1 / 2
夢見るゾンビ
しおりを挟む
皆さんはゾンビと聞いて何を思い浮かべるだろうか、汚い・臭い・狂暴・死人?など様々な事を思い浮かべると思うが、大半がマイナスな意見だろう。
しかし、ゾンビもなりたくてなったわけではない。腐った体は動かすのが辛いし、何より回りから嫌煙される。
我々だって、皆と仲良くなりたい!仕事終わりに一杯飲んだりしてみたい!だがそれは叶えるのが難しい夢だった…ちなみにゾンビは飲食しない。
我々は個々の意識のはあまりなく集合体の意識で行動しており皆と仲良くしたい!という意識は、我々全員の総意なのである。
ゾンビの中でも稀少な種類である我々は全身がヌルヌルとしおり、ヌルッとしたゾンビと呼ばれており、西のオーレレマレ大陸にある、どろどろ沼地を中心に棲息している。
通常のゾンビですら嫌煙されているのに…ヌルッとしたゾンビへの対応など言うまでもない。
どろどろ沼地の近くには人間が暮らす街があるが、我々は街に近寄る事を許されていない。
「ヌルッとしたゾンビお断り!!」
※ヌメリで滑って転倒する者多数
「ヌルッとしたゾンビ入店拒否!!」
※商品がヌルヌルになって販売できません!
一ヌルッとしたゾンビはお帰りください一
街の入り口には看板が建てられている…
どんなに我々が近づきたい、仲良くしたいと思っても許されず…我々はどろどろ沼地へと戻るしかなかった。
我々が住む、どろどろ沼地は日が差さず常にじめじめとしていて、臭気が酷く鼻がいい者であれば1キロからであっても顔をしかめる…
しかし、そんなどろどろ沼地には多種多様な沼地がありその種類の多さはちょっとした自慢である。
単純に、どろどろもあれば、ちょっとサラサラ、もっとどろどろ…毒沼、酸の沼、沼温泉…底なし…
などなど、沼地の遊園地状態であり我々ヌルッとしたゾンビはたまに、どろどろ、たまに毒、沼地温泉と…沼地を堪能しまくりだ。
きっと皆も来たらこの沼地の楽しさをわかってくれるはずなのに、ここに訪れるものは皆無である…。
もう、我々はこの沼地から出ることなく生涯ここで生きていく…そうあきらめかけた時
沼地にひとりの人間が訪れたのだ!
その人間は、息をするのもやっと…といった風で今にも倒れてしまいそうだった。
我々は初めての来訪者に歓喜し、仲間総出で出迎えた!
すると、どうした事だろう、その人間は我々に攻撃してきたのである!
突然出てきたゾンビにきっと驚いたんだろう。
少し冷静になるのを、攻撃を避けながら待つことにした。
我々ゾンビは例え攻撃され五体がバラバラになろうとも別に死にはしないのである。バラバラになっても後でつないで、しばらくすれば自然と元の状態に戻る。
リカバリーという特性を持っている。
そのうちに人間が力尽き、その場に倒れ…つぶやいいた。
「母さん。ごめんよ…ゴホッ…ゴホッ…沼地の光花は見つけられなかった…」
どうやら。この人間はヒカリバナというものを取りに来たらしい…ヒカリ…光る?花?
あれだろうか、毒沼の向こうに確かキラキラ輝く花があったはずだ、我々ヌルッとしたゾンビの数少ない、いこいの場でもある。人間は今にも死んでしまいそうだ…そうだ。とってきてやろう。
キラキラ輝く花を取ってきてやり、人間に渡してみると…人間はなんと花びらを食べた!
腹が減っていたのだろうか?我々は食事が必要ないので失念していたが、来訪者をもてなすのに何か食べ物が必要かもしれない。
花びらを食べた人間は先程まで死にそうな顔色が、みるみる血色を取り戻した、そのままムクリと起き上がると花を握りしめたまま、我々を呆然と見てきた…
すると人間は突然泣き出したのだ!
