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モンブランの悪魔8
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SideT
俺はそれを持ち上げてマジマジと見た。
「……これって石だよな?」
なんの変哲も無い、どこにでもあるよくな丸みを帯びた黒い石ころ。これは、玉砂利ってやつだな。
一つの箱を除いて余すことなく、モンブランを入れる為に仕切られた区画毎に一つの玉砂利。
計九個づつ。
四つの箱のうち、一つの箱はなぜか石が八個しか入っておらず、真ん中が空席のような状態になっている。
「これもお前がやったんだろう?白状したらどうだ?ここまでこれを持ってきたのはお前だろ」
かなり横暴な物言いだ。一応俺は腰高の卒業生だし、年上なんだけどな。
まあ、昔から舐められやすいたちだからなれたんもんなんだけど。
「そうだけどよ。俺も愛華から持っていくようにって渡されただけなんだ」
嘘はついていない。演劇が終わった後、愛華から手渡された紙袋をそのままここまで持ってきただけなんだ。箱の中身についても、奏ちゃんが『モンブラン』だと言うまで知らなかったくらいだ。
「そんな戯れ言、誰が信じるかよ。盗まれたなんて言ってたけど、模型だってお前がどこかに隠しただけなんだろう?」
「席を外したのは悪かったけどよ、無くなったってのは本当なんだよ。俺は隠してもいなければ、触れてもねえんだ」
「だったらそれを証明できるのか?」
「それは……」
あの暗闇の中で、目撃者は望めない。
侵入者を防ぐために校舎の外側に監視カメラが設置されている可能性はあるだろうけど、校舎の中に監視カメラがあるとは思えない。
仮にあったとして、あの暗闇で機能するはずもない。
夜の海を撮ろうとして、スマホのカメラで何度も経験済みだ。
「できねえよなぁ!?」
拓真は声を張り上げる。クラスの女子生徒数人が驚いたのか、肩をビクつかせているのが見えた。
俺は反論することができず、苦笑いを浮かべる事しかできなかった。
「ちょっと待って」
そう言って俺と拓真の間に割って入ったののは里奈だった。
拓真は里奈を舐め回すように見たあと、何かに納得したように一つ頷いた。
「あーそういや今回の件でなんでも屋を連れてきたのは粟野だったな。こいつを庇うって事は粟野も共犯か」
拓真が里奈に一歩近づき、息が掛かりそうな距離から挑発をするようにそう告げる。
「ちが、私は━━━━」
里奈は否定しようとするもそれを拓真は許さない。
里奈の言葉を遮るように言った。
「違わねえだろ!」
近くで大きな声を出された里奈は目に涙をため、口を固く引き結んだ。
「ちょっとちょっと!立花くんはいいか、って黙って聞いてれば里奈ちゃんを責めるのなら私が許さないよ」
俺はいいのかよ!って心の中で突っ込んだ。なんせ俺が割って入れるような雰囲気でもなかったからな。
拓真は里奈の時と同じように奏ちゃんにも顔を寄せるが、そんな事で奏ちゃんは怯まない。
ニヤリと素敵な笑みを浮かべながら、言い放った。
「証明すればいいんでしょ?」
「証明?何を今更!みんなだってそう思っているよな!?」
拓真の言葉をクラスのみんなは否定はしない。
それを肯定と捉えた拓真は口角を上げてニヒルに笑う。
「甘いわね。私は里奈ちゃんを信じているし、一応立花くんの事も信じているわ。私が信じている無実をここに証明するのよ」
「一応かよ」
念の為突っ込んではみたけど、俺のセリフは華麗にスルーされる。
「何をどう証明するって言うんだよ!?」
奏ちゃんは不敵な笑みを浮かべ、挑発するように言ったのだ。
「うちにはお抱えの━━━━凄腕の探偵がいるの」
俺はそれを持ち上げてマジマジと見た。
「……これって石だよな?」
なんの変哲も無い、どこにでもあるよくな丸みを帯びた黒い石ころ。これは、玉砂利ってやつだな。
一つの箱を除いて余すことなく、モンブランを入れる為に仕切られた区画毎に一つの玉砂利。
計九個づつ。
四つの箱のうち、一つの箱はなぜか石が八個しか入っておらず、真ん中が空席のような状態になっている。
「これもお前がやったんだろう?白状したらどうだ?ここまでこれを持ってきたのはお前だろ」
かなり横暴な物言いだ。一応俺は腰高の卒業生だし、年上なんだけどな。
まあ、昔から舐められやすいたちだからなれたんもんなんだけど。
「そうだけどよ。俺も愛華から持っていくようにって渡されただけなんだ」
嘘はついていない。演劇が終わった後、愛華から手渡された紙袋をそのままここまで持ってきただけなんだ。箱の中身についても、奏ちゃんが『モンブラン』だと言うまで知らなかったくらいだ。
「そんな戯れ言、誰が信じるかよ。盗まれたなんて言ってたけど、模型だってお前がどこかに隠しただけなんだろう?」
「席を外したのは悪かったけどよ、無くなったってのは本当なんだよ。俺は隠してもいなければ、触れてもねえんだ」
「だったらそれを証明できるのか?」
「それは……」
あの暗闇の中で、目撃者は望めない。
侵入者を防ぐために校舎の外側に監視カメラが設置されている可能性はあるだろうけど、校舎の中に監視カメラがあるとは思えない。
仮にあったとして、あの暗闇で機能するはずもない。
夜の海を撮ろうとして、スマホのカメラで何度も経験済みだ。
「できねえよなぁ!?」
拓真は声を張り上げる。クラスの女子生徒数人が驚いたのか、肩をビクつかせているのが見えた。
俺は反論することができず、苦笑いを浮かべる事しかできなかった。
「ちょっと待って」
そう言って俺と拓真の間に割って入ったののは里奈だった。
拓真は里奈を舐め回すように見たあと、何かに納得したように一つ頷いた。
「あーそういや今回の件でなんでも屋を連れてきたのは粟野だったな。こいつを庇うって事は粟野も共犯か」
拓真が里奈に一歩近づき、息が掛かりそうな距離から挑発をするようにそう告げる。
「ちが、私は━━━━」
里奈は否定しようとするもそれを拓真は許さない。
里奈の言葉を遮るように言った。
「違わねえだろ!」
近くで大きな声を出された里奈は目に涙をため、口を固く引き結んだ。
「ちょっとちょっと!立花くんはいいか、って黙って聞いてれば里奈ちゃんを責めるのなら私が許さないよ」
俺はいいのかよ!って心の中で突っ込んだ。なんせ俺が割って入れるような雰囲気でもなかったからな。
拓真は里奈の時と同じように奏ちゃんにも顔を寄せるが、そんな事で奏ちゃんは怯まない。
ニヤリと素敵な笑みを浮かべながら、言い放った。
「証明すればいいんでしょ?」
「証明?何を今更!みんなだってそう思っているよな!?」
拓真の言葉をクラスのみんなは否定はしない。
それを肯定と捉えた拓真は口角を上げてニヒルに笑う。
「甘いわね。私は里奈ちゃんを信じているし、一応立花くんの事も信じているわ。私が信じている無実をここに証明するのよ」
「一応かよ」
念の為突っ込んではみたけど、俺のセリフは華麗にスルーされる。
「何をどう証明するって言うんだよ!?」
奏ちゃんは不敵な笑みを浮かべ、挑発するように言ったのだ。
「うちにはお抱えの━━━━凄腕の探偵がいるの」
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