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第三章
3の48 奇跡の理由 2
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あの少女だ!
朦朧とする意識の中、レイの瞳に映る光景!
上方の、荒れた海中でもがく少女の姿――
海中で、何度も方向を見失っては、ローズレッドの瞳がレイを捉える。
あの瞳、間違いない!
フラットを救助していた、あの少女だ!
少女は何度も海流に阻まれながら、それでも少しずつ自分の方へ近付いて来る。
レイの心がゾクリと震える。
少女は、私を救助しようとしている‥‥!
少女の小さな体は海流に容易に弾かれ、近付いては遠のき、それでも諦める気など微塵も感じさせず‥‥
「‥‥ッ!!」
目が合った気がした。
ローズレッドの瞳が、
私を捉えた。
捕えた。
囚われた―――
(私が見ているのは幻か!?
ああ、ダメだ!
来るな!
私はもう、体に力が入らないんだ‥‥
頼むから、戻ってくれ!
君まで死んでしまう‥‥!
戻って‥‥あぁ!)
少女はとうとう目の前まで来た‥‥!
暗い海底で謎の光が彼女を包み、その姿を鮮やかに浮かび上がらせる。
海中に揺らめくキラキラ輝くマーメイドブルーの髪‥‥
華やかで甘いローズレッドの瞳に‥‥包まれ‥る‥‥
体は苦しいのに、経験した事の無い得も言われぬ幸福感に包まれる。
ありがとう‥‥
ありがとう‥‥
だが、私はもう無理だ‥‥
空気を吸えない状態が長すぎる‥‥
この海底から海面まで行き着く前にこと切れるだろう‥‥
だから私を置いて行って欲しい
‥‥頼むから、君だけでも助かって欲しい‥‥
この世で最後に目にした光景が、諦める事無く必死に私を助けようとしてくれている君の姿であった事に感謝と喜びを感じていたなかで‥‥
「‥‥ッ!?」
唇に、柔らかく温かな感触が―――
朦朧とする意識の中、レイの瞳に映る光景!
上方の、荒れた海中でもがく少女の姿――
海中で、何度も方向を見失っては、ローズレッドの瞳がレイを捉える。
あの瞳、間違いない!
フラットを救助していた、あの少女だ!
少女は何度も海流に阻まれながら、それでも少しずつ自分の方へ近付いて来る。
レイの心がゾクリと震える。
少女は、私を救助しようとしている‥‥!
少女の小さな体は海流に容易に弾かれ、近付いては遠のき、それでも諦める気など微塵も感じさせず‥‥
「‥‥ッ!!」
目が合った気がした。
ローズレッドの瞳が、
私を捉えた。
捕えた。
囚われた―――
(私が見ているのは幻か!?
ああ、ダメだ!
来るな!
私はもう、体に力が入らないんだ‥‥
頼むから、戻ってくれ!
君まで死んでしまう‥‥!
戻って‥‥あぁ!)
少女はとうとう目の前まで来た‥‥!
暗い海底で謎の光が彼女を包み、その姿を鮮やかに浮かび上がらせる。
海中に揺らめくキラキラ輝くマーメイドブルーの髪‥‥
華やかで甘いローズレッドの瞳に‥‥包まれ‥る‥‥
体は苦しいのに、経験した事の無い得も言われぬ幸福感に包まれる。
ありがとう‥‥
ありがとう‥‥
だが、私はもう無理だ‥‥
空気を吸えない状態が長すぎる‥‥
この海底から海面まで行き着く前にこと切れるだろう‥‥
だから私を置いて行って欲しい
‥‥頼むから、君だけでも助かって欲しい‥‥
この世で最後に目にした光景が、諦める事無く必死に私を助けようとしてくれている君の姿であった事に感謝と喜びを感じていたなかで‥‥
「‥‥ッ!?」
唇に、柔らかく温かな感触が―――
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