人魚姫とよばれた美少女は、王子様を助けた為に魔女にゴブリンにされましたが全く問題ありません

第三章

3の55 祝福と覚醒と

ちなみに小柄なゴブリンから人間に戻ったレイとシレーヌはと言うと。

バッチリ、丁度いいサイズの、それぞれ似合う、煌びやかな衣装になっている。

衣装に合わせた見事な装飾品も身に着けている。

これは装飾品と呼べるのかどうか‥‥

共に王冠までかぶっており、つまり豪華絢爛だ。


絢爛豪華な衣装、装飾品を身に纏い、しかもそんな衣装に全く負けていない類まれなる美貌の二人。

加えて若くとも威厳タップリのレイ。

さらに神秘的な空気を醸すシレーヌ。


あまりに豪奢で尊い姿は、まるで世界の王と王妃の様である。

いや、天上界からこの世を統べるべく人間界に遣わされた王と王妃の様である。


『真実の愛』を証明する為の魔法なので。

謎の声が告げた様に、『真実の愛』を証明した祝福なのだろう。

ゴブリンから人間に戻れた時は、衣装や装飾品がプレゼントされる様だ。


しかも、彼等は最初の成功者たち。

今まで失敗を重ねた分、祝福がキャリーオーバーされ、こんな事になっている？


では、彼等から放たれ続けている聖なる光も祝福かと言うと、そうではない。


彼等は一度人間の身体を失った。

人間としては一度死んだと言っていい。


人間が魔法を使えなくなった時に残された言い伝え。


『一度死にし王は蘇る事で強靭な肉体を得、聖なる魔力を覚醒させる。
聖なる魔力は魔族の禍々しい魔力を弾き飛ばし、魔族を永遠に消し去る』


それが起こったのだ。

人間としては一度死んで、蘇った。

だから二人は聖なる魔力を覚醒させたのだ。