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1話:森の都の外套技師
トラットリアのポタジュー_1
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石造りの壁に、食器の重なる乾いた音や、熱した鉄板で香ばしい臭いをたてながら耳にも響く調理音がこだましている。店の中は厨房を見ることができるつくりになっていて、年配のシェフと若奥さんが2人で店を回している様だ。
「おい、さっきも言ったがオレ達はほとんど金は持ってないぞ?」
「分かってるって、安心してくれよ」
4組ほどしか入れない、少し狭い空間にではあったものの、座席はすべて埋まっている。客層は豊かで家族で過ごしたり、まだ関係の深く成り切れていない恋人、老夫婦も食事を楽しんでいた。
「いらっしゃいませ、ロウマン・トラットリアへようこそ! いつも贔屓にしてくれてありがとうべワタナベさん」
「おう、相変わらず綺麗だねセイラちゃん」
「うふふ、お上手ね。でも、びた一文まけないわよ」
大きな花柄のエプロン、清潔感の漂う髪型に服装。なにより、絶えず客に向けてふりまかれる笑顔が素敵な女性だった。セイラは手に持っていた、手書きで何かが書かれた紙を足高の丸テーブルの真ん中に置いて広げる。
「お客さんは初めてよね?リンクタウンへは観光かしら?」
「そんなところだね」
「お嬢さんもこんばんは」
「・・・・・・」
セイラは飛び切りの笑顔を見せながら、机に俯いているネオンの顔を覗き込んだが、ネオンは反応すらしない。セイラは目をぱちぱちとして、最後ににこっと笑顔を見せて、また背筋を立て直すのだった。
「かるぱっちょ? ぼごれびあんか? みねすと、ろーね?」
「あら、ブリティア料理は初めて? そうね、だったら薄く伸ばした生地に果実で作ったソースを敷いて、その上に色んな野菜を乗せて竈で焼く『ピツァー』はいかがかしら?」
「ここのおやじのピツァーは絶品で、美食家に勧めるならこの店だな」
「ほおー、それは楽しみだな。後は、ネオンが食べられそうな物は・・・・・・」
シドは読んでもどんな料理か分からないメニューに目を落とすが、そもそもそこに書かれている料理を知らないので選べるわけも無かった。道中で食べた物と言えば、野性の果実やキノコや野草、後は保存食にしておいたルーザとの取引で得た何かの肉の燻製くらいだった。ネオンはどれも躊躇なく口に入れていたが、「おいしい」という感想を聞いたことはなかったし、何かそういった反応も見られなかった。シドは自分事の様に悩んで、うんうんと唸り始める。
セイラは顎に指を当てて、目だけ天上を向き、少し考えると何かをひらめいた様だ。
「あなたはどれが食べたい? 他のお客さんのテーブルに気になる料理とかないかな?」
セイラはネオンの肩を持って、他のお客さん達の席の方へ身体を向けた。髪の毛で隠れてはいたが、ネオンの前髪がネオンの視線が動くのに合わせて僅かに揺れていた。そんな様子を見てセイラは嬉しそうに笑っていた。ネオンが家族連れの席に目を向けた時、ネオンよりも5歳ほど幼い女の子が、ポタージュを飲んでいた。器からは白い湯気がまだ微かにたっていて、銀製の先がお椀の様になっている食器で掬うと、頬を大きく膨らませながら一生懸命に息を「ふーふー」と吹きかけていた。ネオンはシドの肘親指と人差し指でつまんで、クイクイと引っ張る。
「ん? ああ、あの女の子が飲んでいるスープが良いのか?」
ネオンは隣に居たシドでなければ見逃してしまうくらい、ほんの小さく頷く。シドは、優しく笑って、セイラに注文を通す。
「あの子が飲んでいるスープもお願いします」
「はい、ピツァーとアメイモのポタジューですね。少々お待ちくださいな」
セイラは持っていたメモに注文した料理名を書くと、シド達の座っていたテーブルの端にあった、筒状の上部が切り取られたオブジェに、書き終わったメモをくるっと丸めて差す。そして、パタパタと小走りで厨房の方へ入っていき、料理を作っているシェフに、先ほど注文した料理を声に出して伝えて、そのまま自分も調理に取り掛かるのだった。
「すごいな、料理を作ること、食べることに関係ないというのに隅々まで掃除が行き渡っていて、おおよそ必要性の感じないオブジェまで置いている」