その姿を見て、無いはずの心臓がドキドキした!やはり人間は我々に特別なものを与えてくれる存在だ!この感情がきっと「トキメキ」というやつなのではないか!と腐った脳で考える。
しかしなぜだ、我々は人間になにかしてしまったのだろうか…??不思議に見ていると
「うっ…ぐす、あ、ありがどう…この光花には強い毒消しの作用があって、僕は沼地の毒で死ぬところだったのが、花のおかげで助かった…母の病気の薬にも、この花が必要だったんだ…」
驚愕だった!
ありがとう。と言われた!初めて感謝されたのだ!それに….まさか、人間は毒で死んでしまうなんて思わなかった。我々ヌルッとしたゾンビにとっては毒沼も、普通の沼も変わらない
もしかしたら、ゾンビ以外は毒は身体によくないのかもしれない。だからこの沼地に来訪者は来ないのか…
人間は、光花を握りしめると静に沼地から去っていく…その後ろ姿を見送ると、我々は集まり協議した。
もしかしたら、他にも光花を必要としている者達がいるのではないか?毒沼に近寄れない者達の代わりに我々が花を取りにいくのはどうだろうか?それを街で必要な者に渡すのだ。我々目指す人々との交流のきっかけになればいい!
そう結論をだし早速行動にうつした!
受け入れてもらうには時間がかかった…そもそもヌルッとしたゾンビは街に入れない、街の入り口に敷物を広げて花を並べる事から始めた。
遠巻きに見ていた街の人々も、光花を見ては少しずつ近づいてきた。「いくらか?」と訪ねられて、売るつもりはなかったので、手を広げて振り、いらない事を伝えようとしたところ
5,000GOを置き、花をつかんで走り去って行った…
意図せず初めてGOを稼いだのある!
この日、我々はか弱い人間達が近寄ることのできない地での特殊な草花を欲しい人間はGOを支払い手に入れる事を望んでいる!と知った。
それからは、街の入り口で並べていたものに価格をつけ販売することにした。中には我々を倒して商品を奪おうとするものもいたが、倒しても倒れない我々に次第にあきらめていった(聖なる力以外では我々は不死である…むしろ最初から死んでいる)
そうしているうちにだんだんと規模は大きくなり
いつしか、顔はしかめられるものの街に入ることも叶い我々の商売は起動に乗っていった…そして、この活動を聞き付けた、ヌルッとしていないゾンビ達も集まり始め…さらに販路は拡大していったのである。
気がつけば、どろどろ沼地には大きな城が建ち。集合体の意識のひとつでしかなかった存在から、個として存在へと私は進化していった。
ヌルッとしたゾンビから進化しヌルッとしたゾンビキングとなったのだ!
ゾンビキングとなった私は知能が上がり、魔力も得た。貪欲に知識を吸収し新しい販路を広げ続けた。世界中のゾンビ達を、人が入り込めない場所まで送りこみ新しい薬草や食べ物を見つけた!
それらの商品を売るために、大きな窓口が必要だった為。街の中大きな商店を作った、受付にはなるべく腐敗の少ない来店しやすくしたが…
やはりなかなか店頭でゾンビから商品を購入するのはハードルが高いらしく同じく商売をしている商家からの買い付けがほとんどだった…
違う!我々は人々と交流がしたいのだ!普通に話をして普通に街に溶け込みたいのだ!
私は考えた、どうしたらもっと人々に受け入れてもらえるのかと…
ちょうどその頃、魔石研究者であった人間のロミー氏がGOロミー石という魔力に魔法の力を付与するという発明が発表された。…後のゴロミである。
これは画期的な発明で、人々は大量のGOを持ち運びしないで済むようになった。
ロミー氏であれば我々の積年の願いを叶えるアイデアを出してくれるのではないだろうか。と考えた私はロミー氏に手紙を出し協力を仰いだ。
ロミー氏は好奇心旺盛な人柄で、まさかゾンビから手紙をもらう日が来るとは思わなかった!と快く私との話し合いに応じてくれた。
ロミー氏は
「キミ達の気持ちはわかった、でも….残念だけどその交流したいって願いは難しいと思う。ゾンビと対面して買い物するなんて、おそらく普通の人々には無理だと思う…」
聞きたくない言葉だった…それでも!あきらめきれない、ここまできたのだ、あのどろどろ沼地でゾンビとして産まれて、また土に還るその日まで、日の差さない空を見上げてただ1日が過ぎ去るのを待っていたあの頃から…街に商店を構えるまでになったのだ!
