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6 そういえ話
113 戻って来なさい
カチャリ…
ミルクティーをソーサーに置き。
遠い眼で独り言つのはアザレア。
「‥今回は忘れられちゃったみたいね…」
無理も無いわとアザレアは思う。
世界一尊い御方がお相手ではもう自分など完全に忘れ去られても仕方ないもの――
その噂はあっという間に世界を駆け巡った。
あのカード皇帝陛下がご婚約された!
お相手は金髪金銀の美しき貴婦人!
皇帝陛下と同年代!
何と前ジョーカー王国第一王女殿下!
『カード皇帝陛下に会ってみるわ』
そう仰った後、姿を消されて1ヶ月ほどが過ぎて――
そしてその噂だ。
間違いない。
皇帝陛下の婚約相手はアス様だ。
間違いなくやんごとなき御方だと思っていたけど、やっぱりの王女殿下。
昔、『小さい頃の記憶を失くして自分の出自を知らない』と聞いた時に質問した。
『恐くないのですか?自分が何者か分からないなんて』と。
『何も。記憶があろうが無かろうがわたくしはわたくしだもの』
そう答えられたアス様が眩しかった――
〈カッ〉
「眩?何か今光っ‥」
「アザレア!」
「‥えッアス様!?
いつブリッジ・シティへ!?‥え…ここへはどうやって?」
「姉上、ランプも点けずにどうしたのですか…あぁ、姉上は不思議な事に暗闇でも目が見えるのでしたっけ」
「レケンスまで!?
どうやって…というか、ここ、家の中…え?
まるでいきなり家の中に現れたみたい…」
アザレアは自宅のバルコニーでお茶を飲んでいたのだが、バルコニー続きの部屋に二人は突然現れた…様なのだ?
「それで合っているわ。ごめんなさい、夜遅くに転移で訪ねて驚かせて。レケンスが騎士団とゴタゴタしていて中々連れ出せなかったのよ」
「レケンス…何か問題を抱えているの?」
「別に…」
とぼけるレケンスを困った様に見ながらソルが説明する。
「はぁ、近衛騎士を辞めたいと言い出してね、騎士団総長から説得されているのよね、騎士団もこんなに優秀な騎士を手放したくないのよ」
「レケンス、『違う』って顔ね?」
「私はソル様の騎士です。近衛騎士を辞めてソル様の専属騎士になろうというのを阻止したい人物の命で騎士団総長は私を引き止めるのです」
「ソル様…アス様の本当のお名前なのですね…」
「ええ、記憶が戻って名前も思い出したわ。
ふふふ、でもどう呼んでくれても大丈夫よ。
好きに呼んで頂戴。
…レケンスもよ?」
「はい…ソル様」
「もう馴染んでる!」
「クスクス、ね――真面目というか律儀というか…仕事の方も花形の近衛騎士でトップを取れる才能がありながらわたくしの護衛騎士なんて地味な立場に固執し続けるのだから、本当にレケンスには敵わないわ」
(…ご自分の護衛騎士が『地味な立場』だと素で思っているところが凄いわ…)
バチバチッ!
「‥ハッ‥今、大きな静電気というか、小さな稲妻というか――何か光が…」
「あぁ…、陛下よ。
ここへ来ようとされたから阻止したの。
全く…会った事も無い女性の部屋へ突然転移しようとするなんて!
陛下は長年引きこもっておられたから少々常識に欠けるところが御有りなの。
ちょっと注意して来ます。すぐ戻って来るから二人でゆっくり待っていてね」
「え‥陛下!?転移!?アス様…えぇッき、消えた!?」
「ソル様は記憶が戻られたと同時に魔法を使える様になられたそうだ」
「ま、魔法…!…え…もしかして陛下も?」
レケンスは答える代わりに部屋のソファに座る。
「…お茶飲む?」
「いらない…飲む」
うん…そうよね…
心中大変なのよね…
平静を装っているけど大混乱中よね…
「姉上…私は普通ですよ」
「何も言ってないけど」
「憐れみオーラが煩いですが」
「憐れみじゃない…共感かしら」
「私は‥」
「はい、お茶よ」
「…ミルクティー…」
「懐かしいでしょ」
『真夜中のお茶会』…
姉弟にとって初めてのお茶会で飲んだお茶…
そもそもちゃんとしたお茶を飲んだのも初めてだった――
ホッとする香り
やさしい甘さ
子供が夜中に飲んでも大丈夫な様に
美味しく飲める様に
体と心を温められる様に――
あの人が心を込めて淹れてくれたミルクティー。