「いや、あの街の出身とは言え凄い言い方だな。調理にも食事にも直接関係していないことだから、拘っているんだよ」
「どういうことだ?」
ワタナベはにっと口角を上げて、テーブルを指さした。ネオンはまだ、あの女の子を見ている。
「このテーブルは、あの仏頂面のおやじの手作りでな。優しい木の香りがする、多少なりとも値の張る木材を加工して作っている。木目まで拘っているから、どうだいこれは只の丸く切られた木材じゃない。この空間を彩る一つの要素になっている。そう感じないかい?」
「・・・・・・まあ、言わんとしていることが分からないでも無いが」
「お兄さんが『おおよそ必要ない』と言った物全てが、この店の料理を引きたてつつ、ここを訪れるお客に一時の憩いを与えているのさ。だからこの店は、おやじはぶすったれて愛想が無くても、セイラちゃんの笑顔と、この店の雰囲気、そして確かな味で誰からも愛されているのさ」
少しも客の方を見もせずに一心不乱に調理に没頭するシェフ。そのシェフににこにこと話しかけたり、客に話しかけられては一旦手を止めて話を聞くセイラ。使われていない空間には、入れようと思えばまだテーブルを追加することもできるが、手狭な店内だからこそ客一人一人のスペースの確保にまでこだわった手作りの家具と、計算された配置。どんな場所でどんな状況であろうと、食べ物を手に入れれば胃に収めるということだけを繰り返していたシドにとっては、無駄なそれらが無意識に感じている穏やかさに強く影響している気がしてシドは言う。
「正直よく分かんねぇってのが本音だが、この店が誰からも愛されているってのは、疑いようもないよな」
スープを必死で口にする女の子と、皿の端に避けた緑の野菜を食べるように叱る父親と、そんな3人を笑顔で優しく見守る母親。必死で話題を探して、無言の時間をつくらない様にするあまり頼んだ料理が覚めてしまっている青年と、食器を手にして切り分けた肉を何度か口に運ぼうとするも彼の一生懸命な姿に遠慮してしまっている女性。2人で一皿の料理を真ん中にして、取り分け皿に少しずつ移して無言で食事を楽しんでいる老夫婦。どのテーブルからも、穏やかな空気と鼻をくすぐる料理の香りが漂っていた。
「そういえば、世界樹の上に建っているあの馬鹿デカい城なんだが」
「ああ、鎖城伯だな」
「さじょうはく?」
「おい、さっきも言ったがオレ達はほとんど金は持ってないぞ?」
「分かってるって、安心してくれよ」
4組ほどしか入れない、少し狭い空間にではあったものの、座席はすべて埋まっている。客層は豊かで家族で過ごしたり、まだ関係の深く成り切れていない恋人、老夫婦も食事を楽しんでいた。
「いらっしゃいませ、ロウマン・トラットリアへようこそ! いつも贔屓にしてくれてありがとうべワタナベさん」
「おう、相変わらず綺麗だねセイラちゃん」
「うふふ、お上手ね。でも、びた一文まけないわよ」
大きな花柄のエプロン、清潔感の漂う髪型に服装。なにより、絶えず客に向けてふりまかれる笑顔が素敵な女性だった。セイラは手に持っていた、手書きで何かが書かれた紙を足高の丸テーブルの真ん中に置いて広げる。
「お客さんは初めてよね?リンクタウンへは観光かしら?」
「そんなところだね」
「お嬢さんもこんばんは」
「・・・・・・」
セイラは飛び切りの笑顔を見せながら、机に俯いているネオンの顔を覗き込んだが、ネオンは反応すらしない。セイラは目をぱちぱちとして、最後ににこっと笑顔を見せて、また背筋を立て直すのだった。
「かるぱっちょ? ぼごれびあんか? みねすと、ろーね?」
「あら、ブリティア料理は初めて? そうね、だったら薄く伸ばした生地に果実で作ったソースを敷いて、その上に色んな野菜を乗せて竈で焼く『ピツァー』はいかがかしら?」
「ここのおやじのピツァーは絶品で、美食家に勧めるならこの店だな」
「ほおー、それは楽しみだな。後は、ネオンが食べられそうな物は・・・・・・」
シドは読んでもどんな料理か分からないメニューに目を落とすが、そもそもそこに書かれている料理を知らないので選べるわけも無かった。道中で食べた物と言えば、野性の果実やキノコや野草、後は保存食にしておいたルーザとの取引で得た何かの肉の燻製くらいだった。ネオンはどれも躊躇なく口に入れていたが、「おいしい」という感想を聞いたことはなかったし、何かそういった反応も見られなかった。シドは自分事の様に悩んで、うんうんと唸り始める。