なにか、なにか方法はないのか!?
ロミー氏は我々と一緒に悩み考えてくれた…そしてひとつの結論を出した。
「直接のやり取りを限定的にしてはどうだろう?店の中にはゾンビの店員を配置するのではなくカタログを用意して、欲しいものを選んでもらい、それを配達するなんでどうかな?交流って、なかなか難しいけど配達でゾンビが行くなら、店内でやり取りをするよりは、利用しやすいんじゃないかな?それに、どんな場所にでも行きやすいのがゾンビの特性なんだし!」
我々が一番望んだ形ではなかったが、普通の人々ともっと交流したいという願いへの一歩としてこの提案を受け入れてみることにした。
その後ロミー氏の言ったとおり、店頭からゾンビ店員を無くしたとたんに人々が商店に入ってくるようになったのである!
一一一一一一一
ゆっくりカタログで商品を選ぶ。
↓
送り先を魔石に登録、支払い。ゴロミでチャリーン
↓
ゾンビが配達する。
配達先では叫ばれる事もなく商品を渡す事ができるようになった。在宅でない場合には、そのまま待つことも可能。もしくは別途割り増し料金を頂いて置き配も受付けた。……置き配希望者が増えた。
だか!大きな進歩である!
ゾンビを各地に配置し世界の様々なものを宅配にて届ける!ゾンビという特性から人には使えない強力な転移魔法を使用し、例え骨が砕け内蔵が飛び出ようとも死にはせはず、どこよりも早い配達が可能となった!
商店はどんどん大きくなり、世界に知らない人はいないほどの大商店へと発展していく事となった。
社員1万のゾンビをかかえる、注文・宅配会社「ヌルゾン」の誕生である。
一一一一一一一
どろどろ沼地には城で私考える。あの頃とはずいぶん変わり、多くのゾンビ達は小さな家を建て街のようになった、ヌルッとしたゾンビ以外のゾンビも暮らすようになり。ゾンビランドと呼ばれるようになった。
まだ、願った人々との交流ではないが、ただ空を見ていたあの頃より多くのものを得る事ができた。
あきらめずに歩みを進めて行こう。きっといつかこのゾンビランドにも多くの人々が遊びにきてくれるようになるだろう!
最近では、通信魔導具を使い南の島から注文が入ったらしい、配達したゾンビが海がキレイだったとはしゃいでいた。
南の島、次は私が配達してみたいものだ。
一一一一一一一
「ヌルゾン」…ヌルッとしたゾンビ代表ゾンビキングは日夜ゾンビ達の明るい未来の為に働いている。
□皆さまぜひ一度、ゾンビランドにお越しください。
□クラシックゾンビから、見たことのないようなピンク色のゾンビなど、ゾンビが選り取り見取り!
□沼地は様々な種類があり危険がある沼地以外では、どろどろプール、どろどろ美容クリニックなど泥レジャーも各種取りそろえています!
□宿泊は朝から晩までゾンビのお世話につき、マッサージもおつけしています!
□お食事は、どろどろ沼地の光花を利用したデトックス料理が自慢です!
□ゾンビランドでは人間の皆様、他の種族のお客様もいつでもお待ちしています!!
□もちろん移住大歓迎です!難しい仕事をする必要もありません、我々ゾンビと仲良く暮らして頂ければ生活はゾンビがお手伝いします!
