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prologue:積まれた書籍とタバコケース
ゴミ溜めの街
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その日、彼の地は明けない闇に包まれた。
超大型隕石、後に『ヒュージ』と名付けられるその巨石は、不幸なことに世界で最も発展していた都市を直撃。その威力は凄まじく、都市は完全壊滅。全ての命も、建造物や技術、歴史を含む無機物なにもかもを平等に消し去り、その後にはただ砂礫だけが遺った。
ヒュージ落下の衝撃によって起こった爆風は、全てを破壊し尽くしながら粉塵を天高く巻き上げていく。巻き上げられた粉塵は空を覆い尽くしながら滞留し、それによって彼の地は太陽光すらも届かない永遠の夜が支配した。ヒュージの与えた影響はそれだけに留まらず、世界の全ての生物の遺伝子を変異させていった。動植物はおおよそあり得ない瞬間的な同時多発的な突然変異をし、狂暴化したそれらを人々は魔獣と呼ぶようになる。その遺伝子を組み替える因子は、人類にも多大な影響を与え全人間はその瞬間以前の記憶が消滅、また不特定多数の人物にある変異をもたらしたと考えられられる。
後述する突然変異した人間、兵器運用が臨まれる、ここでは敢えて俗称を記すが彼ら『ブレ・・・・・・
「・・・・・・ってのが、この地を含める世界に史実として記され、語り継がれていることなわけだが。どうにも、腑に落ちねぇわな」
黒い靄が空を覆い尽くす。日の光をうっすらと感じるが、あまりにも弱弱しいその光は時間感覚すらをも容易に奪い去る。朝なのか、昼なのか、そもそもそれが太陽の光なのかさえももう定かでは無い。この地から自然の光が奪われて久しい。吹き抜ける風は、そこかしこから漂う腐敗臭を連れて砂礫の大地を駆け抜けていく。土埃も孕み、散り散りに点在するボロボロな小屋の隙間を縫い、いつもより少し涼しい風をその土地に運んでいく。
白衣を羽織ったまま、剥き出しの地面に寝ころぶ男は、ゆっくりと今しがた目を通していた一冊の書を閉じた。その本の内容は想起していた一説を含む歴史書とは異なるようだ。辺りを漂う腐敗臭は、本来であれば吐き気すらもよおす程の臭気ではあったが、その地では地面に寝ころぶことも、漂う腐敗臭すらも日常の一部になっていた。
廃墟と化した都市を忌み嫌い、周辺で生き残った人々はその地の復興などする気配もなく、足早に生まれ育った地から離れていった。そんな地にも僅かではあるが獣の食糧は残されていたようで、突然変異をした所謂魔獣が一時的にこの地を席巻した。しかしそれも束の間、新たな生命は実らず、残る餌すらも消え失せたそこからは魔獣すらも姿を消した。
その後を追うようにして、幾つものゴミがその地に不法に投棄される様になっていった。
元の名を厄災をもたらす忌み名とされ、呼ばれることも無くなったその地に、新たに名を付ける物好きなど現れるはずもない。いつしか自然とそこは土地名ではなく、ただその現状を風刺しただけの呼称として「ゴミ溜めの街」と呼ばれるようになる。いつからか棄てられた者、流れ着いた者、それ以外の思惑を抱えた者がそれぞれに生活をするようになっていったが、住まう者が現れようともそこがゴミ溜めであることに変わりは無かった。
超大型隕石、後に『ヒュージ』と名付けられるその巨石は、不幸なことに世界で最も発展していた都市を直撃。その威力は凄まじく、都市は完全壊滅。全ての命も、建造物や技術、歴史を含む無機物なにもかもを平等に消し去り、その後にはただ砂礫だけが遺った。
ヒュージ落下の衝撃によって起こった爆風は、全てを破壊し尽くしながら粉塵を天高く巻き上げていく。巻き上げられた粉塵は空を覆い尽くしながら滞留し、それによって彼の地は太陽光すらも届かない永遠の夜が支配した。ヒュージの与えた影響はそれだけに留まらず、世界の全ての生物の遺伝子を変異させていった。動植物はおおよそあり得ない瞬間的な同時多発的な突然変異をし、狂暴化したそれらを人々は魔獣と呼ぶようになる。その遺伝子を組み替える因子は、人類にも多大な影響を与え全人間はその瞬間以前の記憶が消滅、また不特定多数の人物にある変異をもたらしたと考えられられる。
後述する突然変異した人間、兵器運用が臨まれる、ここでは敢えて俗称を記すが彼ら『ブレ・・・・・・
「・・・・・・ってのが、この地を含める世界に史実として記され、語り継がれていることなわけだが。どうにも、腑に落ちねぇわな」
黒い靄が空を覆い尽くす。日の光をうっすらと感じるが、あまりにも弱弱しいその光は時間感覚すらをも容易に奪い去る。朝なのか、昼なのか、そもそもそれが太陽の光なのかさえももう定かでは無い。この地から自然の光が奪われて久しい。吹き抜ける風は、そこかしこから漂う腐敗臭を連れて砂礫の大地を駆け抜けていく。土埃も孕み、散り散りに点在するボロボロな小屋の隙間を縫い、いつもより少し涼しい風をその土地に運んでいく。
白衣を羽織ったまま、剥き出しの地面に寝ころぶ男は、ゆっくりと今しがた目を通していた一冊の書を閉じた。その本の内容は想起していた一説を含む歴史書とは異なるようだ。辺りを漂う腐敗臭は、本来であれば吐き気すらもよおす程の臭気ではあったが、その地では地面に寝ころぶことも、漂う腐敗臭すらも日常の一部になっていた。
廃墟と化した都市を忌み嫌い、周辺で生き残った人々はその地の復興などする気配もなく、足早に生まれ育った地から離れていった。そんな地にも僅かではあるが獣の食糧は残されていたようで、突然変異をした所謂魔獣が一時的にこの地を席巻した。しかしそれも束の間、新たな生命は実らず、残る餌すらも消え失せたそこからは魔獣すらも姿を消した。
その後を追うようにして、幾つものゴミがその地に不法に投棄される様になっていった。
元の名を厄災をもたらす忌み名とされ、呼ばれることも無くなったその地に、新たに名を付ける物好きなど現れるはずもない。いつしか自然とそこは土地名ではなく、ただその現状を風刺しただけの呼称として「ゴミ溜めの街」と呼ばれるようになる。いつからか棄てられた者、流れ着いた者、それ以外の思惑を抱えた者がそれぞれに生活をするようになっていったが、住まう者が現れようともそこがゴミ溜めであることに変わりは無かった。
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