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復讐編
ep13 勝利と旧友
しおりを挟む自分が気を失ったあと
楽斗たちは店から出てきたゾンビ達を
上手く誘導して
自分を吹っ飛ばしたあの大柄なゾンビの
妨害をさせていたらしい
周りを見ると
上半身と下半身がパックリ断たれている
ゾンビの亡骸が2~3体転がっていた
ほかにも
手や首が切断されているゾンビの亡骸もあった
それは楽斗が
自慢の刀で切ったんだろうと推測できる
そんなことを考えながら
俺は全速力で走りポケットの中の
折りたたみ式ナイフを取り出し
( 喰らえっ……!! )
素早く開き刃先を 親指 と 人差し指 で
挟み 大柄なゾンビに向かって投げた…
ヒュッ、、グジュ……!!
そのゾンビの目に入る
ゾンビが前かがみになって目を抑える…
( 視覚は… 奪えた、、? )
その間に距離を詰め、木刀を剣道でいう
上段の構えから一気に振り下ろす
木刀の先が奴の首辺りに触れた瞬間に
バギィッ!!、、
どうやら木刀が折れたようだ
そのまま右足を前にだして踏み込み
奴の左足と比べて 細い右足 を蹴った
ドガァッ!!、、
ゾンビは少しよろめくぐらいだった
( ……効果はないのか、、? )
蹴りが入ったとき、
地面とかコンクリとかとは違う
少し柔らかい感触が伝わり…
このゾンビもかつては人間だった
という考えを呼び覚ます…
( 体力的にも精神的にも…
あまり… 長くは戦えなさそうだ、、 )
ゾンビは細い左手で顔を抑えながら
太い右手を真上に上げて 垂直 に振り下ろし
地面に叩きつけるように攻撃してきた…
スドァアアン!!、、
「あぶねぇっ……!!
地面が衝撃で揺れているっ… !」
その時…大柄なゾンビが膝を地面につけた
やはりバランスが悪いと倒れやすくなる
それに奴のその攻撃は
「重心の移動が不安定なため
次の攻撃までにタイムラグがあるっ!… 」
今だっ…!!
でも今自分の武器は折れた木刀しかない
今が好機なのは変わらないのにっ…
( どうすればっ…… )
そう思ったとき
「やっと首が狙える高さになったぜっ…!!」
ズバァッッ………!!
楽斗の刀が ゾンビの首 にめり込む
その姿はまさに 時代劇とかでよくある
切腹の最後に首を飛ばす介錯の様だった
「首が太くて切れねえっ!誠っ!……」
楽斗がそう叫んだ
自分は考えるよりも先に走り出して
「ぁあああ"あ"あ"っ!!」
そう叫びながら
俺は奴の後ろに回り込んだ
筋繊維が悲鳴を上げている
奴の首にめり込んでいる楽斗の刀を蹴り上げ
残ってた全部の力を
蹴りにのせて 楽斗の刀 に伝えた
ドスッ!!………
大型ゾンビの首が飛んだ
その後奴はうつ伏せに倒れて痙攣していた
「よっしゃぁあああっ………!!」
楽斗が喜びのあまり叫んでいる
自分はそれを聞きながら倒れ込んだ
「誠ちゃんっ! 大丈夫…!?」
美九が側まで駆け寄って心配してくれるなか
楽斗がニヤケながら
「そんなんで
へばるよーなやつじゃないだろ? 」
そんな呑気や彼の挑発に
自分は一言。
「疲れた 」
そう言うのが精一杯だった
数分経ったあと
「こんなに
足がでけえから跳んでこれたんだろうな」
楽斗が納得したように
そのゾンビの死骸を覗き込みながら言う
いや、ゾンビは元々死んでいるんだっけ……?
まぁどうでもいっか
「怖かった、、
2人とも無事で本当に良かったっ…」
と美九も言っている
とりあえず 3人は店の中に入った
中にゾンビはいなかったから助かった
すると店の奥から 声 がした
「誠士郎、、?」
その声は何処かで聞き覚えがあった
3人は振り向くとそこには……
~ ep13完 ~
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