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泡沫編
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朝学校で美海と会った日、家に帰って魔法使いの顔を見るなり話しを切り出した。弱っていく美海をこれ以上見ていられない。
「魔法使い、もう待てないよ。早くしないと美海が死んでしまう……」
「大分症状が進んでるみたいだね。リオン、君に重大な決断をして貰う時期に来たみたいだ」
初めて見る魔法使いの真剣な表情を見て、もう打つ手が無いと知り、胸が張り裂けそうだ。
「リオン……」
普段お調子者のセイヤが戸惑った顔でポツリと呟く。
「魔法使い、僕はどうなっても良いから美海を助けて、お願いします」
「前にも言ったけど、助けるのは私じゃなくて君なんだよ。次の満月までに彼女のハートを手に入れるか、君が海の泡になれば彼女は助かる」
「そんな、いくら何でも酷いじゃないか! 魔法使いなんだから、パパっと治してあげてよ」
セイヤの抗議に睨みつけて、他に手段は無いとキッパリ言った。
「彼女の口からリオン。いや、海斗の事を好きだと告白されれば美海の生命は助かるんだ」
「分かったよ魔法使い。満月まであと二十日、何とかしてみる。セイヤ、もし上手く行かなかったら美海に、あの少年が僕だと打ち明けるよ」
「なに、馬鹿な事言ってるんだリオン! そんな事したらお前が海の泡になっちまう……」
海の泡になるのは僕だって怖い。だけど、美海が死んでしまうのはそれ以上に恐ろしいと思った。
「魔法使い、もう待てないよ。早くしないと美海が死んでしまう……」
「大分症状が進んでるみたいだね。リオン、君に重大な決断をして貰う時期に来たみたいだ」
初めて見る魔法使いの真剣な表情を見て、もう打つ手が無いと知り、胸が張り裂けそうだ。
「リオン……」
普段お調子者のセイヤが戸惑った顔でポツリと呟く。
「魔法使い、僕はどうなっても良いから美海を助けて、お願いします」
「前にも言ったけど、助けるのは私じゃなくて君なんだよ。次の満月までに彼女のハートを手に入れるか、君が海の泡になれば彼女は助かる」
「そんな、いくら何でも酷いじゃないか! 魔法使いなんだから、パパっと治してあげてよ」
セイヤの抗議に睨みつけて、他に手段は無いとキッパリ言った。
「彼女の口からリオン。いや、海斗の事を好きだと告白されれば美海の生命は助かるんだ」
「分かったよ魔法使い。満月まであと二十日、何とかしてみる。セイヤ、もし上手く行かなかったら美海に、あの少年が僕だと打ち明けるよ」
「なに、馬鹿な事言ってるんだリオン! そんな事したらお前が海の泡になっちまう……」
海の泡になるのは僕だって怖い。だけど、美海が死んでしまうのはそれ以上に恐ろしいと思った。
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