束の間のアル《廃王子様は性欲ゼロなのに熱・愛・中！？》

第一章

42 前世様とおしゃべり？

【‥‥乱暴なんだね‥‥
愛を感じるけど、何故か不快だ‥‥】

”私 ”がボヤきます。
ちょ‥‥ボヤいてないで、謝ろうよう‥‥


「アルッ！
私達は今、大切な話の最中だろっ！」

は、はいぃっ！
デネブ様の仰る通りですっ


「そんな時にメイド相手にナンパとか、あり得ないぞっ！」

‥ですよねっ！
シリウス様が正しいですっ


【私の事も自分の事も思い出せもしないあなたに、何を言う権利が？】


「「 ッ！！ 」」

イケメン貴族たちをぐうの音も出ない状態にした”私 ”。
ドア付近にメイドさんが置いて行ったお茶セットでお茶を淹れます。
‥‥あれ？
僕と淹れ方が違う‥‥

（これは珍しい茶葉だからね。　これで淹れる時は、こうするといいんだよ‥‥）

！？　えッ！？
今、僕に答えてくれたの！？

（そうだよ。
私達は、本来一つのはずだから、おかしな事だけどね。）

本来一つのはず‥‥じゃあ、なぜこんな、別人格みたいに‥‥

（うん。　その事は、そこでお口をへの字にしているバカ二人と話そうか。）

え？‥‥あ‥‥
お口をへの字にしたデネブ様とシリウス様。
全く同じ表情でこちらを見ています。
叱られて拗ねているワンコですか‥‥
可愛過ぎるンですけど‥‥

（フッ‥‥だよね。
抱き締めて、滅茶苦茶にキスしたくなる‥‥）

‥‥‥‥


”私 ”と僕が同一なら、自分に対して思う事になってしまうんだけど‥‥
い‥‥色っぽ過ぎませんか？　”私 ”！！