悪い冗談

鷲野ユキ

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Era of Iron

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「さて、ここで問題です。あなたを殺したのは、誰でしょうか」
「なんとも、不快な謎解きだな」

 私の前で、白いポロシャツに身を包んだ男が身じろぎした。

「ずいぶんと悪趣味だな。実存する人間を、話の中で殺して楽しいか?」

 結城誠一は私を睨むと、手にしていた原稿の束を叩きつけるようにテーブルに置いた。
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