アレハタレドキ [彼は誰時]

えだまめ

文字の大きさ
72 / 89
餼羊編

ep11 取り引き

しおりを挟む


その黒い服装の男は 
サングラスに手をかけてソレを外した
外人なのか青い両目が現れ自分は少し驚いた


「そこに倒れている者のパートナー的存在だよ
君たちには迷惑をかけたね 」


奴は淡々と答えた
その答え方と妙な余裕にイラついて


「…………コイツを今お前の目の前で殺したら
お前はどうするんだ………? 」


気絶して横たわっているメアリーに
ポケットナイフを当てて脅すように聞くと


「 君たちは疲弊して傷だらけだ
これ以上無用な戦いはしたくないだろう?
よく考えて選択するのは君たちのほう………
違うかな……?  」


奴はベルトに付けているナイフに手を回し
物凄い形相でコチラを睨みつける


(要するに殺し返すのか………… )


身体は消耗し足元は未だにフラついている
戦えば間違いなく殺されるだろう
相手はあのメアリーのパートナーなのだ
戦闘慣れしていないはずがない


「その通りだけど…」
 

自身の実力不足が悔しくムカつくが堪えるべきだ
ここで選択をミスしたら死ぬのは我々なのだ
どうして生き残ったはずの自分達が……………
感情的になりどんどん思考回路が定まらなっていく
このままではマズいと危機感を持つが
正直、どうするべきなのかわからないのだ



「…結果的に勝ったのはこっちなんだから………
無償で返すわけには当然いかない…よな……? 」



なんとか楽斗がガードレールをつたって起き上がり
痛みに表情を歪ませながら言った


「楽斗……!! 大丈夫か…?? 」


「まぁ… なんとかなっ………
誠っ…しかし………それよりも………………… 」


どうにか意識は保てているようで自分は安心した
楽斗はそう応えて再度男に視線を戻した 


(彼の言うとおり先にコチラの話をつけないと…
一応我々は戦いの当事者だったのだから )



「なら取引しよう 」



男は呟いた後にナイフの柄から添えていた手を離す
それを聞いて少し動揺する自分に続けて


「何か1つ要求を聞くことにしよう
ソレと引き換えにな  」


こちら側で寝ているメアリーを指差し
さらにそう踏み込んでくる
側でリータは沈黙し楽斗は自分を見つめながら


「どうする……? 誠…………」


「うん… 乗ろう…………
そこの少女を殺してもこの男と闘う羽目になる
ソレだけは避けなければならない……… 」


横たわっている銀髪の少女に視線を移しながら
呟くように自分が答えると


「理解してもらえて嬉しいよ 」


男が嬉しそうに呟いた
イマイチ彼の狙いがわからないが確認するべきだ
自分は息を軽く吸って


「何でもって……… 
本当になんでも良いのですか? 」 


「常識の範囲内で………ならな 」


当然といえば当然の応えが返ってくる
暫く沈黙し長考することにした
楽斗は何か勘付いたのか


「誠… 何か考えがあるのか…………?」


「一応……ね
まぁ当然といえば当然な要求なんだけど……… 」


「なら任せる 俺はお前に従うぜ 」


そう言って楽斗は口を閉じた
自分に選択を委ねてくれたことを嬉しく思った 


(自分達は今……
圧倒的に足りない もの がある………)


ソレは武器でも兵器でもないもっと初歩的なもの…
さらにソレは何処で入手するのかさえ不明である



終焉の日を境に少しずつだが確実に 
この世界の裏の素性が現れ始めているのだ



初歩的なソレが無いからこそ
今回はここまで後手に回されたのだろう
そう今自分が欲しいものは…………



「傀儡者について貴方が知っていることを
全て話してもらえますか………? 」














勿論、情報である
この選択が最善手だったのかは今でも不明だが
思い出せば全てはココから始まったのだ
復讐劇を終えた自分にとっての第2幕……………



この世界には 第3勢力 が存在している



人間とゾンビが生存をかけて戦うこの世界に
どちらにも属さない精鋭の出現…………
前劇より遥かに荒れるのは想像するに容易かった


~ ep11完 ~


しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

復讐は、冷やして食すのが一番美味い

Yuito_Maru
ファンタジー
3度目の人生を生きるピオニー・レノドン。 1度目の人生は、愛した幼馴染と家族に裏切られ、無垢で無力のまま命を落とした。 2度目は、剣を磨き、王太子の婚約者となるも、1度目より惨めに死んでいった。 3度目は、微笑の裏で傭兵団を率い、冷たく復讐の刃を研ぐ。 狙うは、レノドン伯爵家、そして王家や腐った貴族たち。 「復讐とは、怒りを凍らせて成就する歪んだ喜びだ」――ピオニーは今、その意味を体現する。 ----- 外部サイトでも掲載を行っております

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃

ぜらちん黒糖
恋愛
​「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」 ​甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。 旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。 「それは本当に私の子供なのか?」

裏切者には神罰を

夜桜
恋愛
 幸せな生活は途端に終わりを告げた。  辺境伯令嬢フィリス・クラインは毒殺、暗殺、撲殺、絞殺、刺殺――あらゆる方法で婚約者の伯爵ハンスから命を狙われた。  けれど、フィリスは全てをある能力で神回避していた。  あまりの殺意に復讐を決め、ハンスを逆に地獄へ送る。

処理中です...