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ひっそりレベルアップ!?努力しないでレベルが上がるなんて本当!?
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なんだかひどく胸騒ぎがする。
ーーそれは同じく現実世界からきた人間が、死にかけた様を目にしてしまったからだろうか。
いや、それだけではない気がする。
この世界の方が恐らく死に近い。
そりゃそうだろう。
勇者一行の旅で戦闘を避けることなどあり得ない。
というかそれじゃRPGとは名乗れまい。
そうだここはゲームの世界の中なのだから。
ならば普通、この勇者のようにチート能力でもない限り、安泰な世界に戻ることを願うのではないだろうか。
まして今の俺はなんの力も持たない幼い子供だ。
しかもなぜが女の子だ。
幼女と言っても過言ではない。
それに何度も断っているが、俺にそういう願望もない。
本当だ。信じてくれ。本当だから。
そんな状況だから、俺はあの苦しいブラック会社に戻ることだって厭わないはずなのに。
なんだか嫌な予感がするんだ。
現実に戻ってはいけない、と。
ああだから何度も言うけど、別に今幼女でいられるのが嬉しくて現実に戻りたくないとかじゃないからな!
本当に!!
はぁ。
でもこの世界で生き延びるには、どうやらレベルアップしなければならないということはよくわかった。
じゃないと俺はあいつの二の舞だ。
残念ながら、中身は販売員のあの優男と俺はモブキャラに等しい存在だ。
とてもじゃないがあの勇者一行のようにはいかない。
いかにパッとしないキャラとはいえ、さすがに勇者と旅してきただけある。
薄汚い司祭の男も、露出の多い魔道士の女も強い。
とても同じ人間とは思えない。
あと神の神子とか言う女も、得体が知れなくて怖い。
急に高笑いとかするんだもん……現実世界だったら即職質だろ。
基本的に戦闘になれば、勇者がほとんど敵を倒してくれる。
とはいえそれに安心しきっていると、運悪く流れ弾に当たって死にかける可能性もある。
というかあった。
だから敵の攻撃を受けても怪我をしない、という人間離れした力を得るべく、俺はレベルアップにいそしまなければならないわけであるのだが。
いや幼女がムキムキとか怖すぎんだろ!
うん、イメージというものは大切だからな。
それに今から努力したところで、勇者に近づける気もしない。
腕立てとかスクワットとかしてれば鍛えられる、そんな話とは次元が違うのだから。
そう思いあぐね、無駄な努力をしている販売員の男を横目にしながら。
日々増えてきた魔物と戦う勇者一行を、陰から見守る日々を過ごしたところ。
あれなんか、心なしか身体が軽くて力がみなぎってる気がするぞ!?
これってあれか?
とりあえず戦闘パーティーに入れておけば特になにもしていないのに不思議とレベルが上がるという、RPGによくあるやつなんじゃないのか!?
俺はこれでもゲーム関係者だ。
その俺でさえ常々不思議に思ってた謎システム。
必殺・イルダケデツヨクナール。
こいつなんでなにもしてないのに強くなってるんだろうなぁって思ってたんだけども。
実際途中参加する身としては非常に有り難いシステムではないか。
今まですみませんでした、ゲームバランス調整する係りの人。
よし、これで俺も戦える!
いつまでも守られてばかりのプリンセスじゃないんだぜ!
今こそ!
どこまでやれるか自分を試したいの!
俺は念のため護身用にと渡された剣を手に、勇者と対峙する魔物へと肉薄する!
「これでもくらえぇぇっ!」
カキーンっ!
魔物の急所を突く俺の剣!
を、いとも軽々はね除ける魔物の手!
そして俺に迫る魔物の放つ氷の刃!
「あんたなに自殺行為してんのよっ!」
俺を襲う氷の凶器を、女魔道士が放つ強力な炎が溶かし無力化する。
「お嬢ちゃんはおとなしくしてなさいっ!」
そういい放つとあっさりとこの女魔道士は氷の魔物を倒してしまった。
……うーん、強いな。
中身が男なぶん、女性に助けてもらうのはなんだか悔しい気もするが、俺はこういう強い女は嫌いじゃない。
……と言うかスタイルのいい女は大体好みであるけれども。
しかし今の俺は悲しいかな幼女だ。
とても彼女から恋愛対象として見てはもらえないだろう。
うん今の俺に熱視線を送ってくれたのは、街でうろうろしてた怪しいモブおじさんばっかりだったしな。
そこで俺はある日ふと見たアニメの主人公を思い浮かべる。
あれは男だったけど、確かクスリで身体が小さくなって、幼なじみのガールフレンドに子供扱いされながら一緒に風呂入ったり一緒のベットで寝たりするんだよな。
……。
よし、方向性は定まった。
あとは実行するのみだ!
