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第一章
20 ベテルとギウス
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「「アル様! ご無事でよかったです!」」
ベテルとギウスの声に、我に返ります。
‥‥そっ、そうだ!
そうだった‥‥!!
「こっ、この、バカ双子~~~!!」
「アル様!僕達、やってやったよ!」
ニ‥‥ニコニコしてる!
つい今しがた、殺されかけたってのに!
あぁっ、もうっ、
この子達は~~~っ
ベテルとギウスは、栗色の巻き毛がカワイイ13才。
半年ほど前に僕が貧民街で見つけた子達です。
元は没落子爵家の3男、4男だったといいます。
彼等の親は容姿に優れた彼等を裕福な商人に売り渡しました。
彼等の13才の誕生日を待って、愛人として高値で売ったのです。
そのお金で他の家族は全員で国外へ消えたといいます。
双子は逃げました。
彼等を買った商人の変態プレイに耐えきれず。
と言っても行きつく先は知れています。
貧民街の一角に隠れ住みながら、体を売ってその日暮しをしていました。
2カ月が過ぎた頃、双子は変態商人に見つかってしまいました。
変態商人は見つけた途端、双子に殴りかかりました。
その時僕はデネブ様のお供で近くの通りにいました。
馬車の中でデネブ様が用事を終えるのを待っていたのですが。
貧民街の方からただならぬ気配を感じ、急ぎ駆けつけました。
そこで体の大きな大人が痩せた少年2人を殴っているのを見て震えました。
「やめろ」と叫んでも逆上中の変態商人の耳には届きません。
必死に変態商人の腕にすがり付き、双子から引き離そうとしたけれど。
思いっきり振り払われた勢いで道に倒れ込んでしまいました。
そこへ、用事を終えたデネブ様が僕を探して駆け付け ―――
その日、王都から商人が一人消えました ―――
(『殺すのはダメですよ』と言っておいたから、殺してはいないと‥‥)
ベテルとギウスは ”ドルチェ ”の寮に入り、見習いで働くことに。
愛人家業は危険な目に遭う事もある仕事です。
最低限身を守れるよう、魔力持ちでも使いこなせない内は愛人契約は結ばせません。
なので2人は、今は受付やその他雑用をしながら、魔力制御の訓練中なのです。
ベテルとギウスは揃って臆病で、だからこそ身を守る術に長けています。
危険な貧民街で2カ月も生き延びる事が出来たのはそのお陰でしょう。
その認識のせいで、僕は判断を誤ってしまいました。
彼等なら、不審人物が来ても上手く回避できるだろうと思い込んで‥‥
彼等を安全な場所に避難させるべきだったのに怠ってしまったのです。
僕は今、その事を息も苦しい程反省しています。
なのに、当の双子はキラキラニコニコしています?
‥‥殺されかけたって、分かっているんだよね!?
何で尻尾をブンブン振っているワンコみたいなんだ!?
‥‥説教だ!
ここは大人として、きちっと説教しなければ!
ベテルとギウスの声に、我に返ります。
‥‥そっ、そうだ!
そうだった‥‥!!
「こっ、この、バカ双子~~~!!」
「アル様!僕達、やってやったよ!」
ニ‥‥ニコニコしてる!
つい今しがた、殺されかけたってのに!
あぁっ、もうっ、
この子達は~~~っ
ベテルとギウスは、栗色の巻き毛がカワイイ13才。
半年ほど前に僕が貧民街で見つけた子達です。
元は没落子爵家の3男、4男だったといいます。
彼等の親は容姿に優れた彼等を裕福な商人に売り渡しました。
彼等の13才の誕生日を待って、愛人として高値で売ったのです。
そのお金で他の家族は全員で国外へ消えたといいます。
双子は逃げました。
彼等を買った商人の変態プレイに耐えきれず。
と言っても行きつく先は知れています。
貧民街の一角に隠れ住みながら、体を売ってその日暮しをしていました。
2カ月が過ぎた頃、双子は変態商人に見つかってしまいました。
変態商人は見つけた途端、双子に殴りかかりました。
その時僕はデネブ様のお供で近くの通りにいました。
馬車の中でデネブ様が用事を終えるのを待っていたのですが。
貧民街の方からただならぬ気配を感じ、急ぎ駆けつけました。
そこで体の大きな大人が痩せた少年2人を殴っているのを見て震えました。
「やめろ」と叫んでも逆上中の変態商人の耳には届きません。
必死に変態商人の腕にすがり付き、双子から引き離そうとしたけれど。
思いっきり振り払われた勢いで道に倒れ込んでしまいました。
そこへ、用事を終えたデネブ様が僕を探して駆け付け ―――
その日、王都から商人が一人消えました ―――
(『殺すのはダメですよ』と言っておいたから、殺してはいないと‥‥)
ベテルとギウスは ”ドルチェ ”の寮に入り、見習いで働くことに。
愛人家業は危険な目に遭う事もある仕事です。
最低限身を守れるよう、魔力持ちでも使いこなせない内は愛人契約は結ばせません。
なので2人は、今は受付やその他雑用をしながら、魔力制御の訓練中なのです。
ベテルとギウスは揃って臆病で、だからこそ身を守る術に長けています。
危険な貧民街で2カ月も生き延びる事が出来たのはそのお陰でしょう。
その認識のせいで、僕は判断を誤ってしまいました。
彼等なら、不審人物が来ても上手く回避できるだろうと思い込んで‥‥
彼等を安全な場所に避難させるべきだったのに怠ってしまったのです。
僕は今、その事を息も苦しい程反省しています。
なのに、当の双子はキラキラニコニコしています?
‥‥殺されかけたって、分かっているんだよね!?
何で尻尾をブンブン振っているワンコみたいなんだ!?
‥‥説教だ!
ここは大人として、きちっと説教しなければ!
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