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第一章

1の13 ラメールの王家が残念すぎる

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「スメルト!?」



突然第二王女のスメルトが大声を上げた様だけど‥‥


えッ!?

何故、そんな三角形の目で私を睨むの!?

一瞬、私の為に、私の身代わりになろうとしてくれているのかと勘違いしそうになったけど、そーゆー顔じゃない‥‥

大体、スメルトは私を大嫌いだから私の為に何かするなんて有り得ない。

では一体何を考えている、スメルト!?



「国王陛下も王太子殿下もどうして黙っているの?
シレーヌはもうすぐ第一王女ではなくなる、って事を!」

「いや‥‥ソレは後で家族だけで‥」

「そんなノンビリしてたら、シレーヌがブルーフィン王国へ行く事になっちゃうじゃんッ!?
煌びやかで豪華な大国での生活‥‥豪華なドレスを着て、たくさんの宝石をジャラジャラ着けて威張り散らせる、夢の様な生活を私が奪われてしまうのに!
今言わなきゃダメッ!
ホラ、ちゃんと言って!
国王陛下と王太子殿下だって、シレーヌを愛人に出来なくなるんだよッ!?」

「愛人!?
わ、私が、誰の!?」

「あら、知らなかったの?
醜いシレーヌにはお嫁の貰い手が無いだろうから、国王陛下と王太子殿下が哀れに思って共有の愛人にするって事!」



何ですってぇぇぇ!?

バッ!

国王陛下とその少し後ろにいる王太子殿下を見ると‥‥



「‥‥ああ、うん、
その‥‥そうだ。
一生独りでも可哀想だと思ってな。
お前が16才になったら、私が愛人として可愛がってやるつもりでいるのだ‥‥」

「父上、私は正妃として娶りたいという考え、今でも変わりませんよ。
母上は亡くなるまでシレーヌを大切に育てて来たんです。
母上の意に沿うには、私の正妃にするのが一番です!
なのに『独り占めは許さない』などと、男の欲望丸出しにして‥‥
スメルト、シレーヌに失礼な態度を取るな!
シレーヌを王籍から抜いて元の『漂流者』に戻すのは、私との婚姻の為だ!
私と婚姻するのだからシレーヌがお前の姉である事は変わらないのだからな」

「ええ!?
嫌よ!
同じ13才‥‥2週間ぐらいしか違わないのに!
それに、私ずぅっと納得してなかったんだから!
愛人の娘とは言え、私はちゃんと国王陛下の娘なのに!
何で誰の血も引いていない、醜いシレーヌの妹扱いなの!?
本当は私が第一王女なのにって、ずっと悔しかった!
そして今度は大国に、私の代わりに行くなんて許さないんだから!
大国での贅沢な暮らしも、イケメンでカッコイイ大国の王子様も私のものよ!
王妃陛下が死んだ今、もう我慢しないわ!」



うん?

あれ?

おかしくない?
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