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一章
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それは禁じられた愛
僕が、同い年の腹違いの姉と初めて出会った日は、例年よりも残暑が厳しい九月の事だった。
じっとしてても汗が流れ落ちるのに、その子は長袖を着て、長い髪も伸ばしたまま手を入れてないみたいだった。
正直、僕は母親からネグレクトを受けていたであろう姉に、同情よりも嫌悪感を抱いていた。
父が手を引いて連れて来て、家政婦さんに渡すと言葉を掛けるでなく、ほっと溜め息をつく。
夕食には家政婦さんがお風呂に入れて、髪を梳き新しい洋服を着せて来た。
けど、半袖から折檻を受けたであろう痣や傷が見えた。
「あの女は、自分の娘になにをして来たんだろうね!」
祖母は吐き捨てる様にそう言うと父を見た。父は聞こえない風を装い食事を済ますと、何も言わず席を立った。
ずっと俯いたままだった姉が、顔を上げ父の背中をじっと見送る。
「今更、娘を引き取れだなんて、どういう了見なんだろ。これだから育ちの悪い娘は嫌なんだ。涼! 明日から稽古があるからね。家に居たけりゃ役に立ちな!」
「お祖母様! そんなキツイ言い方しなくても」
余りな言い様に、僕がお祖母様に抗議すると、涼は首を振り僕を見つめた。
「分かりました。よろしくお願いします」
まだ九歳だというのに、涙が溢れないように我慢する涼に同情とは違う好奇心を抱いた。
その感情が恋だと気が付くのに時間はかからなかった。
僕は半分だけ血の繋がった姉に恋をした。
僕が、同い年の腹違いの姉と初めて出会った日は、例年よりも残暑が厳しい九月の事だった。
じっとしてても汗が流れ落ちるのに、その子は長袖を着て、長い髪も伸ばしたまま手を入れてないみたいだった。
正直、僕は母親からネグレクトを受けていたであろう姉に、同情よりも嫌悪感を抱いていた。
父が手を引いて連れて来て、家政婦さんに渡すと言葉を掛けるでなく、ほっと溜め息をつく。
夕食には家政婦さんがお風呂に入れて、髪を梳き新しい洋服を着せて来た。
けど、半袖から折檻を受けたであろう痣や傷が見えた。
「あの女は、自分の娘になにをして来たんだろうね!」
祖母は吐き捨てる様にそう言うと父を見た。父は聞こえない風を装い食事を済ますと、何も言わず席を立った。
ずっと俯いたままだった姉が、顔を上げ父の背中をじっと見送る。
「今更、娘を引き取れだなんて、どういう了見なんだろ。これだから育ちの悪い娘は嫌なんだ。涼! 明日から稽古があるからね。家に居たけりゃ役に立ちな!」
「お祖母様! そんなキツイ言い方しなくても」
余りな言い様に、僕がお祖母様に抗議すると、涼は首を振り僕を見つめた。
「分かりました。よろしくお願いします」
まだ九歳だというのに、涙が溢れないように我慢する涼に同情とは違う好奇心を抱いた。
その感情が恋だと気が付くのに時間はかからなかった。
僕は半分だけ血の繋がった姉に恋をした。
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