194 / 217
第四章
11 古代魔道具、毒扇! 2
しおりを挟む
「ぎゃぁぁぁ~~~ッ!?」
「いやぁぁぁ~~~ッ!?」
「ぶほぉッ、ぶへぇッ!?」
扇から噴出された黒い霧を思いっきり浴びた三人‥‥
北宮の王妃と仲間たち(男爵夫人二名)は、パニック状態である。
「何でよッ!? 何で私達に毒がかかるのよッ!?」
「王妃陛下!? 向きを間違えたんじゃないの!?」
「それとも、その魔道具、壊れてんじゃないの!?」
「「「とにかく、いやぁ~~~!!」」」
騒ぎを聞きつけて、会場の警備にあたっている宮廷騎士達が集まって来る。
「こ、これは北宮の王妃陛下ッ!
大丈夫ですか!?
どこかお怪我は!?」
「見たところ、何も被害は無いようですが‥‥
一体、どうされたのですか!?」
「私だってワケが分かんないのよッ!
実家から持ってきた古代魔道具‥‥そう、このデカい扇よ!
この扇、全部開くと毒が噴射される仕組みなの!
それで、廃王子達とそのツレに毒を浴びせて痛い目見せてやろうとしたのに!
どういうワケか、私達に毒がかかっちゃったのよォ!
私、向きを間違えてなんていないわ!
一体、何がどうなっちゃってんのよォォ!?」
シィィ‥‥‥‥‥‥ン
「‥ハッ! つ、つまり王妃陛下は、禁止されている古代魔道具を使って、」
「臣籍降下されているとはいえ間違いなく王家の血を継いでいらっしゃる、」
「プロキオン公爵様とエリダヌス伯爵様とお連れの精霊王‥あ、アル様に、」
「「「毒を浴びせようとして自分で浴びてしまった、‥‥と!?」」」
宮廷騎士達は信じられない思いで訊ねる。
訊ねながらも、そんな事起こすはずはない、という思いなのだが‥‥
「そうよッ! そう言ってんでしょッ! バカなのッ!?」
「私達なんか、とんだとばっちりよ!」
「そうよね! 王妃陛下が三人に毒を吹きかけようなんて企むからこんな事に‥」
「はぁ? あんた達だってノリノリでさぁ、何なら生温いって感じだったよね?」
「そりゃあ最初は顔を焼け爛れさせるだけなんてつまんない、のたうち回る程苦しめて殺せばいいのにって思ったわよぉ?」
「だけど三人の顔見ちゃったら潰すなんて惜しいって思ってダメって言ったし!」
「‥‥あれ? でも私達、何ともなくない?」
「そう言えば‥‥スゴイ黒い霧にビックリしたけど、体は何ともないわね!」
「なぁんだ、やだ、ただのビックリ霧じゃん、宴会の、余興用のグッズじゃん!」
「「「アッハハハハハハ~~~、やった、助かったぁ!!」」」
彼女達を除く全員が気付いている。
彼女達が浴びた黒い霧は、自白剤の類だろうと。
「‥ハハハハ、ハァ、ハァ‥‥何か、体熱くない?」
「何かね、でも、いい気持ちよ!」
「ホントホント、‥‥クスクスッ、ププ~~ッ、何か、言いたくない?」
「言いたい! 私達がやった色々な、楽しい事!」
「ホラ、あの生意気な子爵令嬢が森の中で下半身血だらけにして死んでた事件、」
「あ~~~、あれねっ! 生意気なドレスをひん剥いて、飢えた男達の集団にぶん投げてやったヤツ!」
「笑った~~~! そのちょっと前にはさぁ、やたらイチャイチャしてたバカップルの、ぷぷぷッ」
「そうそう、女の前で男の方をゲイ集団に襲わせて、」
「あれ、男の方が自殺して、女が後を追ったんだっけ?」
「「「バカよね~~~」」」
「それよりさ、最高に傑作だったのは、学生の時の‥‥」
唖然としながらも、宮廷騎士達は口が止まらない三人の犯罪者達を連行していく。
だが‥‥
会場には、悲惨な死を遂げた子爵令嬢を今でも心から愛している侯爵子息が‥‥
婚約者の前で男達に集団レイプされ、自殺を遂げた令息の親である公爵夫妻が‥‥
手首を切り愛する婚約者の後を追った令嬢の家族である辺境伯一家が‥‥
瞬きもせずに立ち尽くしている。
全身に復讐の炎を纏いながら‥‥
「いやぁぁぁ~~~ッ!?」
「ぶほぉッ、ぶへぇッ!?」
扇から噴出された黒い霧を思いっきり浴びた三人‥‥
北宮の王妃と仲間たち(男爵夫人二名)は、パニック状態である。
「何でよッ!? 何で私達に毒がかかるのよッ!?」
「王妃陛下!? 向きを間違えたんじゃないの!?」
「それとも、その魔道具、壊れてんじゃないの!?」
「「「とにかく、いやぁ~~~!!」」」
騒ぎを聞きつけて、会場の警備にあたっている宮廷騎士達が集まって来る。
「こ、これは北宮の王妃陛下ッ!
