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4 戦い
85 スート王の黒い靄
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死体置き場に並べられた10人の刺客達。
その中に、変装してはいるがよく見知った顔を見つけてテネブラエ公は膝をつき…
「‥スート王‥『自分はスート城にいる』と言っていたのに…
今までお前が私に言って来た事は全てが嘘だったのか…!?」
「聞いてみるといいですわ…今全員の『仮死状態』を解きます。
その前に彼等の手足を拘束して下さい。
本当の死人になってしまっては何も聞けなくなりますから」
「‥え?」
ポカンとするテネブラエ公にソルが端的に説明する。
「『仮死状態』を解けば彼等はわたくしに飛び掛かって来るかもしれません。
わたくしは余裕で避けられますがその前にルーナエ陛下が斬り捨てておしまいになるでしょうから――
30年前…そして今もなおスート王はどうしてスート王国から遠く離れたジョーカー王国の王と子供たちを滅したいのか――
どうしても聞きたいので、拘束してスート王の身の安全を図りたいのです」
「‥ッそれはッ‥」
『私がアクワ姫に執着したせいで‥』と続けたテネブラエ公の弱々しい声はソルには届かない。
スート王と9人の『マレフィクス』の刺客達が座った状態にされ拘束される。
ソルは刺客達の胸に掌の下の方で『トンッ』と軽く触れるぐらいの刺激を与える――すると男達はハッと気付き、ソルを目にすると体を激しく動かし向かって行こうとするが、拘束されている事と周りの状況に気付き、唸り声を上げ項垂れる。
一人、スート王だけがテネブラエ公を見つめ、必死の声を上げる。
「前皇帝陛下ッ‥これは一体何事です!?
何かの間違い‥くッ‥
私は何故拘束されているのですか!?
――ああ友よ!
私の拘束を外して下さいッ――私は騙されただけなのですッ
前皇帝陛下ッ‥クラールス様ッ…私達は無二の親友ではなかったのですかッ!?」
「…ドゥルケ…ッ」
「――なるほど分かりました――お前、テネブラエ公に術を掛けていたのですね」
そう言ってスート王をギョッとさせたのはソル。
金眼がいつも以上に光を放ち体全体からユラユラと金色の陽炎が立ち昇っている。
恐れ――
よりも先に幽玄の美しさに魅入られてしまい言葉を失うスート王。
「‥おお、金の姫君…
その美しさ、その力!
私の妃に相応し‥」
「待って下さい、ルーナエ陛下!‥斬ってしまっては何も聞けませんわ」
スート王がやっと絞り出した言葉の途中で皇帝が剣を抜いたので、ソルが慌てて皇帝を諫める。
皇帝の銀眼は危険な光を湛え体からはユラユラと銀色の陽炎が立ち昇り恐ろしくも美しい姿である。
「私はスート王に術を掛けられていたというのか!?‥俄かには信じられん――
だが…
今日はいつもと違う…
スート王と話す時はいつもボウッとして夢見心地になり…
私はそうやってスート王の言いなりになって来たというのかッ…
スート王!‥お前はこの私に怪しげな術を掛けていたのかッ!?」
気色ばむテネブラエ公をスート王は見つめ…
「‥ッ!?‥な‥発動しない!?」
顔色を変えるスート王にソルが呆れた様に言う。
「ここにおわすルーナエ陛下を誰だとお思い?
陛下の前で術を掛けるなど出来るわけが無いでしょう?
