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運び屋SS集
【喫茶】まどろみの日常②
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【まどろみ】マスターの日常④
「啓介兄、聞いたぜ!」
昼時を過ぎた午後二時。瞬が店に入って来るなり俺の背を叩きながら話す。
「何を聞いたんですか~」
真由ちゃんが興味深々に瞬に聞く。
「啓介兄が『お見合い』するんだと!」
「えっ、ええ~っ!」
何で俺が見合いをするだけで、びっくり仰天するのか分からない。一応、俺にだって幸せになる権利がある筈だ!
「啓介兄と結婚する人は、どんな人なんだろ?」
「可哀想ですよぉ~マスターみたいな自己中男と結婚したら」
好き放題言っている二人に少しキレ掛ったが、心の広い俺は許してやった。
――見合い当日――
待ち合わせのホテルのレストランで、俺は込み上げる怒りと闘っていた。
『写真と違うじゃないか! どこをどう撮ればこんな別人になるんだ?!』
俺の怒りは先日の瞬達との会話迄及び、復讐を誓ったのだった。
それはまた、別の話し。
【まどろみ】マスターの日常⑤の1
前回のあらすじ。
俺は見合いをする事になったんだが、瞬の野郎が真由ちゃんにベラベラと喋ったおかげで、二人して言いたい方題言われた。
でも、まあ、この時は見合い写真の彼女が気に入ってたんで笑って許してやったんだが。
イザ見合い当日に本人に会った俺は、見合い写真との余りのギャップにあいつらに復讐を誓ったんだ――
「あっ、瞬か? 新作のケーキが出来上がったんだが。そうだな、今回のは今まで以上に旨い。俺の最高傑作だ! そうか、直ぐに来るんだろうな? おお、待ってるぞ!」
受話器を置いた俺は、込みあげる笑いと格闘していた。
マズイぞ、真由ちゃんにバレたら元も子もない。
「マスターいつの間に、新作を作ったんですかぁ~」
ギクッ、真由ちゃんは勘だけで生きてる様なものだからなぁ。瞬が来るまで、この真由ちゃんも騙さないと。
『フッフッフ……今日の俺はひと味違うぜ。ちゃんと対真由隠し兵器を用意してるんだからな』
啓介はすっかり復讐の鬼へと変貌を遂げていたのであった。
【まどろみ】マスターの日常⑤の2
しばらくして瞬が意気揚々とやって来てカウンターに座ると、目を輝かせて俺がケーキを出すのを見つめている。
フッフッフ……瞬よ、これでお前もイチコロだぜ。
その時だった。探偵が顔一杯に笑顔を張り付かせやって来たのは。
「いゃあ、マスターの新作だと聞いて居ても立ってもいられなくって……」
マズイ! 特製すぺしゃるケーキは一個しか作ってないのに。
「やあ、悪かったな。試作品だから先ずは瞬に味見して貰おうと思ってな。君にはチーズケーキで良いかな?」
すると探偵は凄くガッカリした顔をしてシュンとしてしまった。
それを見た瞬の奴は、有ろうことか自分のすぺしゃるグレートケーキを探偵に差し出しニッコリと笑って言った。
「良いから、お前が食いなよ。俺は何か腹の調子が悪いからさ」
俺は焦った! 何しろすぺしゃるグレートケーキには……
「良いのかい? じゃあ頂きます~」
すぺしゃるグレートケーキは探偵の口の中へと運ばれて行った。
嗚呼、探偵よ! 赦してくれとは言わないが、悪かったな……
「……?……?!……!!」
探偵の陶器の様に白く滑らかな肌が見るみる内に赤く染まっていく。
そして、近くに置いてあった紅茶の入ったカップを掴み、一気に流し込んだ!
「アッ、それわたしの!」
対真由隠し兵器である激辛スパイス入りダージリンティとすぺしゃるケーキとのWパンチだ。
時既に遅く探偵は白眼を剥いたかと思うと、スツールからゆっくりと倒れていった。
瞬が慌てて体を支えたので大事には致らなかったが、探偵の顔を見た瞬は俺に向かうなり、鬼の様な形相になって怒鳴った。
「やい! てめぇケーキに何を入れやがった?」
この瞬間に復讐は失敗に終わったのだった。
俺はコショウとハバネロ&ジョロキアの空瓶をそっとカウンターに置き、その場から立ち去ったのだった。
もちろん後から追い掛けて来た瞬にメチャクソ殴られたのは言うまでもない。
「啓介兄、聞いたぜ!」
昼時を過ぎた午後二時。瞬が店に入って来るなり俺の背を叩きながら話す。
「何を聞いたんですか~」
真由ちゃんが興味深々に瞬に聞く。
「啓介兄が『お見合い』するんだと!」
「えっ、ええ~っ!」
何で俺が見合いをするだけで、びっくり仰天するのか分からない。一応、俺にだって幸せになる権利がある筈だ!