大丈夫ですか!?
どこかお怪我は!?」
「見たところ、何も被害は無いようですが‥‥
一体、どうされたのですか!?」
「私だってワケが分かんないのよッ!
実家から持ってきた古代魔道具‥‥そう、このデカい扇よ!
この扇、全部開くと毒が噴射される仕組みなの!
それで、廃王子達とそのツレに毒を浴びせて痛い目見せてやろうとしたのに!
どういうワケか、私達に毒がかかっちゃったのよォ!
私、向きを間違えてなんていないわ!
一体、何がどうなっちゃってんのよォォ!?」
シィィ‥‥‥‥‥‥ン
「‥ハッ! つ、つまり王妃陛下は、禁止されている古代魔道具を使って、」
「臣籍降下されているとはいえ間違いなく王家の血を継いでいらっしゃる、」
「プロキオン公爵様とエリダヌス伯爵様とお連れの精霊王‥あ、アル様に、」
「「「毒を浴びせようとして自分で浴びてしまった、‥‥と!?」」」
宮廷騎士達は信じられない思いで訊ねる。
訊ねながらも、そんな事起こすはずはない、という思いなのだが‥‥
「そうよッ! そう言ってんでしょッ! バカなのッ!?」
「私達なんか、とんだとばっちりよ!」
「そうよね! 王妃陛下が三人に毒を吹きかけようなんて企むからこんな事に‥」
「はぁ? あんた達だってノリノリでさぁ、何なら生温いって感じだったよね?」
「そりゃあ最初は顔を焼け爛れさせるだけなんてつまんない、のたうち回る程苦しめて殺せばいいのにって思ったわよぉ?」
「だけど三人の顔見ちゃったら潰すなんて惜しいって思ってダメって言ったし!」
「‥‥あれ? でも私達、何ともなくない?」
「そう言えば‥‥スゴイ黒い霧にビックリしたけど、体は何ともないわね!」
「なぁんだ、やだ、ただのビックリ霧じゃん、宴会の、余興用のグッズじゃん!」
「「「アッハハハハハハ~~~、やった、助かったぁ!!」」」
彼女達を除く全員が気付いている。
彼女達が浴びた黒い霧は、自白剤の類だろうと。
「‥ハハハハ、ハァ、ハァ‥‥何か、体熱くない?」
「何かね、でも、いい気持ちよ!」
「ホントホント、‥‥クスクスッ、ププ~~ッ、何か、言いたくない?」
「言いたい! 私達がやった色々な、楽しい事!」
「ホラ、あの生意気な子爵令嬢が森の中で下半身血だらけにして死んでた事件、」
「あ~~~、あれねっ! 生意気なドレスをひん剥いて、飢えた男達の集団にぶん投げてやったヤツ!」
「笑った~~~! そのちょっと前にはさぁ、やたらイチャイチャしてたバカップルの、ぷぷぷッ」
「そうそう、女の前で男の方をゲイ集団に襲わせて、」
「あれ、男の方が自殺して、女が後を追ったんだっけ?」
「「「バカよね~~~」」」
「それよりさ、最高に傑作だったのは、学生の時の‥‥」
唖然としながらも、宮廷騎士達は口が止まらない三人の犯罪者達を連行していく。
だが‥‥
会場には、悲惨な死を遂げた子爵令嬢を今でも心から愛している侯爵子息が‥‥
婚約者の前で男達に集団レイプされ、自殺を遂げた令息の親である公爵夫妻が‥‥
手首を切り愛する婚約者の後を追った令嬢の家族である辺境伯一家が‥‥
瞬きもせずに立ち尽くしている。
全身に復讐の炎を纏いながら‥‥
0
あなたにおすすめの小説
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる