アレハタレドキ [彼は誰時]

えだまめ

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復讐編

ep26 先手と伝心

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20分程支度をしたあとに
自分はリュックに荷物をまとめ学校を出た

しばらく歩くと中山の家が見つかった
静かに忍び寄ると大きな窓があり
カーテンで中は見えないけどなんとか



電気が点いている事は確認できた



一旦下がり深呼吸する
そして空気を吐き出すと共に
全速力で走り窓に向かって飛び込むように 
蹴りを入れた…



パリンッ!!、、 



すると目の前には 
状況を理解できずにただ棒立ちする中山が
細い目を見開いて沈黙していた
そのまま自分は加速して木刀を振り下ろした



バギャアッ!!…



中山の顔面に木刀を叩きつけた
奴の前歯が折れて血と共に飛び散った
カランっと音を立てて落ちる


「ぐあああっ………!?ゔがっ……!!」


叫ぼうとした奴の口を素早く押さえて
大型ナイフを取り出し胸部に一度深く刺し込む



ジャグッ!!………



「ゔゔゔゔゔあ"あ"っ…………!!」


激痛に悲鳴を上げる彼を放って自分は
<次> を探そうとすると


「どうした中山ッ! ゾンビかッ………!?」


池口が丁度いいタイミングで階段を降りてきた
自分に気づいた池口は


「い、岩見…………!? 
お前がこれをやったのか!?!?………」


明らかに動揺していた
その姿が滑稽で思わず笑いそうになる



「殺人犯だッ… 今すぐ警察に……………!!」


まだこの世界の 秩序 に慣れていないのだろう 
慌ててスマホを取り出す彼に距離を詰めつつ


「警察……? この世界で??……
  一体何をほざいてんだよッッ…!! 」


元々喧嘩慣れしてしそうにない奴だった
棒立してる奴に接近して鼻先を潰すように殴った



バギィヤッッ……!!



「ギャア”ッ!!…………」


殴られた池口が吹っ飛んで背後の壁に当たり
鼻血が滝のように流れるなかそのまま座り込んだ
殴られ脳震盪を起こしたのか呼吸がかなり荒い


(やはり……見張ってただけの奴は弱い…… )


そう思いながら 
奴に接近し大型ナイフをベルトの鞘に納めたあと
塩酸のビンを取り出し蓋を開ける


「正直に答えろ 河島はどこだ?… 」


目を見開いて睨みつけながら訊くと
萎縮した池口は震えながら


「お前は河島には勝てない ………
  あいつは化け物だ……… 」


奴は震えた声で答えた
イラついた自分は奴の手に 塩酸 を少しかけた


「あ"ぁあ…!!……… 熱"い"熱"い"ッッ!…………」


「アイツみたいになりたいのか?…」


そう言って自分は
血だらけになり奥で倒れている中山の方を指す
限界が来たのか池口は青ざめて


「悪かった…
お前を虐めてたのは出来心だったんだ…
俺だって家で色々あって…………」


( 今更見苦しい謝罪か…
ほんと理不尽だよなぁ……この世界は……… )


自分は左手に持っている木刀を振り上げて
片手上段の構えをとりながら


「だから、、 河島の場所は…………?… 」


いちいちビビる奴に声を荒げてそう聞くと
我慢の限界だったのか池口は泣きながら


「か、河島は自分の家に戻ったんだッ…
ほ、本"当"だッ!………」

「頼むから俺の命だけはッッ………!! 」
 

必死に命乞いをして仲間を売る奴のその様………
過去と立場が真反対で笑いを堪えるのが苦しい
自分は笑って


「そっか、じゃあこれあげるよ 」


軽い口調でそう彼に伝えたあと
右手に持っていた瓶に入っている濃塩酸を
池口の顔に向かって半分ほどぶちまける



ジュウ"ウ"ウ"ウ"ッ……………!!



「いぎゃあああああっ!!…
 熱"い"熱"い"熱"い"熱"い"熱"い"ッッ!!…………」


悲痛の叫びを挙げジタバタ暴れている奴を
自分はただただぼんやりと眺めることにした
そして飽きてきた自分は室内を探し回ることにした
肉が焼ける匂いが鼻口を満たすなか思考を巡らす


(池口に悲鳴を挙げさせて
もっと獲物をおびき寄せようと考えていたけど…)


しかし 人影 は全くない
河島は本当に自身の家に戻ったようだった



「ここでやれることは……終わったようだね」



警戒しながら自分は侵入した窓の部屋に戻ると
池口は焼死体のような状態で死んでいた


( 肉が焼けたような匂いが部屋に充満していた
結構肺に悪そうな感じがする…… )


焦げ肉で作ったダルマのような池口の姿を
確認した後に再度窓から外に出ようとすると


ガツッ!………


血だらけで転がっていた中山に右足を掴まれた
ほとんど虫の息だった


「行"がせねえ"…………」


消え入りそうな声で呟いている
その無様な姿を見ながら愉悦しても楽しそうだが
時間が余りない為に止めた


「 まだ生きてたんだ 凄いね 」



バギィッ!!………



自分は掴んできた腕を空いている左足で踏みつけた
感触と音から奴の手首が折れたのはわかった
その音は他でもない奴らのおかげで脳に刻まれている
そしてソレを裏付けるように


中山の声にならない 悲鳴 が部屋に響いた


そうして自分は外に出て河島の家に向かった
かなりの復讐を果たせたが安堵してはならない




最終決戦はこれからなのだ……
待ってろよ…必ず屈辱と痛みを与えて殺してやる




~~~~~~~~~

中山side


あいつは本当に岩見なのか…
虐められても抵抗さえしなかった
あいつなのか?………


( まるで 別人 だったっ…
くそっ…………やられてしまった…………… )


砕かれた右腕と刺された腹と殴られた顔面が痛い…
池口も…殺されてしまったのか……?
俺は助かるのかさえ不明だが確定していることが


「あいつは…危険だ……………」


待てよ……?
口調からあいつは必死に 河島 を探していた
次の標的にする為に…待てよ……??

先に出ていった串間も前田が行方不明なのも
岩見に殺されたせいなのか………? 



河島……に伝えないとッッ………!!



俺は左手でスマホを取り出そうとした
酷い出血のせいなのか気持ち悪くて吐き気がする
視界が歪み徐々に呼吸がし辛くなってきた………


「い、急げ……………」


俺はは慣れない左手で 
河島のスマホに電話をかけコールが始まる


トゥルルルル、、トゥルルルル、、
トゥルルルル、、トゥルルルル、、



「なんで出ないんだよっ…………」


もうダメだと諦めかけたその時………


「どうした中山? 
俺がいない間に何かあったのか? 」


河島の声が聞こえた
声からして特に異状はないようだった


よしっ… 後は言うだけ………
そう覚悟を決めるが何故か声が出ない……



言えっ、、言えっ、、言えッッ……!!



そう思っても声の出し方を
忘れてしまったような感覚に襲われた


「なんだよダンマリか? 切るぞ?…… 」


少し苛つき始めたのか彼はそう言った
いきなり電話に応答したらシカトされるのだ
誰でも苛つくとは思うが無事で安心したのも事実だ
何故か少し勇気を貰えた気がする


「っ、、、、だ、、」


なんとか声が出た
ただ何一つ言いたいことは言えていない


「どうした中山?…… 何があった……?? 」


河島も俺の異変に気づいてくれたようだ
意識が遠のくなかで俺は精一杯息を吸ったあと
 


「岩、、見は、、、敵だッ… 」



全気力を使ってそう伝えた
掠れた声だったが河島も意図を汲み取ったのか



「そうか…………
仇は必ず俺が取ってやるッ………」



そう河島の声が静かにでも力強く耳に響いた
彼のスイッチが入った証拠だった


( 岩見、、先に逝って待ってるぞ…………)


お前は禁忌を犯したんだよ
そう思った瞬間に俺の視界が暗くなった 


~ ep26完 ~

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