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復讐編
ep11 仮説と不覚
しおりを挟む自分たちは十数分後
スーパーマーケット門田店の入り口に到着した
「結構綺麗に残ってるな…
とりあえず中に入ってみようぜ 」
慎重な足取りで先に進む楽斗が言う
勿論、異論は無いのだが
「ちょっと待って、 試したい事がある」
そう自分は二人に伝えて
一人進み入り口の窓ガラスを蹴破った
パリンッ……!
ガラスが割れて飛び散った音が辺りに響く
楽斗が焦った様子で
「お、おい誠っ!何してんだよ……!?」
その発言を無視する形にはなった
自分の中である推測が浮かんでいたのだ
男性を囲んで殺したゾンビも
学校に行くときに 走り抜いたゾンビも
美九のお母さんが変化したゾンビも
あの大柄で素早かったゾンビも
最初はウロウロしていたのに
人が近づくと何かに反応したかのように
こっちを襲ってくる
学校に着いたときは半信半疑だったけど
校舎の二階で闘った大柄ゾンビが
自分の挑発に乗ってきたことから確信した
その仮説の内容として
ゾンビは視覚ではなく聴覚が鋭いのではないか
自身の付近で音をたてた者を
排除しようとしている可能性が高い…といったものだ
この仮説を二人に伝えると
とりあえず二人は納得しているようだった
「ゾンビを外に出すため…
そしてその仮説が合ってるのかを
確認するために誠ちゃんはガラスを割ったんだ!」
「なるほどな~
そのうち奴らの嗅覚鋭さとかも調べないとな」
美九は種明かしを、
楽斗は感心しながら辺りを警戒していた
とりあえず自分はゾンビが 居たら出てくるから
後ろに下がって隠れるように提案した
ドシンッッ!!…
次の瞬間背後から嫌な音が聞こえて地面が揺れた
まるでトランポリンに乗っているかのように
( まさかっ……背後にっっ…!? )
すぐさま後ろを振り向くと
左足と右手だけ異様に太いゾンビが
自分に向かって丸太の様な右手を繰り出してきた
持っていた木刀を合わせなんとか防御したが
ドゴォッッ!! …
( コイツッ…… 重いっ……!! )
衝撃と共に自分は吹き飛ばされる
身体が宙に浮いて 制御 ができなくなるなか
ビキビキビキッ! ……
木刀から破裂音が聞こえたので自分は木刀に
亀裂が入ったことを理解した
ドジャアッ…………
「がっはっっ…… !」
そして身体はコンクリの壁にぶち当たる
その際に頭を打ってしまい視界が歪んで暗くなった
「先手を…取られたのか…?、、」
楽斗と美九が何かを叫んでいるのが
聞こえるなかで自分の意識は闇に落ちていった
~ ep11完 ~
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