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01 寝耳に水なんですけど!
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ねみねみねみ‥
寝耳に水とはこの事ッ
「どういうことですかお父様ッ
どうして私が全く親しくない従姉の嫁ぎ先に『閨勤侍女』として付いて行って
従姉の夫の性奴隷にならなければならないのです!?」
私はルフス・カーマイン
カーマイン子爵令嬢
15才、王都高校1年生
3日前学生寮に届いた父からのフザケタ手紙
私は怒りと共に帰省し父に説明を求めた。
「ルフス、何という不作法者よ。
たとえ娘でも子爵の執務室にノックも無しに‥」
「誤魔化さないで下さい!
ごちゃごちゃ言ってる間に言い訳を考えようとしても無駄です!
この手紙に書いてある事はどういう事かと聞いてるんですよ!」
私は1度グチャグチャにしてから思い直して広げ書物を重しにして原状回復に努めた手紙を示す。
チラと見て目を逸らす父。
私は王都高校の騎士科専攻なので
帯剣している。
これ以上すっとぼける気なら抜刀する。
私の本気を察したのか父が厳格な仮面を崩し
ヘニャリと弱々しく笑う。
この表情がこの男の本質である。
「まぁまぁ女の子がそんな剣幕で…
お前は器量が悪い上に男勝り。
気付けば男に混ざって剣の鍛錬をしたり乗馬に夢中になったり
ただでさえ縁談の1つも来ないのに
ますます縁遠くなるというものだ…
そこでだ!
そんなお前に兄さんが素晴らしい話を持って来てくれたんだ!
兄さんの娘のエクリュちゃんが素晴らしい縁談に恵まれてな!
何とあの有名なアルゲンテウス辺境伯だ!」
(アルゲンテウス辺境伯!?)
そろそろ抜刀しようとしていたがその名に手を止める。
アルゲンテウス辺境伯と言えば
2年前若干17才の若さで辺境伯を引き継ぎ
鬼神の如き活躍で
大量発生した魔獣を殲滅した武人の頂点――
騎士を目指す者なら
誰でも知っている、
目標とする御方である。
(そんな御方だけど
結婚相手を探すのには苦労していると聞く…
何せ辺境領は国境沿い
若い女子が忌避するのは自然
その上本人も結婚に前向きでないらしい――
と聞いていたが。
サンド子爵令嬢エクリュで手を打った訳か…
武人の家は後継を得るのを殊更急ぐから…
現辺境伯が若くして代替わりとなったのも
父君が魔獣との戦いで大怪我をしたから。
父君は確かまだ30代半ば…
19才の息子に結婚を急がせるのも解ると言えば解る。
けど…)
「エクリュちゃんは辺境伯と同じ19才。
王都高校で既に知り合っていたのかもしれないな」
「それはないですね。
乙女科と騎士科は一切接点がありませんし
辺境伯は家業を引き継ぐため17才で卒業試験をパスして卒業したんですから」
「乙女?‥淑女科な。
ハハ、お前には無縁だろうが男と女の間には色々あるものだ」
「騎士科は毎日吐くまで鍛錬してます。
恋愛に現を抜かす暇などありませんよ」
父が可哀想なモノを見る目で見て来る。
そう、確かに私は今可哀想過ぎる状況にある。
もう廃れたはずの古い因習。
昔は娘が嫁ぐ時
嫁ぎ先に『閨勤侍女』を伴っていた。
その役割は娘の身の回りの世話――
と言うのは建前で。
「それにしてもお前、
『性奴隷』なんて下品な言葉を…
女だてらに騎士科なんかに行くから‥」
「どんな言葉で誤魔化そうと内容は変わらないでしょう?
妻が体調不良だったり
妊娠した時に
妻に代わって夜伽をする。
それが『閨勤侍女』。
夫が他所に愛人を作らないようにする為の人権無視の過去の悪習。
そんなモノを今更持ち出す理由は何です?
第一『閨勤侍女』はその家の使用人だったり
かなり格下の親戚筋から選んだそうですけど
カーマイン家はいつサンド家の格下に成り下がったんですか!?
どちらも子爵家――と言っても大違い。
伯父様は実家を継いだだけ。
お父様は1から自分の力で手に入れた爵位。
胸を張っていいのに申し訳なさそうにする理由は何です?
お父様は伯父様に多額のお金を援助していますよね?
伯父様は『借りる』というテイで1度も返した事ありませんよね?
幾らですか?
今までのトータル…
無計画に新事業を立ち上げては失敗して多額の負債を弟に肩代わりさせる伯父様に今まで幾ら貢いだんです?
小さい国1つ買えるぐらいですよね?
格下はどちら?」
…ちょっと言うと
沢山返って来る…
黙って俯くだけだった幼子は
一体いつからこうなった?
口を噤むカーマイン子爵に救いの手が。
件の兄と姪、
サンド子爵と娘のエクリュが訪ねて来たのである。
寝耳に水とはこの事ッ
「どういうことですかお父様ッ
どうして私が全く親しくない従姉の嫁ぎ先に『閨勤侍女』として付いて行って
従姉の夫の性奴隷にならなければならないのです!?」
私はルフス・カーマイン
カーマイン子爵令嬢
15才、王都高校1年生
3日前学生寮に届いた父からのフザケタ手紙
私は怒りと共に帰省し父に説明を求めた。
「ルフス、何という不作法者よ。
たとえ娘でも子爵の執務室にノックも無しに‥」
「誤魔化さないで下さい!
ごちゃごちゃ言ってる間に言い訳を考えようとしても無駄です!
この手紙に書いてある事はどういう事かと聞いてるんですよ!」
私は1度グチャグチャにしてから思い直して広げ書物を重しにして原状回復に努めた手紙を示す。
チラと見て目を逸らす父。
私は王都高校の騎士科専攻なので
帯剣している。
これ以上すっとぼける気なら抜刀する。
私の本気を察したのか父が厳格な仮面を崩し
ヘニャリと弱々しく笑う。
この表情がこの男の本質である。
「まぁまぁ女の子がそんな剣幕で…
お前は器量が悪い上に男勝り。
気付けば男に混ざって剣の鍛錬をしたり乗馬に夢中になったり
ただでさえ縁談の1つも来ないのに
ますます縁遠くなるというものだ…
そこでだ!
そんなお前に兄さんが素晴らしい話を持って来てくれたんだ!
兄さんの娘のエクリュちゃんが素晴らしい縁談に恵まれてな!
何とあの有名なアルゲンテウス辺境伯だ!」
(アルゲンテウス辺境伯!?)
そろそろ抜刀しようとしていたがその名に手を止める。
アルゲンテウス辺境伯と言えば
2年前若干17才の若さで辺境伯を引き継ぎ
鬼神の如き活躍で
大量発生した魔獣を殲滅した武人の頂点――
騎士を目指す者なら
誰でも知っている、
目標とする御方である。
(そんな御方だけど
結婚相手を探すのには苦労していると聞く…
何せ辺境領は国境沿い
若い女子が忌避するのは自然
その上本人も結婚に前向きでないらしい――
と聞いていたが。
サンド子爵令嬢エクリュで手を打った訳か…
武人の家は後継を得るのを殊更急ぐから…
現辺境伯が若くして代替わりとなったのも
父君が魔獣との戦いで大怪我をしたから。
父君は確かまだ30代半ば…
19才の息子に結婚を急がせるのも解ると言えば解る。
けど…)
「エクリュちゃんは辺境伯と同じ19才。
王都高校で既に知り合っていたのかもしれないな」
「それはないですね。
乙女科と騎士科は一切接点がありませんし
辺境伯は家業を引き継ぐため17才で卒業試験をパスして卒業したんですから」
「乙女?‥淑女科な。
ハハ、お前には無縁だろうが男と女の間には色々あるものだ」
「騎士科は毎日吐くまで鍛錬してます。
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父が可哀想なモノを見る目で見て来る。
そう、確かに私は今可哀想過ぎる状況にある。
もう廃れたはずの古い因習。
昔は娘が嫁ぐ時
嫁ぎ先に『閨勤侍女』を伴っていた。
その役割は娘の身の回りの世話――
と言うのは建前で。
「それにしてもお前、
『性奴隷』なんて下品な言葉を…
女だてらに騎士科なんかに行くから‥」
「どんな言葉で誤魔化そうと内容は変わらないでしょう?
妻が体調不良だったり
妊娠した時に
妻に代わって夜伽をする。
それが『閨勤侍女』。
夫が他所に愛人を作らないようにする為の人権無視の過去の悪習。
そんなモノを今更持ち出す理由は何です?
第一『閨勤侍女』はその家の使用人だったり
かなり格下の親戚筋から選んだそうですけど
カーマイン家はいつサンド家の格下に成り下がったんですか!?
どちらも子爵家――と言っても大違い。
伯父様は実家を継いだだけ。
お父様は1から自分の力で手に入れた爵位。
胸を張っていいのに申し訳なさそうにする理由は何です?
お父様は伯父様に多額のお金を援助していますよね?
伯父様は『借りる』というテイで1度も返した事ありませんよね?
幾らですか?
今までのトータル…
無計画に新事業を立ち上げては失敗して多額の負債を弟に肩代わりさせる伯父様に今まで幾ら貢いだんです?
小さい国1つ買えるぐらいですよね?
格下はどちら?」
…ちょっと言うと
沢山返って来る…
黙って俯くだけだった幼子は
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口を噤むカーマイン子爵に救いの手が。
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サンド子爵と娘のエクリュが訪ねて来たのである。
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