「…レケンス、『私なんか』って言い回しをして注意された事無い?」
不意にそう問われてレケンスは姉に視線をやる。
アザレアはミルクティーを見つめたままだ。
「…覚えていない…あったかもしれない」
「レケンスはアス様以外には無口だからね。
私は何度もあるわ…無意識に口にして…教師や修道女達や孤児院の仲間に――
『自分で自分を卑下するなど愚かだ』『自分を愛せない人間は最低だ』
『自分を憐れむな』『同情を買おうとしているのか』…そんな風にね。でも…
自己肯定感の低さなんて環境で刷り込まれたもの。それを『自分のせい』だから『改めろ』と言われても。…言われてもね…無意識だもの。一生懸命自分に言い聞かせても刷り込まれたものはどうしようもなくて…」
地獄の様だった実家から新しい環境を得て何とか皆と仲良くしたいと必死だった自分。
修道女や孤児院の子達は自分が苦労した経験から『ああしなさい』『こうしなさい』と助言してくれるのだが思う様に応えられず鈍痛の様な焦りと苦しみに苛まれていた。
アザレアはコクンとミルクティーを飲む。
何とも言えなかった日々を飲み下す様に。
「…『助言』は『注意』に。『注意』は『非難』に。『非難』は『呆れ』に。『呆れ』は『見放し』に。
彼等は『自分で自分を変えようとしない奴』に付き合っていられないと私を見限った…変わりたくて変えようとしても変われないのに――」
「勝手な『教え』を説くだけ説いて『君には何を言っても無駄だ』とか言う奴か」
「…ハハ…やっぱレケンスも経験ありかぁ…」
「『自分は苦労して来た』と思い込んでる甘ちゃん達など相手にする事無い」
「もちろん!…それに落ち込む暇なんて無いくらいアス様が愛をドバドバ注いでくれたからね!…レケンスもそうだったでしょ」
レケンスは姉からミルクティーに視線を戻す。
「ふふ…アス様には一度も注意されたこと無いよ。私が『私なんか』って言うの一番聞いてるはずなのに…何も言わないでただただ愛を注いでくれた。『大切だよ』って…言葉だけじゃなくて…眼差しで、態度で、行動で伝え続けてくれた。…おかげで今の私はつよつよだよ。アス様に愛されてるんだもん、何も恐くない。
――レケンスもそうでしょ」
「…………」
「皇帝陛下と婚約されて…私の事もう忘れられちゃったかななんて思ってたらこうして気に掛けてくださって…やっぱりアス様だわ。変わらず愛を注いでくれる。
…けどそれは、愛の種類も変わらないってこと…アス様の私達への愛は家族愛」
「…………」
「…こっちへ戻って来なさいよ、レケンス…
アス様と皇帝の仲睦まじい姿を傍で見るなんて辛過ぎるでしょ…」
「…………」
レケンスはミルクティーに視線を置いたままの無表情。
想い出の味に口を付けることは無い。
ミルクティーをソーサーに置き。
遠い眼で独り言つのはアザレア。
「‥今回は忘れられちゃったみたいね…」
無理も無いわとアザレアは思う。
世界一尊い御方がお相手ではもう自分など完全に忘れ去られても仕方ないもの――
その噂はあっという間に世界を駆け巡った。
あのカード皇帝陛下がご婚約された!
お相手は金髪金銀の美しき貴婦人!
皇帝陛下と同年代!
何と前ジョーカー王国第一王女殿下!
『カード皇帝陛下に会ってみるわ』
そう仰った後、姿を消されて1ヶ月ほどが過ぎて――
そしてその噂だ。
間違いない。
皇帝陛下の婚約相手はアス様だ。
間違いなくやんごとなき御方だと思っていたけど、やっぱりの王女殿下。
昔、『小さい頃の記憶を失くして自分の出自を知らない』と聞いた時に質問した。
『恐くないのですか?自分が何者か分からないなんて』と。
『何も。記憶があろうが無かろうがわたくしはわたくしだもの』
そう答えられたアス様が眩しかった――
〈カッ〉
「眩?何か今光っ‥」
「アザレア!」
「‥えッアス様!?
いつブリッジ・シティへ!?‥え…ここへはどうやって?」
「姉上、ランプも点けずにどうしたのですか…あぁ、姉上は不思議な事に暗闇でも目が見えるのでしたっけ」
「レケンスまで!?
どうやって…というか、ここ、家の中…え?
まるでいきなり家の中に現れたみたい…」
アザレアは自宅のバルコニーでお茶を飲んでいたのだが、バルコニー続きの部屋に二人は突然現れた…様なのだ?
