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復讐編
ep30 戦況と拒絶
しおりを挟む自分は全速力で奴に向かって走った
奴との距離が5メートルを切った時に
奴は羽織っていた灰色のマントを
こちらに向かって投げた
(視覚を妨げたつもりか、、?)
自分は走りながらソレを手で払うと
目の前には奴の踵が振り上げられていた
(………踵落としか、、?)
奴が脚を振り下ろす動きがスローで見えた
そして…
バガッ!!…………
部屋の床がえぐれ木材の破片が飛び散った
身体を左に捻って間一髪で避けつつ
(喰らって……さっさと眠れっ……!! )
加速して奴に接近し大型ナイフを奴の首元に
添えるように当てたあと力を入れた
パシュッ、、!!
「入ったっ……… !! 」
確実に手応えを感じながら
そのまま奴の横を素通りするように走り抜けた
距離を取るため部屋の壁に張り付く
そしてすぐに振り向いて奴を確認したが
( な………マジかよ、、 )
奴は何事をなかったかのように歩き
自分は無視し倒れている河島の方へ向かっている
そして河島の胸ぐらを掴んで持ち上げていた
「異常に皮膚が分厚いのか、、?
まるでナイフの斬撃を効いてないようだ…」
そう呟きながらゆっくり歩く
微かに身体が震えているのを感じた
(今奴は自分に背を向けている…
それに河島に気を取られている、、)
チャンスだ………
そう考えた自分は
床に落ちていた河島のスタンガンを拾い
ゆっくりと奴に忍び寄ってソレを押し当てた
バチバチバチッ!!………
「グゴオオオッ、、、」
電撃は奴に有効だったのか悲鳴をあげている
すぐに河島を捨ててこっちに振り向いた
( ココからが勝負だっ…!! )
自分はそう思いながら身構えた瞬間…
奴の背後に何者かが現れた
バギンッ!!………
奴の後頭部にめがけ物凄い形相を浮かべた河島が
金属バットを振り下ろしていた
「せっかくっ……
黙って押されているフリをして
好機を伺ってたのな"ぁっ…!!」
奴はバランスを崩してグラついていた
自分は一旦距離を置くために後ずさりした
河島も自分の方に下がってくる
「おい岩見……
続きはコイツをぶっ殺してからだ…
最悪だが共同戦線と行こうぜっ………」
苦しいのか顔を歪める河島が提案してきた
何故かそれを見た自分は懐かしいものを感じた
確かに二人でやったほうが勝率は上がる
河島の提案は妥当に思えた
しかし
俺がコイツと組むのか……?
散々自分を惨めな目に遭わせてきた
コイツと組むのか……??
とういうより………
河島の注意は奴に向いている
今左手にある 大型ナイフ で刺せば
コイツの命は……………
そんな事を考えていると
奴が今度は腹を抱えるようにして
腕を交差させていた
(何をしているんだ、、??)
おそらく
河島も同じ事を思ったのだろう
結果的に自分が提案に無視したことよりも
奴の行動が気になっているようだった
いきなり奴が腹の少し上で交差させていた両腕を
思いっきりフリ放った
その瞬間に
「岩見っ!!…………」
そう叫ぶびながら河島は
素早く自分を奴から隠すような位置に走ってきた
自分はただそれを唖然として見ていた
ズズズズズッ!!……ドサッ…………
目の前で河島が倒れた
河島の行動の意図はすぐにわかった
自分を 何か から庇ってくれたのだ
河島の身体全体に複数のナイフが刺さり
体中が血だらけになってるのを見て実感した
なんだよ………これ…どういうことだよ…
説明しろよ… なあ!?…
予想していた状況と全く違ったので
自分は混乱してしまった
なんで…なんで………
「お前が俺を庇ってんだよっ……!?」
何度も何度も状況を整理したが
目の前で起こっていることが信じられなくて
ただ己の目を疑い困惑するのみだった
~ ep30完 ~
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