「ありがとう、おねえちゃん!」
そういって俺は彼女のくびれたウエストに抱きついた。
「もう危ないことはするんじゃないわよ、お嬢ちゃん」
女魔道士が抱きつく俺の頭を優しく撫でる。
よし、案外この女は子供好きだったようだ。
俺は幼女としてのレベルが上がったのを感じた。
ーーそれは同じく現実世界からきた人間が、死にかけた様を目にしてしまったからだろうか。
いや、それだけではない気がする。
この世界の方が恐らく死に近い。
そりゃそうだろう。
勇者一行の旅で戦闘を避けることなどあり得ない。
というかそれじゃRPGとは名乗れまい。
そうだここはゲームの世界の中なのだから。
ならば普通、この勇者のようにチート能力でもない限り、安泰な世界に戻ることを願うのではないだろうか。
まして今の俺はなんの力も持たない幼い子供だ。
しかもなぜが女の子だ。
幼女と言っても過言ではない。
それに何度も断っているが、俺にそういう願望もない。
本当だ。信じてくれ。本当だから。
そんな状況だから、俺はあの苦しいブラック会社に戻ることだって厭わないはずなのに。
なんだか嫌な予感がするんだ。
現実に戻ってはいけない、と。
ああだから何度も言うけど、別に今幼女でいられるのが嬉しくて現実に戻りたくないとかじゃないからな!
本当に!!
はぁ。
でもこの世界で生き延びるには、どうやらレベルアップしなければならないということはよくわかった。
じゃないと俺はあいつの二の舞だ。
残念ながら、中身は販売員のあの優男と俺はモブキャラに等しい存在だ。
とてもじゃないがあの勇者一行のようにはいかない。
いかにパッとしないキャラとはいえ、さすがに勇者と旅してきただけある。
薄汚い司祭の男も、露出の多い魔道士の女も強い。
とても同じ人間とは思えない。
あと神の神子とか言う女も、得体が知れなくて怖い。
急に高笑いとかするんだもん……現実世界だったら即職質だろ。
基本的に戦闘になれば、勇者がほとんど敵を倒してくれる。
とはいえそれに安心しきっていると、運悪く流れ弾に当たって死にかける可能性もある。
というかあった。
だから敵の攻撃を受けても怪我をしない、という人間離れした力を得るべく、俺はレベルアップにいそしまなければならないわけであるのだが。
いや幼女がムキムキとか怖すぎんだろ!
うん、イメージというものは大切だからな。
それに今から努力したところで、勇者に近づける気もしない。
腕立てとかスクワットとかしてれば鍛えられる、そんな話とは次元が違うのだから。
そう思いあぐね、無駄な努力をしている販売員の男を横目にしながら。
日々増えてきた魔物と戦う勇者一行を、陰から見守る日々を過ごしたところ。
あれなんか、心なしか身体が軽くて力がみなぎってる気がするぞ!?
これってあれか?
とりあえず戦闘パーティーに入れておけば特になにもしていないのに不思議とレベルが上がるという、RPGによくあるやつなんじゃないのか!?
俺はこれでもゲーム関係者だ。
その俺でさえ常々不思議に思ってた謎システム。
必殺・イルダケデツヨクナール。
こいつなんでなにもしてないのに強くなってるんだろうなぁって思ってたんだけども。
実際途中参加する身としては非常に有り難いシステムではないか。
今まですみませんでした、ゲームバランス調整する係りの人。
よし、これで俺も戦える!
いつまでも守られてばかりのプリンセスじゃないんだぜ!
今こそ!
どこまでやれるか自分を試したいの!
俺は念のため護身用にと渡された剣を手に、勇者と対峙する魔物へと肉薄する!
「これでもくらえぇぇっ!」
カキーンっ!
魔物の急所を突く俺の剣!
を、いとも軽々はね除ける魔物の手!
そして俺に迫る魔物の放つ氷の刃!
「あんたなに自殺行為してんのよっ!」
俺を襲う氷の凶器を、女魔道士が放つ強力な炎が溶かし無力化する。
「お嬢ちゃんはおとなしくしてなさいっ!」
そういい放つとあっさりとこの女魔道士は氷の魔物を倒してしまった。
……うーん、強いな。
中身が男なぶん、女性に助けてもらうのはなんだか悔しい気もするが、俺はこういう強い女は嫌いじゃない。
……と言うかスタイルのいい女は大体好みであるけれども。
しかし今の俺は悲しいかな幼女だ。
とても彼女から恋愛対象として見てはもらえないだろう。
うん今の俺に熱視線を送ってくれたのは、街でうろうろしてた怪しいモブおじさんばっかりだったしな。
そこで俺はある日ふと見たアニメの主人公を思い浮かべる。
あれは男だったけど、確かクスリで身体が小さくなって、幼なじみのガールフレンドに子供扱いされながら一緒に風呂入ったり一緒のベットで寝たりするんだよな。
……。
よし、方向性は定まった。
あとは実行するのみだ!
「ありがとう、おねえちゃん!」
そういって俺は彼女のくびれたウエストに抱きついた。
「もう危ないことはするんじゃないわよ、お嬢ちゃん」
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よし、案外この女は子供好きだったようだ。
俺は幼女としてのレベルが上がったのを感じた。
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