「それで合っているわ。ごめんなさい、夜遅くに転移で訪ねて驚かせて。レケンスが騎士団とゴタゴタしていて中々連れ出せなかったのよ」
「レケンス…何か問題を抱えているの?」
「別に…」
とぼけるレケンスを困った様に見ながらソルが説明する。
「はぁ、近衛騎士を辞めたいと言い出してね、騎士団総長から説得されているのよね、騎士団もこんなに優秀な騎士を手放したくないのよ」
「レケンス、『違う』って顔ね?」
「私はソル様の騎士です。近衛騎士を辞めてソル様の専属騎士になろうというのを阻止したい人物の命で騎士団総長は私を引き止めるのです」
「ソル様…アス様の本当のお名前なのですね…」
「ええ、記憶が戻って名前も思い出したわ。
ふふふ、でもどう呼んでくれても大丈夫よ。
好きに呼んで頂戴。
…レケンスもよ?」
「はい…ソル様」
「もう馴染んでる!」
「クスクス、ね――真面目というか律儀というか…仕事の方も花形の近衛騎士でトップを取れる才能がありながらわたくしの護衛騎士なんて地味な立場に固執し続けるのだから、本当にレケンスには敵わないわ」
(…ご自分の護衛騎士が『地味な立場』だと素で思っているところが凄いわ…)
バチバチッ!
「‥ハッ‥今、大きな静電気というか、小さな稲妻というか――何か光が…」
「あぁ…、陛下よ。
ここへ来ようとされたから阻止したの。
全く…会った事も無い女性の部屋へ突然転移しようとするなんて!
陛下は長年引きこもっておられたから少々常識に欠けるところが御有りなの。
ちょっと注意して来ます。すぐ戻って来るから二人でゆっくり待っていてね」
「え‥陛下!?転移!?アス様…えぇッき、消えた!?」
「ソル様は記憶が戻られたと同時に魔法を使える様になられたそうだ」
「ま、魔法…!…え…もしかして陛下も?」
レケンスは答える代わりに部屋のソファに座る。
「…お茶飲む?」
「いらない…飲む」
うん…そうよね…
心中大変なのよね…
平静を装っているけど大混乱中よね…
「姉上…私は普通ですよ」
「何も言ってないけど」
「憐れみオーラが煩いですが」
「憐れみじゃない…共感かしら」
「私は‥」
「はい、お茶よ」
「…ミルクティー…」
「懐かしいでしょ」
『真夜中のお茶会』…
姉弟にとって初めてのお茶会で飲んだお茶…
そもそもちゃんとしたお茶を飲んだのも初めてだった――
ホッとする香り
やさしい甘さ
子供が夜中に飲んでも大丈夫な様に
美味しく飲める様に
体と心を温められる様に――
あの人が心を込めて淹れてくれたミルクティー。
「…レケンス、『私なんか』って言い回しをして注意された事無い?」
不意にそう問われてレケンスは姉に視線をやる。
アザレアはミルクティーを見つめたままだ。
「…覚えていない…あったかもしれない」
「レケンスはアス様以外には無口だからね。
私は何度もあるわ…無意識に口にして…教師や修道女達や孤児院の仲間に――
『自分で自分を卑下するなど愚かだ』『自分を愛せない人間は最低だ』
『自分を憐れむな』『同情を買おうとしているのか』…そんな風にね。でも…
自己肯定感の低さなんて環境で刷り込まれたもの。それを『自分のせい』だから『改めろ』と言われても。…言われてもね…無意識だもの。一生懸命自分に言い聞かせても刷り込まれたものはどうしようもなくて…」
地獄の様だった実家から新しい環境を得て何とか皆と仲良くしたいと必死だった自分。
修道女や孤児院の子達は自分が苦労した経験から『ああしなさい』『こうしなさい』と助言してくれるのだが思う様に応えられず鈍痛の様な焦りと苦しみに苛まれていた。
アザレアはコクンとミルクティーを飲む。
何とも言えなかった日々を飲み下す様に。
「…『助言』は『注意』に。『注意』は『非難』に。『非難』は『呆れ』に。『呆れ』は『見放し』に。
彼等は『自分で自分を変えようとしない奴』に付き合っていられないと私を見限った…変わりたくて変えようとしても変われないのに――」
「勝手な『教え』を説くだけ説いて『君には何を言っても無駄だ』とか言う奴か」
「…ハハ…やっぱレケンスも経験ありかぁ…」
「『自分は苦労して来た』と思い込んでる甘ちゃん達など相手にする事無い」
「もちろん!…それに落ち込む暇なんて無いくらいアス様が愛をドバドバ注いでくれたからね!…レケンスもそうだったでしょ」
レケンスは姉からミルクティーに視線を戻す。
「ふふ…アス様には一度も注意されたこと無いよ。私が『私なんか』って言うの一番聞いてるはずなのに…何も言わないでただただ愛を注いでくれた。『大切だよ』って…言葉だけじゃなくて…眼差しで、態度で、行動で伝え続けてくれた。…おかげで今の私はつよつよだよ。アス様に愛されてるんだもん、何も恐くない。
――レケンスもそうでしょ」
「…………」
「皇帝陛下と婚約されて…私の事もう忘れられちゃったかななんて思ってたらこうして気に掛けてくださって…やっぱりアス様だわ。変わらず愛を注いでくれる。
…けどそれは、愛の種類も変わらないってこと…アス様の私達への愛は家族愛」
「…………」
「…こっちへ戻って来なさいよ、レケンス…
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