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リアルって何?あんまり考えすぎると怖くなるんですけど神様!?
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まさかの、言葉が通じない事態が発生してからというもの。
俺は宿屋でこの原因を探るべく、必死に攻略本をめくっていた。
おかしい。
日本人が日本人のために作ったゲームだというのに、なぜいきなり違う言語などぶちこんできたのか。
あれか?「なんで違う大陸なのにふつーに言葉通じんだよ、どんだけ狭い世界なんだよ」とかいう何よりも現実性を優先する夢のないユーザーにでも合わせて制作したゲームだなどと言うのだろうか。
でもそんな注意書なんてチュートリアルにも書かれてなかったし、第一いたずらにプレイヤーにストレスを与えるだけだけではないか。
それにこのガッカリ感。まるでクリスマスにゲームをプレゼントしてもらったら、実は教育ソフトでした。みたいな失望感。
俺はまさに、リアルにこの絶望を味わっているのである。
でもそれにしたってこの大陸の言葉はおかしい。英語でもないし、フランス語でもない。まして中国語などでもない。
もしやこれはあれか?古代サンスクリット語とか古代ラテン語だとか。いやまさか。
このゲームのクリエイターは馬鹿か?いや賢すぎて馬鹿なのか?とにかく一般ピープルが理解できない言葉を持ち出すなんて愚の骨頂。まさか、それなりに売れているはずの、そこそこ人気のこのゲームでそんなことなどあり得ないだろう。
それともあれか?現実世界でのプレイ画面だと字幕でも出てくるのだろうか。
でもいかにここがゲーム内世界とはいえ、ここには字幕は表示されないようだし。
というか怖いけど。文字が急に空中に浮かんできたりするのは。
だとしても、この現象はなんなのだろうか。なぜ俺だけが言葉がわからなくて、女魔導士や司祭の男はわかるのか。
最初こそまたいつもの勇者いじめだと思っていた俺だったがどうやら違うらしい。というか、彼らは自分でも、なんでこの大陸の言葉が分かるのかが不思議なようだった。
だから、そんな困ったときは必殺チート、攻略本を隅から隅へと読みふけっていたのだけれど。
やっぱりおかしい。
この大陸の説明や地図、寄るべき場所など細かく書かれてはいるが言葉の説明などはない。
いや、そこまではまだいい。
何よりも一番おかしいのは、最終決戦の地、つまりはラスボスである魔王の待つダンジョンについてだとか、そもそもの魔王についての説明がないことだ。
……確かにいるんだよな?魔王。
うんマウンティペアでニアピンしたじゃないか。国王だって魔王と裏で手を組んでたって言ってたし。
しかし一応攻略本の名を持つものが、こんなに不完全でよいのだろうか。これに従って進んでいけば、うまい具合に魔王を倒して世界に平和が訪れるのではなかったか。
そしてあわよくば、俺がこの架空ゲームから現実世界に戻れるのではないのか!?
これはどういうことなんだよ、神様!!
そう思わず天を仰いだときに、ふと王道RPGで魔王と並ぶ重要な存在があることに気がついた。
そうだ、神。
神も存在するはずなのに、攻略本に書かれていないじゃないか。
それどころか俺は、「神の栄光を頂いた」なんとかって言う勇者なんだろう?
だけど俺はこの世界で神に会ったこともなければ、現実世界でプレイしてたときでさえ、神についてなにかがあったような記憶がない。
いくらレベルアップにかまけてストーリーを追っていなかったとはいえ……。
あれ、俺がプレイしてたゲーム、なんていうタイトルだったっけ。
神様にまつわるイベントなんか消化したっけかなと記憶をむりやり掘り起こしてみれば、そもそも何のゲーム世界に飛ばされたのかも分からなくなっている自分に気がついた。
北の大陸に来たから、という理由だけではない寒気が俺を襲う。
なんだか嫌な予感がする。
今踏みしめている大地が、まるで偽物でふわふわしたようなもののような。
いやたしかにここは偽物で架空の世界だけど、確かに俺は今ここにいるのだ。
俺の存在だけが唯一のリアルななずだ。
だからきっと大丈夫。俺は現実世界から来たリアルな人間なのだから。
俺はそう自分に言い聞かせると、落ち着いて一つ一つ思い出そうと努力する。
落とされたときに、なんで異世界ものにありがちなVRMMOじゃなくて、オンラインですらないふつーのRPGなんだよっ、と思った記憶があるからRPGなことは間違いない。
ストーリーはいたって王道、いかにもなテンプレ。
でも画像のクォリティーが高くて、キャラのイラストも好みだったし、何より安かったから暇潰しに中古ゲーム屋でこれを買ったんだ。
ストーリーより派手な戦闘シーンや美麗なグラフィックが売りだから、内容を覚えていないのも仕方ないだろう。
それであの日も俺は部屋にこもってプレイして、気がついたら剣を握りしめていて……。
だめだ、たいしこと思い出せない。
ひとえにこのゲームのストーリーが薄いのが問題じゃないか。
あげくプレイヤーをゲーム内に飛ばすだなんてとんだクソゲーだな、プンプン。
だけど考えて良かったこともある。
この不完全な攻略本と、実存のあやしい神様とやら。
攻略本のルートは次の村にいくよう案内しているが、このままこの指示通りに行くのも、なんだか得体の知れないものに踊らされているような気がして気持ち悪い。
どうせ言葉も分からないことだし、さっさと去ってしまった神の神子を追って、神に会うのも手かもしれない。