□ぜひ「ヌルゾン」代表ヌルッとゾンビキングにご相談ください。
この沼地の良さを知った貴方はゾンビ達の仲間入りをしたくなること間違いないでしょう!
しかし、ゾンビもなりたくてなったわけではない。腐った体は動かすのが辛いし、何より回りから嫌煙される。
我々だって、皆と仲良くなりたい!仕事終わりに一杯飲んだりしてみたい!だがそれは叶えるのが難しい夢だった…ちなみにゾンビは飲食しない。
我々は個々の意識のはあまりなく集合体の意識で行動しており皆と仲良くしたい!という意識は、我々全員の総意なのである。
ゾンビの中でも稀少な種類である我々は全身がヌルヌルとしおり、ヌルッとしたゾンビと呼ばれており、西のオーレレマレ大陸にある、どろどろ沼地を中心に棲息している。
通常のゾンビですら嫌煙されているのに…ヌルッとしたゾンビへの対応など言うまでもない。
どろどろ沼地の近くには人間が暮らす街があるが、我々は街に近寄る事を許されていない。
「ヌルッとしたゾンビお断り!!」
※ヌメリで滑って転倒する者多数
「ヌルッとしたゾンビ入店拒否!!」
※商品がヌルヌルになって販売できません!
一ヌルッとしたゾンビはお帰りください一
街の入り口には看板が建てられている…
どんなに我々が近づきたい、仲良くしたいと思っても許されず…我々はどろどろ沼地へと戻るしかなかった。
我々が住む、どろどろ沼地は日が差さず常にじめじめとしていて、臭気が酷く鼻がいい者であれば1キロからであっても顔をしかめる…
しかし、そんなどろどろ沼地には多種多様な沼地がありその種類の多さはちょっとした自慢である。
単純に、どろどろもあれば、ちょっとサラサラ、もっとどろどろ…毒沼、酸の沼、沼温泉…底なし…
などなど、沼地の遊園地状態であり我々ヌルッとしたゾンビはたまに、どろどろ、たまに毒、沼地温泉と…沼地を堪能しまくりだ。
きっと皆も来たらこの沼地の楽しさをわかってくれるはずなのに、ここに訪れるものは皆無である…。
もう、我々はこの沼地から出ることなく生涯ここで生きていく…そうあきらめかけた時
沼地にひとりの人間が訪れたのだ!
その人間は、息をするのもやっと…といった風で今にも倒れてしまいそうだった。
我々は初めての来訪者に歓喜し、仲間総出で出迎えた!
すると、どうした事だろう、その人間は我々に攻撃してきたのである!
突然出てきたゾンビにきっと驚いたんだろう。
少し冷静になるのを、攻撃を避けながら待つことにした。
我々ゾンビは例え攻撃され五体がバラバラになろうとも別に死にはしないのである。バラバラになっても後でつないで、しばらくすれば自然と元の状態に戻る。
リカバリーという特性を持っている。
そのうちに人間が力尽き、その場に倒れ…つぶやいいた。
「母さん。ごめんよ…ゴホッ…ゴホッ…沼地の光花は見つけられなかった…」
どうやら。この人間はヒカリバナというものを取りに来たらしい…ヒカリ…光る?花?
あれだろうか、毒沼の向こうに確かキラキラ輝く花があったはずだ、我々ヌルッとしたゾンビの数少ない、いこいの場でもある。人間は今にも死んでしまいそうだ…そうだ。とってきてやろう。
キラキラ輝く花を取ってきてやり、人間に渡してみると…人間はなんと花びらを食べた!
腹が減っていたのだろうか?我々は食事が必要ないので失念していたが、来訪者をもてなすのに何か食べ物が必要かもしれない。
花びらを食べた人間は先程まで死にそうな顔色が、みるみる血色を取り戻した、そのままムクリと起き上がると花を握りしめたまま、我々を呆然と見てきた…
すると人間は突然泣き出したのだ!
