上 下
8 / 8

第八話 呪術祈祷師 (じゅじゅつきとうし)集団 呪いの鎖 (のろいのくさり)首領 黒革剣山(くろかわけんざん)

しおりを挟む
ケンタたちがその日オフィスに戻ったのは、もう夜中の2時を回っていた。
「オイ、タナカどこにいるんだ?!タナカ!」
レイジが夜勤のタナカの名前を何度も呼ぶ。しかし、タナカの返事はいつまでたっても返って来なかった。
「タナカ」
レイジがふと見るとタナカ👀👁が幽霊のようにびしょ濡れになって立ちすくんでいた。
「タナカさん。大丈夫ですか?」
ケンタがタナカの両肩を掴んで、激しく揺さぶった。
「ジュジュツキトウシ クロカワケンザン」
タナカはアゴを上げて喘ぎながら、だらしなくヨダレを垂らして、そう言葉を漏らした。
ドサッ!
タナカが全身から血🩸🩸🩸🩸🩸を噴き出して倒れミンチ肉のようになった。
「キャーツ‼️」
シズカが大声を出して、悲鳴を上げた。
ケンタは呆然として、その場に立ち固まっていた。


「呪術祈祷師。タナカさんは最後に確かにそう言ったんだね??

異世界第4警察👮‍♀️👮‍♂️殺人課警部タジマがケンタに事情聴取していた。
「ハッ、ハイ」
「何か💕心当たりは?」
「イッ、いえ、ありません。あるわけありません」
ケンタが激しく両手を振った。
「フリハラさん。アンタは?呪術祈祷師 黒革剣山って人物を知りませんか?」
タジマに質問されると、
「しっ、知りません。知りませんよ」
フリハラは酷く狼狽えているようだった。


「フリハラさん。本当にクロカワケンザンという人物に心当たりはないんですか?」
ケンタがフリハラのオフィスでたずねた。「ない。あるわけがないだろ!!」
フリハラはまた、強く否定した。
「こんな僕でも、こんな情けない僕でも何かチカラになれることがあるんじゃないんですか?!」
ケンタが涙🥲🥲🥲🥲🥲ながらに訴える。
「お願いです。本当のことを教えてください」
「実はな、ケンタ」
「ええ」
「萬寿堂は常にライバルたちに狙われている」
「😑」
「業界シェア95パーセントの寡占状態だからなうちは。怨みに思っているやつらもたくさんいるわけだ」
フリハラはあきらめ顔になった。
「なぜ萬寿堂がこんなに人気があるのかわかるかね?」
「いいえ。ボクが頑張ってるからかな」
ケンタがおどけると、フリハラも笑った。
「それはな、お客さんに誠実に対応してきたからだとオレは思ってる」
「ハイ」
「他の業者が駅から徒歩で3万年かかるのに、徒歩🚶‍♀️🚶‍♂️5分とかいってインチキしたりしてるのは知ってる」
「ええ」
ケンタがしきりにうなずく。
「でも、オレは3万年は3万年と言いたいんだ」
「それはまたそれで問題のような気がしますけどね」
ケンタがそう言うと、2人がまた笑った。
 
そのとき、オフィスの照明がすべて消えた。
「ワッ、ワーッ!!」
ケンタが驚いて大声を上げた。
壁がスクリーンになったかのように、映画🎞🎟🎬🎦🎬が流れ始めた。
(呪術祈祷師集団 呪いの鎖 遺伝子🧬🧬🧬🧬🧬殺し)
と、テロップが流れる。
ケンタは固唾を飲んで状況を見守っていた。

(ケンタ、フリヤマ、今からオマエたちの遺伝子🧬を殺処分させてもらう)
男の低い声が聞こえて、ケンタのミミを叩いた。
「どっ、どうなるんですか?!ボクたち」
「なぁーに。しばらく親からの遺伝がない世界を彷徨うだけさ」
オマエが冷たく言い放つ。
「具体的にどういうこと?!」
「なんの思考力もない顔もない、タダの肉🍖🥓🥩の塊になってその辺に転がってろってことだよ」
そこまで男の声を聞いた途端、ケンタの意識は段々と遠のいて行った。

ケンタは自力で徐々に意識を回復させていった。
ケンタがゆっくりと👁を開ける。
目の前にはかって、自分に特別案件処理能力を授けてやるといったあの不恰好なオトコが立っていた。
「やはり、ワタシの遺伝子🧬🧬殺しを破るとは、城之内ケンタ。オマエはタダモノではないな」
ブ男が畏怖するような👁をケンタに向けた。
「ボッ、ボクには何がなんだかわからないよ」
ケンタが正直に心情を吐露した。
「ケンタ!オレの👁を見ろ」
ブ男にそう強制されて、ケンタは否応なくブ男の両眼を見つめるしかなかった。
「いいか、ケンタ。オレの👁を見つめたらオマエはオレの脳内の視床下部に取り込まれることになる」
「そんなバカな」
「呪術祈祷 眼中入力‼️」
ブ男がそう叫んだ瞬間からケンタはブ男の脳内視床下部に組み込まれてしまった。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...