうした。どうした? どう? し、た? さあ。さああああ? 早く早く? 早く。嬉しいぞ。よくぞ戻った。よくぞ。よく、ぞ? フィノア。フィノア。フィノアフィノアフィノアフィノア!」
フィノアは後ずさりする。
ラトスは少女の手をつかんだまま、紅い眼の夢魔をにらみつけた。夢魔の紅い眼が、何度もまたたく。愉快そうに身体を上下にゆらし、さらに大きく口を開けた。
「さあ。さあああああああ! さあああああああああああああ! フィノア! フィノアフィフィフィフィフィフィノノノノノノノノノノアアアアアアアアアアアアアアアアアア! フィノノノノノノノノフィフィフィノノノノアアアアアノノノノノノノノノノノアアアアアアフィフィフィフィフィノアアノアノアノノアアアアフィフィフィフィイイイイイイイイイイイイイノオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアハハハハハハ! フィハハハハハハハハ!」
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狂ったような夢魔の声に、フィノアはうずくまる。胸元を押さえ、顔を引きつらせた。
少女の姿を見て、夢魔は狂喜したようだった。人形がガタリとゆれ、立ちあがる。同時に、夢魔の身体も玉座の裏から姿を見せた。
紅い眼の夢魔は、全身が黒かった。まるで、人の影が起きあがったような姿をしていた。顔には、紅い眼がいくつも付いている。口は裂けているかのように大きかった。腕と足は、胴よりも太く、長かった。黒い身体は、全体が脈打っている。脈打つたびに、紅い眼がまたたいていた。
立ちあがった夢魔を見て、フィノアは身体をふるわせた。
ラトスの手に、少女のかぼそい呼吸まで伝わってくる。フィノアの様子に戸惑っていたメリーも、夢魔の姿に緊張を隠せないでいた。彼女の腰の細剣が、カチカチと鳴っている。
立ちあがった国王の人形が、一歩前に出た。
フィノアを見下ろしながら、にやりと笑う。
「フィノア」
国王の人形が、短く言った。
フィノアの肩が、小さくゆれた。
「フィノア。続きを。しよう」
国王の人形の後ろに立っていた夢魔が言った。
紅い眼が、またたく。大きな口をゆがませ、不快にさせる笑顔でフィノアを見下ろした。同時に、国王の人形は糸が切れたように崩れ落ちた。
紅い眼の夢魔が、玉座を乗り越える。崩れ落ちた国王の人形を踏みつけ、砕いた。人形は、鈍い音を立てて四散した。
砕けた人形を見て、フィノアの身体が小さくゆれた。
足元に、がらりと人形の破片が飛んでくる。破片は、人形の頭の一部だった。人形の瞳は、フィノアをじっと見るようにして止まっていた。
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