13年ぶりに再会したら、元幼馴染に抱かれ、異国の王子に狙われています

雑草

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第3章 加速する執着

一線越えた夜(前編)

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 「……っ、やめ……なさい……っ」

 カトリーナの唇から漏れる声は、
 微かに掠れていた。

 ルイの指が、奥を弄るたびに、
 身体が勝手に反応してしまう。

 強く抵抗しようと、
 手に力を込める——

 ……しかし、思うように動かない。

 身体の奥を支配され続けたせいか、
 次第に力が抜けていくのを感じる。

 (……まずい、動けない……)

 カトリーナは、必死に意識を繋ぎとめようとする。

 ——ふいに、ルイの手が離れた。

 力を込めて押さえつけていた手が、
 急に拘束を解いたのだ。

 (……何?)

 カトリーナがぼんやりと意識を巡らせたその瞬間、
 ルイが目の前でゆっくりと自身の服を脱ぎ始めた。

 ——サラッ。

 シャツが床へと滑り落ち、
 鍛えられた身体が露わになる。

 カトリーナの心臓が、嫌な音を立てて跳ねた。

 (……馬鹿なことを……)

 (まさか、これ以上——)

 だが、その予感が確信に変わるのは、
 ほんの数秒後だった。

 「……カトリーナ」

 ルイが、静かに名前を呼ぶ。

 低く、押し殺した声。
 それは、理性の最後の欠片を失った男の声だった。

 そして——

 ルイの影が、ゆっくりとリリスに覆い被さる。

 その瞬間——

 ——ガシャァン!!

 机の上にあった書類やインク瓶、
 ペンや装飾品が勢いよく薙ぎ倒され、
 床に散らばった。

 黒いインクが流れ、
 書類を濡らしていく。

 カトリーナは、荒い息をつきながら、
 床に落ちた書類を視界の端で捉えた。

 (……もう、後戻りできない)

 (この男は、完全に理性を捨ててしまった)

 ルイの手が、カトリーナの頬を撫でる。

 「……君が、僕を拒んでも」

 額が重なり合うほどの距離で、
 ルイの呼吸が絡み合う。

 「僕は、君を手放さない」

 ——それは、宣告だった。

 愛ではなく、執着。

 ルイの手が、
 リリスのスカートをさらに捲り上げ、
 脚の間に膝を滑り込ませる。

 「……っ、やめなさい……っ」

 カトリーナは最後の力を振り絞り、
 ルイの胸を押し返そうとする。

 しかし、ルイの手がそれを制し、
 耳元で囁いた。

 「……もう、抵抗しなくていい」

 ルイの指が再び、
 カトリーナの奥へと沈み込んでいく。

 「っ……!」

 抵抗する力が、また削がれていく。

 ルイの執着が、
 カトリーナを絡め取るように深く沈み込んでいく——。
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