セイラは顎に指を当てて、目だけ天上を向き、少し考えると何かをひらめいた様だ。
「あなたはどれが食べたい? 他のお客さんのテーブルに気になる料理とかないかな?」
セイラはネオンの肩を持って、他のお客さん達の席の方へ身体を向けた。髪の毛で隠れてはいたが、ネオンの前髪がネオンの視線が動くのに合わせて僅かに揺れていた。そんな様子を見てセイラは嬉しそうに笑っていた。ネオンが家族連れの席に目を向けた時、ネオンよりも5歳ほど幼い女の子が、ポタージュを飲んでいた。器からは白い湯気がまだ微かにたっていて、銀製の先がお椀の様になっている食器で掬うと、頬を大きく膨らませながら一生懸命に息を「ふーふー」と吹きかけていた。ネオンはシドの肘親指と人差し指でつまんで、クイクイと引っ張る。
「ん? ああ、あの女の子が飲んでいるスープが良いのか?」
ネオンは隣に居たシドでなければ見逃してしまうくらい、ほんの小さく頷く。シドは、優しく笑って、セイラに注文を通す。
「あの子が飲んでいるスープもお願いします」
「はい、ピツァーとアメイモのポタジューですね。少々お待ちくださいな」
セイラは持っていたメモに注文した料理名を書くと、シド達の座っていたテーブルの端にあった、筒状の上部が切り取られたオブジェに、書き終わったメモをくるっと丸めて差す。そして、パタパタと小走りで厨房の方へ入っていき、料理を作っているシェフに、先ほど注文した料理を声に出して伝えて、そのまま自分も調理に取り掛かるのだった。
「すごいな、料理を作ること、食べることに関係ないというのに隅々まで掃除が行き渡っていて、おおよそ必要性の感じないオブジェまで置いている」
「いや、あの街の出身とは言え凄い言い方だな。調理にも食事にも直接関係していないことだから、拘っているんだよ」
「どういうことだ?」
ワタナベはにっと口角を上げて、テーブルを指さした。ネオンはまだ、あの女の子を見ている。
「このテーブルは、あの仏頂面のおやじの手作りでな。優しい木の香りがする、多少なりとも値の張る木材を加工して作っている。木目まで拘っているから、どうだいこれは只の丸く切られた木材じゃない。この空間を彩る一つの要素になっている。そう感じないかい?」
「・・・・・・まあ、言わんとしていることが分からないでも無いが」
「お兄さんが『おおよそ必要ない』と言った物全てが、この店の料理を引きたてつつ、ここを訪れるお客に一時の憩いを与えているのさ。だからこの店は、おやじはぶすったれて愛想が無くても、セイラちゃんの笑顔と、この店の雰囲気、そして確かな味で誰からも愛されているのさ」
少しも客の方を見もせずに一心不乱に調理に没頭するシェフ。そのシェフににこにこと話しかけたり、客に話しかけられては一旦手を止めて話を聞くセイラ。使われていない空間には、入れようと思えばまだテーブルを追加することもできるが、手狭な店内だからこそ客一人一人のスペースの確保にまでこだわった手作りの家具と、計算された配置。どんな場所でどんな状況であろうと、食べ物を手に入れれば胃に収めるということだけを繰り返していたシドにとっては、無駄なそれらが無意識に感じている穏やかさに強く影響している気がしてシドは言う。
「正直よく分かんねぇってのが本音だが、この店が誰からも愛されているってのは、疑いようもないよな」
スープを必死で口にする女の子と、皿の端に避けた緑の野菜を食べるように叱る父親と、そんな3人を笑顔で優しく見守る母親。必死で話題を探して、無言の時間をつくらない様にするあまり頼んだ料理が覚めてしまっている青年と、食器を手にして切り分けた肉を何度か口に運ぼうとするも彼の一生懸命な姿に遠慮してしまっている女性。2人で一皿の料理を真ん中にして、取り分け皿に少しずつ移して無言で食事を楽しんでいる老夫婦。どのテーブルからも、穏やかな空気と鼻をくすぐる料理の香りが漂っていた。
「そういえば、世界樹の上に建っているあの馬鹿デカい城なんだが」
「ああ、鎖城伯だな」
「さじょうはく?」
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