その姿を見て、無いはずの心臓がドキドキした!やはり人間は我々に特別なものを与えてくれる存在だ!この感情がきっと「トキメキ」というやつなのではないか!と腐った脳で考える。
しかしなぜだ、我々は人間になにかしてしまったのだろうか…??不思議に見ていると
「うっ…ぐす、あ、ありがどう…この光花には強い毒消しの作用があって、僕は沼地の毒で死ぬところだったのが、花のおかげで助かった…母の病気の薬にも、この花が必要だったんだ…」
驚愕だった!
ありがとう。と言われた!初めて感謝されたのだ!それに….まさか、人間は毒で死んでしまうなんて思わなかった。我々ヌルッとしたゾンビにとっては毒沼も、普通の沼も変わらない
もしかしたら、ゾンビ以外は毒は身体によくないのかもしれない。だからこの沼地に来訪者は来ないのか…
人間は、光花を握りしめると静に沼地から去っていく…その後ろ姿を見送ると、我々は集まり協議した。
もしかしたら、他にも光花を必要としている者達がいるのではないか?毒沼に近寄れない者達の代わりに我々が花を取りにいくのはどうだろうか?それを街で必要な者に渡すのだ。我々目指す人々との交流のきっかけになればいい!
そう結論をだし早速行動にうつした!
受け入れてもらうには時間がかかった…そもそもヌルッとしたゾンビは街に入れない、街の入り口に敷物を広げて花を並べる事から始めた。
遠巻きに見ていた街の人々も、光花を見ては少しずつ近づいてきた。「いくらか?」と訪ねられて、売るつもりはなかったので、手を広げて振り、いらない事を伝えようとしたところ
5,000GOを置き、花をつかんで走り去って行った…
意図せず初めてGOを稼いだのある!
この日、我々はか弱い人間達が近寄ることのできない地での特殊な草花を欲しい人間はGOを支払い手に入れる事を望んでいる!と知った。
それからは、街の入り口で並べていたものに価格をつけ販売することにした。中には我々を倒して商品を奪おうとするものもいたが、倒しても倒れない我々に次第にあきらめていった(聖なる力以外では我々は不死である…むしろ最初から死んでいる)
そうしているうちにだんだんと規模は大きくなり
いつしか、顔はしかめられるものの街に入ることも叶い我々の商売は起動に乗っていった…そして、この活動を聞き付けた、ヌルッとしていないゾンビ達も集まり始め…さらに販路は拡大していったのである。
気がつけば、どろどろ沼地には大きな城が建ち。集合体の意識のひとつでしかなかった存在から、個として存在へと私は進化していった。
ヌルッとしたゾンビから進化しヌルッとしたゾンビキングとなったのだ!
ゾンビキングとなった私は知能が上がり、魔力も得た。貪欲に知識を吸収し新しい販路を広げ続けた。世界中のゾンビ達を、人が入り込めない場所まで送りこみ新しい薬草や食べ物を見つけた!
それらの商品を売るために、大きな窓口が必要だった為。街の中大きな商店を作った、受付にはなるべく腐敗の少ない来店しやすくしたが…
やはりなかなか店頭でゾンビから商品を購入するのはハードルが高いらしく同じく商売をしている商家からの買い付けがほとんどだった…
違う!我々は人々と交流がしたいのだ!普通に話をして普通に街に溶け込みたいのだ!
私は考えた、どうしたらもっと人々に受け入れてもらえるのかと…
ちょうどその頃、魔石研究者であった人間のロミー氏がGOロミー石という魔力に魔法の力を付与するという発明が発表された。…後のゴロミである。
これは画期的な発明で、人々は大量のGOを持ち運びしないで済むようになった。
ロミー氏であれば我々の積年の願いを叶えるアイデアを出してくれるのではないだろうか。と考えた私はロミー氏に手紙を出し協力を仰いだ。
ロミー氏は好奇心旺盛な人柄で、まさかゾンビから手紙をもらう日が来るとは思わなかった!と快く私との話し合いに応じてくれた。
ロミー氏は
「キミ達の気持ちはわかった、でも….残念だけどその交流したいって願いは難しいと思う。ゾンビと対面して買い物するなんて、おそらく普通の人々には無理だと思う…」
聞きたくない言葉だった…それでも!あきらめきれない、ここまできたのだ、あのどろどろ沼地でゾンビとして産まれて、また土に還るその日まで、日の差さない空を見上げてただ1日が過ぎ去るのを待っていたあの頃から…街に商店を構えるまでになったのだ!
