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2.はやる気持ち

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 頷くユリコを見て、男はてきぱきと段取りを進めていく。
連絡先を交換し、改めて事務所に行く日を決め、最後にユリコのアップと全身の写真を2.3枚撮って男は去って言った。
 あっという間の出来事に思えたが、20分程経っている事に気付き小走りで駅へ向かう。

 大学に着き、再び時計を見る。ギリギリだがなんとか間に合った。ユリコは教室に入り後ろの方の席にそっと座り、おもむろにノートと筆記用具、そして手帳を取り出した。手帳にはさっき貰ったばかりのピンとした名刺が挟まっている。ユリコは近くに友達がいないのを確認してからそっと名刺を見返した。

“丸井大介”
それが先程の男の名前だった。
「丸くて大きい」なんて、小太りで身体も目も大きく真ん丸なさっきの男にぴったりだ、とユリコは小さく笑う。
 裏面には簡易的な事務所の情報が載っていたが、ユリコはそれだけの情報では物足りず、携帯でホームページを検索した。
所属タレントとして顔写真が載っているのは20人程度で、どこかで見たことのあるような、ないような、いまいちピンと来ない面々が揃っていた。
 丸井が、大きい事務所ではない、と言っていた事を思い出す。
 興味本位で始めるのにはこれくらいの規模が丁度いいか、とユリコは自分自身を納得させる。

 講義の間に、ユリコはホームページの隅から隅までしっかりと目を通した。早く芸能活動をしたいと、はやる気持ちが高まる。
これから先、どんな楽しいことがあるのか。その日は何度も妄想を膨らませた。
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みんなの感想(1件)

関谷俊博
2016.08.12 関谷俊博

危ない! これは危ない!
続き楽しみにしています。

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