お前の眼から出る黒い靄は清廉な銀眼から放たれる光に一瞬で消されているのが分からない?」
「ッ‥クッ‥!」
≪え‥俺が?‥そうなのか?≫
≪なるほど、だからいつもの様にボウッとして夢見心地にならないのだな≫
≪俺はスート王を睨んだだけだが…≫
≪ほほ‥ルーナエ陛下は無意識に邪悪な術から御父上をお守りになったのです≫
≪≪‥!≫≫
テレパシーで話す3人の内緒話は他の者には聞こえない。
ほんのり頬を染め無言で視線を合わせる父子を臣下たちが不思議そうに見守る中、金眼がヒタと視線を定める。
「…スート王…何もかも洗いざらい話したいのではなくて?」
魅惑的な声がスート王の耳をくすぐる。
(ッ見てはいけない)
頭ではそう思うのに、体は言う事をきかずスート王はソルの方へ首を回し――
「‥ァッ?‥ハッ」
「全て話してスッキリしたいのね?」
「いや‥私は何も‥ハッ、ハァ、あぁぁ…は、話したいッ‥狂いそうなほどにッ」
ソルの金眼を見た瞬間、スート王はボウッとして夢見心地になり、ソルの言いなりになりたくて我慢出来なくなり――
その中に、変装してはいるがよく見知った顔を見つけてテネブラエ公は膝をつき…
「‥スート王‥『自分はスート城にいる』と言っていたのに…
今までお前が私に言って来た事は全てが嘘だったのか…!?」
「聞いてみるといいですわ…今全員の『仮死状態』を解きます。
その前に彼等の手足を拘束して下さい。
本当の死人になってしまっては何も聞けなくなりますから」
「‥え?」
ポカンとするテネブラエ公にソルが端的に説明する。
「『仮死状態』を解けば彼等はわたくしに飛び掛かって来るかもしれません。
わたくしは余裕で避けられますがその前にルーナエ陛下が斬り捨てておしまいになるでしょうから――
30年前…そして今もなおスート王はどうしてスート王国から遠く離れたジョーカー王国の王と子供たちを滅したいのか――
どうしても聞きたいので、拘束してスート王の身の安全を図りたいのです」
「‥ッそれはッ‥」
『私がアクワ姫に執着したせいで‥』と続けたテネブラエ公の弱々しい声はソルには届かない。
スート王と9人の『マレフィクス』の刺客達が座った状態にされ拘束される。
ソルは刺客達の胸に掌の下の方で『トンッ』と軽く触れるぐらいの刺激を与える――すると男達はハッと気付き、ソルを目にすると体を激しく動かし向かって行こうとするが、拘束されている事と周りの状況に気付き、唸り声を上げ項垂れる。
一人、スート王だけがテネブラエ公を見つめ、必死の声を上げる。
「前皇帝陛下ッ‥これは一体何事です!?
何かの間違い‥くッ‥
私は何故拘束されているのですか!?
――ああ友よ!
私の拘束を外して下さいッ――私は騙されただけなのですッ
前皇帝陛下ッ‥クラールス様ッ…私達は無二の親友ではなかったのですかッ!?」
「…ドゥルケ…ッ」
「――なるほど分かりました――お前、テネブラエ公に術を掛けていたのですね」
そう言ってスート王をギョッとさせたのはソル。
金眼がいつも以上に光を放ち体全体からユラユラと金色の陽炎が立ち昇っている。
恐れ――
よりも先に幽玄の美しさに魅入られてしまい言葉を失うスート王。
「‥おお、金の姫君…
その美しさ、その力!
私の妃に相応し‥」
「待って下さい、ルーナエ陛下!‥斬ってしまっては何も聞けませんわ」
スート王がやっと絞り出した言葉の途中で皇帝が剣を抜いたので、ソルが慌てて皇帝を諫める。
皇帝の銀眼は危険な光を湛え体からはユラユラと銀色の陽炎が立ち昇り恐ろしくも美しい姿である。
「私はスート王に術を掛けられていたというのか!?‥俄かには信じられん――
だが…
今日はいつもと違う…
スート王と話す時はいつもボウッとして夢見心地になり…
私はそうやってスート王の言いなりになって来たというのかッ…
スート王!‥お前はこの私に怪しげな術を掛けていたのかッ!?」
気色ばむテネブラエ公をスート王は見つめ…
「‥ッ!?‥な‥発動しない!?」
顔色を変えるスート王にソルが呆れた様に言う。
「ここにおわすルーナエ陛下を誰だとお思い?
陛下の前で術を掛けるなど出来るわけが無いでしょう?
お前の眼から出る黒い靄は清廉な銀眼から放たれる光に一瞬で消されているのが分からない?」
「ッ‥クッ‥!」
≪え‥俺が?‥そうなのか?≫
≪なるほど、だからいつもの様にボウッとして夢見心地にならないのだな≫
≪俺はスート王を睨んだだけだが…≫
≪ほほ‥ルーナエ陛下は無意識に邪悪な術から御父上をお守りになったのです≫
≪≪‥!≫≫
テレパシーで話す3人の内緒話は他の者には聞こえない。
ほんのり頬を染め無言で視線を合わせる父子を臣下たちが不思議そうに見守る中、金眼がヒタと視線を定める。
「…スート王…何もかも洗いざらい話したいのではなくて?」
魅惑的な声がスート王の耳をくすぐる。
(ッ見てはいけない)
頭ではそう思うのに、体は言う事をきかずスート王はソルの方へ首を回し――
「‥ァッ?‥ハッ」
「全て話してスッキリしたいのね?」
「いや‥私は何も‥ハッ、ハァ、あぁぁ…は、話したいッ‥狂いそうなほどにッ」
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