なにか、なにか方法はないのか!?
ロミー氏は我々と一緒に悩み考えてくれた…そしてひとつの結論を出した。
「直接のやり取りを限定的にしてはどうだろう?店の中にはゾンビの店員を配置するのではなくカタログを用意して、欲しいものを選んでもらい、それを配達するなんでどうかな?交流って、なかなか難しいけど配達でゾンビが行くなら、店内でやり取りをするよりは、利用しやすいんじゃないかな?それに、どんな場所にでも行きやすいのがゾンビの特性なんだし!」
我々が一番望んだ形ではなかったが、普通の人々ともっと交流したいという願いへの一歩としてこの提案を受け入れてみることにした。
その後ロミー氏の言ったとおり、店頭からゾンビ店員を無くしたとたんに人々が商店に入ってくるようになったのである!
一一一一一一一
ゆっくりカタログで商品を選ぶ。
↓
送り先を魔石に登録、支払い。ゴロミでチャリーン
↓
ゾンビが配達する。
配達先では叫ばれる事もなく商品を渡す事ができるようになった。在宅でない場合には、そのまま待つことも可能。もしくは別途割り増し料金を頂いて置き配も受付けた。……置き配希望者が増えた。
だか!大きな進歩である!
ゾンビを各地に配置し世界の様々なものを宅配にて届ける!ゾンビという特性から人には使えない強力な転移魔法を使用し、例え骨が砕け内蔵が飛び出ようとも死にはせはず、どこよりも早い配達が可能となった!
商店はどんどん大きくなり、世界に知らない人はいないほどの大商店へと発展していく事となった。
社員1万のゾンビをかかえる、注文・宅配会社「ヌルゾン」の誕生である。
一一一一一一一
どろどろ沼地には城で私考える。あの頃とはずいぶん変わり、多くのゾンビ達は小さな家を建て街のようになった、ヌルッとしたゾンビ以外のゾンビも暮らすようになり。ゾンビランドと呼ばれるようになった。
まだ、願った人々との交流ではないが、ただ空を見ていたあの頃より多くのものを得る事ができた。
あきらめずに歩みを進めて行こう。きっといつかこのゾンビランドにも多くの人々が遊びにきてくれるようになるだろう!
最近では、通信魔導具を使い南の島から注文が入ったらしい、配達したゾンビが海がキレイだったとはしゃいでいた。
南の島、次は私が配達してみたいものだ。
一一一一一一一
「ヌルゾン」…ヌルッとしたゾンビ代表ゾンビキングは日夜ゾンビ達の明るい未来の為に働いている。
□皆さまぜひ一度、ゾンビランドにお越しください。
□クラシックゾンビから、見たことのないようなピンク色のゾンビなど、ゾンビが選り取り見取り!
□沼地は様々な種類があり危険がある沼地以外では、どろどろプール、どろどろ美容クリニックなど泥レジャーも各種取りそろえています!
□宿泊は朝から晩までゾンビのお世話につき、マッサージもおつけしています!
□お食事は、どろどろ沼地の光花を利用したデトックス料理が自慢です!
□ゾンビランドでは人間の皆様、他の種族のお客様もいつでもお待ちしています!!
□もちろん移住大歓迎です!難しい仕事をする必要もありません、我々ゾンビと仲良く暮らして頂ければ生活はゾンビがお手伝いします!
□ぜひ「ヌルゾン」代表ヌルッとゾンビキングにご相談ください。
この沼地の良さを知った貴方はゾンビ達の仲間入りをしたくなること間違いないでしょう!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる