英雄に憧れた少年は、異世界で領主となり英雄となる

霞ヶ丘霞

文字の大きさ
7 / 8

第5話  〜学院長〜

しおりを挟む
 学院長室に入って、10分程が経過した。
「なぁリーヤ、学院長はまだ来ないのか…?」
 そうハルキが聞くと、リーヤは苦笑しながら答えた。
「え、ええ、もうすぐ来るはずなんですけど」
 メイはというと、学院長を探すため学院内を走り回っているらしい。
 すると、ソファでうとうとしていた二人の神姫しょうじょが、眠そうにあくびをしながら、机を眺めていた。
ぬし様、眠く…なってきたのじゃ…」
「私もです…ふぁあ」
「そうだね、今日はたくさん動き回ったからね、二人は剣に戻って、休んでいていいよ」
「ありがとうございます」
「ああ、おやすみ」
「おやすみなさい、あるじ様」
「おやすみなさい、ぬし様」
 そうして、二人の神姫しょうじょは剣に戻り、ハルキの腰の鞘に収められた。
 その時、机の下からゴトッと物音がし、そこから金髪の女性がのろりと出てきた。
 すると、リーヤは驚いた顔でその女性に指を指した。
「が、学院長です!」
「……………………え?」
 ハルキは思わず絶句し、そのまま固まってしまった。
「ふぁあ、おはよー、ってリーヤちゃん!?なんでいるの!?メイちゃんは一緒じゃないの?そして誰?その男の子、もしかしてボーイフレンド??」
 学院長と呼ばれる女性は、あくびを一つついた後、そう立て続けにリーヤに質問した。
「ち、違います!学院長、それより質問は一つずつにしてください!でないと困ります!」
「あー、ごめんごめん」
 そう言って、女性はひょうひょうとした態度で謝った。
「あー、もしかして君がこの子たちの言っていた領主候補の男の子?」
「はい、そうだと思います」
「なら、自己紹介だね!私はこの学院の学院長をやってるエルシエル・ルシウス、君には特別にエル姉さんと呼ぶ権利をあげよう!」
「僕の名前は、ハルキです…それ、呼ばなきゃダメですか…?」
「うん、ダメだね~、これは学院長命令だよー!」
(寝起きだっていうのに、元気な人だなぁ…)
 そう思いながら、これから学院の生徒になるのだから、学院長の言うことは聞いといたほうがいいと思い、抵抗するのをやめることにした。
「わかりました…」
「渋々って感じだね~、あ、あと、君は私が引き取るね、私の家で今日から暮らすんだよ?」
「え…?それ初耳なんですけど…」
 そう、リーヤに聞くと、リーヤも初耳だったらしく、驚いた顔をしていた。
 その時、学院長室の扉が開き、学院内を走り回ってた少女が帰ってきた。
「はぁ、はぁ、それ、私も初耳ですよ!」
 メイにつづき、リーヤも口を開く。
「が、学院長、それはどういう…」
「どうもこうもないよ?だってこの子は異世界から来たんだよ?リーヤちゃん達は寮暮らしだし、ここ女子寮しかないし、一人にしておくのもかわいそうじゃない?」
「そ、それはまぁ、そうなんですけど…」
「これは学院長命令だよ?この子の面倒は私が見る」
 エルが急に真剣な顔をし、場の空気が静まりかえった。
「だって、私も一人で暮らすの寂しかったし」
「わ、わかりました…それも承諾します…」
「よろしい!」
「それじゃあ、早速行こっか!はーい、今日は解散!リーヤちゃん、メイちゃん、また明日ね!」
 そう言ってエルはハルキを連れて行ってしまった。
「私、すごく無駄なことしてた…」
「そうですね…さ、私達も寮に帰りましょうか」

 
                           to be continue…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

処理中です...