そう決めると俺は、戦略的撤退……つまり最初の地に戻ることに決めたのであった。
ああ、めんどくさ。
俺は宿屋でこの原因を探るべく、必死に攻略本をめくっていた。
おかしい。
日本人が日本人のために作ったゲームだというのに、なぜいきなり違う言語などぶちこんできたのか。
あれか?「なんで違う大陸なのにふつーに言葉通じんだよ、どんだけ狭い世界なんだよ」とかいう何よりも現実性を優先する夢のないユーザーにでも合わせて制作したゲームだなどと言うのだろうか。
でもそんな注意書なんてチュートリアルにも書かれてなかったし、第一いたずらにプレイヤーにストレスを与えるだけだけではないか。
それにこのガッカリ感。まるでクリスマスにゲームをプレゼントしてもらったら、実は教育ソフトでした。みたいな失望感。
俺はまさに、リアルにこの絶望を味わっているのである。
でもそれにしたってこの大陸の言葉はおかしい。英語でもないし、フランス語でもない。まして中国語などでもない。
もしやこれはあれか?古代サンスクリット語とか古代ラテン語だとか。いやまさか。
このゲームのクリエイターは馬鹿か?いや賢すぎて馬鹿なのか?とにかく一般ピープルが理解できない言葉を持ち出すなんて愚の骨頂。まさか、それなりに売れているはずの、そこそこ人気のこのゲームでそんなことなどあり得ないだろう。
それともあれか?現実世界でのプレイ画面だと字幕でも出てくるのだろうか。
でもいかにここがゲーム内世界とはいえ、ここには字幕は表示されないようだし。
というか怖いけど。文字が急に空中に浮かんできたりするのは。
だとしても、この現象はなんなのだろうか。なぜ俺だけが言葉がわからなくて、女魔導士や司祭の男はわかるのか。
最初こそまたいつもの勇者いじめだと思っていた俺だったがどうやら違うらしい。というか、彼らは自分でも、なんでこの大陸の言葉が分かるのかが不思議なようだった。
だから、そんな困ったときは必殺チート、攻略本を隅から隅へと読みふけっていたのだけれど。
やっぱりおかしい。
この大陸の説明や地図、寄るべき場所など細かく書かれてはいるが言葉の説明などはない。
いや、そこまではまだいい。
何よりも一番おかしいのは、最終決戦の地、つまりはラスボスである魔王の待つダンジョンについてだとか、そもそもの魔王についての説明がないことだ。
……確かにいるんだよな?魔王。
うんマウンティペアでニアピンしたじゃないか。国王だって魔王と裏で手を組んでたって言ってたし。
しかし一応攻略本の名を持つものが、こんなに不完全でよいのだろうか。これに従って進んでいけば、うまい具合に魔王を倒して世界に平和が訪れるのではなかったか。
そしてあわよくば、俺がこの架空ゲームから現実世界に戻れるのではないのか!?
これはどういうことなんだよ、神様!!
そう思わず天を仰いだときに、ふと王道RPGで魔王と並ぶ重要な存在があることに気がついた。
そうだ、神。
神も存在するはずなのに、攻略本に書かれていないじゃないか。
それどころか俺は、「神の栄光を頂いた」なんとかって言う勇者なんだろう?
だけど俺はこの世界で神に会ったこともなければ、現実世界でプレイしてたときでさえ、神についてなにかがあったような記憶がない。
いくらレベルアップにかまけてストーリーを追っていなかったとはいえ……。
あれ、俺がプレイしてたゲーム、なんていうタイトルだったっけ。
神様にまつわるイベントなんか消化したっけかなと記憶をむりやり掘り起こしてみれば、そもそも何のゲーム世界に飛ばされたのかも分からなくなっている自分に気がついた。
北の大陸に来たから、という理由だけではない寒気が俺を襲う。
なんだか嫌な予感がする。
今踏みしめている大地が、まるで偽物でふわふわしたようなもののような。
いやたしかにここは偽物で架空の世界だけど、確かに俺は今ここにいるのだ。
俺の存在だけが唯一のリアルななずだ。
だからきっと大丈夫。俺は現実世界から来たリアルな人間なのだから。
俺はそう自分に言い聞かせると、落ち着いて一つ一つ思い出そうと努力する。
落とされたときに、なんで異世界ものにありがちなVRMMOじゃなくて、オンラインですらないふつーのRPGなんだよっ、と思った記憶があるからRPGなことは間違いない。
ストーリーはいたって王道、いかにもなテンプレ。
でも画像のクォリティーが高くて、キャラのイラストも好みだったし、何より安かったから暇潰しに中古ゲーム屋でこれを買ったんだ。
ストーリーより派手な戦闘シーンや美麗なグラフィックが売りだから、内容を覚えていないのも仕方ないだろう。
それであの日も俺は部屋にこもってプレイして、気がついたら剣を握りしめていて……。
だめだ、たいしこと思い出せない。
ひとえにこのゲームのストーリーが薄いのが問題じゃないか。
あげくプレイヤーをゲーム内に飛ばすだなんてとんだクソゲーだな、プンプン。
だけど考えて良かったこともある。
この不完全な攻略本と、実存のあやしい神様とやら。
攻略本のルートは次の村にいくよう案内しているが、このままこの指示通りに行くのも、なんだか得体の知れないものに踊らされているような気がして気持ち悪い。
どうせ言葉も分からないことだし、さっさと去ってしまった神の神子を追って、神に会うのも手かもしれない。
そう決めると俺は、戦略的撤退……つまり最初の地に戻ることに決めたのであった。
ああ、めんどくさ。
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