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第三章
3の62 魔族との戦いに向けて
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1時間後、シレーヌも見事海上の人となっている。
甲板で海風にあたりながら、火照った頬を冷やすシレーヌ。
(すっごく恥ずかしいけどゴブリンの時の口調で話すと何とかなりがちなのよね、
すっっっっっっごく、
恥ずかしいけどッ!)
シレーヌは、自分のゴブリン・モードに対して、
『ゴブリンだった時の口調で忖度無しに言いたい事を主張する』と、『幼児の様だったゴブリン・シレーヌ』を思い出し、対応を柔軟にしてくれる、と解釈している。
が、厳密に言うとちょっと違う。
口調そのものではなく、その口調で話すシレーヌの恥ずかしそうな様子が破壊力を生み出しているのだ。
普段は神々しく、神秘的なオーラを発している女神の様なシレーヌ。
そんな彼女が、羞恥に首まで赤くして眉尻を下げ、潤んだローズレッドの瞳で一生懸命自分がゴブリンだった時のモノマネをする姿が可愛過ぎて、その姿を見た人は心の中で悶絶してしまうのである。
ゴブリン・モード後のシレーヌは、卑怯な手で意見を通させてもらったと後ろめたい気持ちになるのだが、対した人達は皆一様に優しい目で口角が上がっている‥‥
「シレーヌ‥‥」
「‥ッ、レイ様!
会議は御済みですか」
「ああ。
会議と言っても、先ずは行ってみないとな‥‥
未知の相手だし。
‥‥大丈夫か?
件の島は‥‥」
「大丈夫です。
ラメール王国ですね」
そう‥‥
魔族に乗っ取られた小国とは、シレーヌの故郷‥‥
シレーヌが13才まで暮らした小さな島国、ラメール王国なのである。
甲板で海風にあたりながら、火照った頬を冷やすシレーヌ。
(すっごく恥ずかしいけどゴブリンの時の口調で話すと何とかなりがちなのよね、
すっっっっっっごく、
恥ずかしいけどッ!)
シレーヌは、自分のゴブリン・モードに対して、
『ゴブリンだった時の口調で忖度無しに言いたい事を主張する』と、『幼児の様だったゴブリン・シレーヌ』を思い出し、対応を柔軟にしてくれる、と解釈している。
が、厳密に言うとちょっと違う。
口調そのものではなく、その口調で話すシレーヌの恥ずかしそうな様子が破壊力を生み出しているのだ。
普段は神々しく、神秘的なオーラを発している女神の様なシレーヌ。
そんな彼女が、羞恥に首まで赤くして眉尻を下げ、潤んだローズレッドの瞳で一生懸命自分がゴブリンだった時のモノマネをする姿が可愛過ぎて、その姿を見た人は心の中で悶絶してしまうのである。
ゴブリン・モード後のシレーヌは、卑怯な手で意見を通させてもらったと後ろめたい気持ちになるのだが、対した人達は皆一様に優しい目で口角が上がっている‥‥
「シレーヌ‥‥」
「‥ッ、レイ様!
会議は御済みですか」
「ああ。
会議と言っても、先ずは行ってみないとな‥‥
未知の相手だし。
‥‥大丈夫か?
件の島は‥‥」
「大丈夫です。
ラメール王国ですね」
そう‥‥
魔族に乗っ取られた小国とは、シレーヌの故郷‥‥
シレーヌが13才まで暮らした小さな島国、ラメール王国なのである。
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