「啓介兄と結婚する人は、どんな人なんだろ?」
「可哀想ですよぉ~マスターみたいな自己中男と結婚したら」
好き放題言っている二人に少しキレ掛ったが、心の広い俺は許してやった。
――見合い当日――
待ち合わせのホテルのレストランで、俺は込み上げる怒りと闘っていた。
『写真と違うじゃないか! どこをどう撮ればこんな別人になるんだ?!』
俺の怒りは先日の瞬達との会話迄及び、復讐を誓ったのだった。
それはまた、別の話し。
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前回のあらすじ。
俺は見合いをする事になったんだが、瞬の野郎が真由ちゃんにベラベラと喋ったおかげで、二人して言いたい方題言われた。
でも、まあ、この時は見合い写真の彼女が気に入ってたんで笑って許してやったんだが。
イザ見合い当日に本人に会った俺は、見合い写真との余りのギャップにあいつらに復讐を誓ったんだ――
「あっ、瞬か? 新作のケーキが出来上がったんだが。そうだな、今回のは今まで以上に旨い。俺の最高傑作だ! そうか、直ぐに来るんだろうな? おお、待ってるぞ!」
受話器を置いた俺は、込みあげる笑いと格闘していた。
マズイぞ、真由ちゃんにバレたら元も子もない。
「マスターいつの間に、新作を作ったんですかぁ~」
ギクッ、真由ちゃんは勘だけで生きてる様なものだからなぁ。瞬が来るまで、この真由ちゃんも騙さないと。
『フッフッフ……今日の俺はひと味違うぜ。ちゃんと対真由隠し兵器を用意してるんだからな』
啓介はすっかり復讐の鬼へと変貌を遂げていたのであった。
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しばらくして瞬が意気揚々とやって来てカウンターに座ると、目を輝かせて俺がケーキを出すのを見つめている。
フッフッフ……瞬よ、これでお前もイチコロだぜ。
その時だった。探偵が顔一杯に笑顔を張り付かせやって来たのは。
「いゃあ、マスターの新作だと聞いて居ても立ってもいられなくって……」
マズイ! 特製すぺしゃるケーキは一個しか作ってないのに。
「やあ、悪かったな。試作品だから先ずは瞬に味見して貰おうと思ってな。君にはチーズケーキで良いかな?」
すると探偵は凄くガッカリした顔をしてシュンとしてしまった。
それを見た瞬の奴は、有ろうことか自分のすぺしゃるグレートケーキを探偵に差し出しニッコリと笑って言った。
「良いから、お前が食いなよ。俺は何か腹の調子が悪いからさ」
俺は焦った! 何しろすぺしゃるグレートケーキには……
「良いのかい? じゃあ頂きます~」
すぺしゃるグレートケーキは探偵の口の中へと運ばれて行った。
嗚呼、探偵よ! 赦してくれとは言わないが、悪かったな……
「……?……?!……!!」
探偵の陶器の様に白く滑らかな肌が見るみる内に赤く染まっていく。
そして、近くに置いてあった紅茶の入ったカップを掴み、一気に流し込んだ!
「アッ、それわたしの!」
対真由隠し兵器である激辛スパイス入りダージリンティとすぺしゃるケーキとのWパンチだ。
時既に遅く探偵は白眼を剥いたかと思うと、スツールからゆっくりと倒れていった。
瞬が慌てて体を支えたので大事には致らなかったが、探偵の顔を見た瞬は俺に向かうなり、鬼の様な形相になって怒鳴った。
「やい! てめぇケーキに何を入れやがった?」
この瞬間に復讐は失敗に終わったのだった。
俺はコショウとハバネロ&ジョロキアの空瓶をそっとカウンターに置き、その場から立ち去ったのだった。
もちろん後から追い掛けて来た瞬にメチャクソ殴られたのは言うまでもない。
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