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1章 運命の始まり
1-1 プリムラと招待状
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その日、俺たちは集められた。
鋭い日差しとともに澄み渡る青い空が窓越しに覗かせる、そんな暑い暑い初夏。
適当に食べて、適当にアニメでも見て、適当に寝るという面白みのない休日。
それでよかったし、むしろ俺には十分すぎた。
昨日は誘惑に負けて課金して50連もガチャを引いたのに爆死。
そして、そのゲームが著作権の問題だか何かで配信停止。
一週間の楽しみにしていた漫画の連載が来月で打ち切りと発表。
これからこれ以上の不運なんてきっとないだろう。
こんなに不運を味わったのだからきっと明日は幸運だよな。
…いや、高望みは良くないか。
普通、当たり前で十分だ。
ーーーーだが、その当たり前が始まろうとした瞬間全てが終わりを迎える。
***
朝、目が覚めて、自室から欠伸をしながらリビングに向かう。
聞き慣れた生意気な妹、杏の声が聞こえてきた。
杏は、俺を見つけると少し慌てた様子で、何かを背中に隠した。
そして道をふさぐように、俺の前に立って言う。
「アンタにも手紙あったからそこ置いた。
…あと、欠伸しながら降りてくるのやめてくれない?不快なんだけど」
「あぁ、ごめん。ありがと」
杏は俺の返事を聞き流しながら、駆け足でリビングをあとにした。
一言、いや二言多いんだよな。
もっと素直だったりしたら可愛いんだけど…
唯一の家族なのに、なんでこんな当たり強いんだよ。
って、それより手紙…か。
そっとダイニングテーブルに目をやる。
白と黒で統一されたリビング。
そこに似合わない赤黒い一通の封筒があった。
ついさっきどっかで見たような…って気のせいだよな。
切り替えて、その封筒に視線を戻す。
表には何も書かれていなかったが、裏に
”高倉 碧様へ”
と俺の名前がデカデカと書かれていて差出人は不明。
差出人が封筒にかかれていないことはさほど不思議ではない。
便箋に書かれているという可能性だってあるだろう。
だが、ひどく気になった。
不吉な予感が背筋を流れ、バクバクと心臓が音をたてる。
そっとなぞるように中を開くと、不気味な見た目の中から、なんとも可愛らしいうさぎが描かれ、ピンクで統一された便箋が現れた。
そのアンバランスさが恐怖を煽る。
深く息を吸って、なぐり書きの文章に目を走らす。
__________________________________________
拝啓
初めてお便りを差し上げます。
初夏の風に肌も汗ばむ季節となりましたがいかがお過ごしでしょうか。
この度、貴方様が " @d:*& " に選ばれたことをお知らせするために筆を取らせていただきました。
それではこちらへ招待させていただきます。
__________________________________________
ここまで読んだ途端視界が真っ白になった。
その刹那、視界は家のリビングから異世界!?と思わせるような場所に…
ではなく、まさかの”The 田舎”に変わっていた。
生い茂る草木に奥の方まで広がる田園風景。
これを田舎以外になんと形容したら良いものか。
なんて冷静に考えている場合ではないと気がついたのは、
今日放送のアニメをリアルタイムで見れないと時計を見て唖然としたときだった。
情けない、不甲斐ない、そんな理由で…とでもいって笑えばいい。
俺にとってそれは全てで人生なんだよ。
まて、独り言オンパレードで俺は陰キャか。
そう思いながら「はぁ」とため息をこぼす。
そのときだった。
天高く何処か遠くで幼さを残した声がしたのは…
「さあさあ、みなさんっ!ようこそおいでくださいました!
ボクはこの魔法世界の管理人、ウサギで~す!末永くヨロシク…ね♡」
そういうとプツリ、とその声は途切れた。
今のは一体何なんだ。
…って落ち着け、今はあの管理人の言葉しかこの状況を理解するすべはない。
俺は一つ息を吸い、管理人の言葉を思い出す。
あの管理人だかは”みなさん”といっていたよな…?
ということは、俺以外にも集められた人がいることになる。
だが、あたりを見渡しても人影なんてない。
それに、”魔法世界”とかいっていたよな。
…まてよ。
もしかして、俺ってーーーー
その刹那、瞬きをすると視界は、
白という色しか存在していないのではないか、と錯覚するほどに
白い壁に覆われた小部屋に変化していた。
そして、全てを見透かしたようにその声は俺にいう。
「もしかして、俺ってすごい能力とか持ってるかも!? …とでも思いましたか?」
「そ、そういうわけでは…」
「あらあら、図星ですかぁ!
ざ~んねんっ、それはこれから行われる面接次第ですヨ☆
さぁ、頑張ってきてくださいネ!…高倉碧さん♡」
「はぁ…」
あぁ…俺、こいつ嫌いだ。
初めまして(_・ω・)_バァン
ユズリハと申します!
ぜひ、お気に入りとコメントよろしくお願いします(๑ ˙˘˙)/
鋭い日差しとともに澄み渡る青い空が窓越しに覗かせる、そんな暑い暑い初夏。
適当に食べて、適当にアニメでも見て、適当に寝るという面白みのない休日。
それでよかったし、むしろ俺には十分すぎた。
昨日は誘惑に負けて課金して50連もガチャを引いたのに爆死。
そして、そのゲームが著作権の問題だか何かで配信停止。
一週間の楽しみにしていた漫画の連載が来月で打ち切りと発表。
これからこれ以上の不運なんてきっとないだろう。
こんなに不運を味わったのだからきっと明日は幸運だよな。
…いや、高望みは良くないか。
普通、当たり前で十分だ。
ーーーーだが、その当たり前が始まろうとした瞬間全てが終わりを迎える。
***
朝、目が覚めて、自室から欠伸をしながらリビングに向かう。
聞き慣れた生意気な妹、杏の声が聞こえてきた。
杏は、俺を見つけると少し慌てた様子で、何かを背中に隠した。
そして道をふさぐように、俺の前に立って言う。
「アンタにも手紙あったからそこ置いた。
…あと、欠伸しながら降りてくるのやめてくれない?不快なんだけど」
「あぁ、ごめん。ありがと」
杏は俺の返事を聞き流しながら、駆け足でリビングをあとにした。
一言、いや二言多いんだよな。
もっと素直だったりしたら可愛いんだけど…
唯一の家族なのに、なんでこんな当たり強いんだよ。
って、それより手紙…か。
そっとダイニングテーブルに目をやる。
白と黒で統一されたリビング。
そこに似合わない赤黒い一通の封筒があった。
ついさっきどっかで見たような…って気のせいだよな。
切り替えて、その封筒に視線を戻す。
表には何も書かれていなかったが、裏に
”高倉 碧様へ”
と俺の名前がデカデカと書かれていて差出人は不明。
差出人が封筒にかかれていないことはさほど不思議ではない。
便箋に書かれているという可能性だってあるだろう。
だが、ひどく気になった。
不吉な予感が背筋を流れ、バクバクと心臓が音をたてる。
そっとなぞるように中を開くと、不気味な見た目の中から、なんとも可愛らしいうさぎが描かれ、ピンクで統一された便箋が現れた。
そのアンバランスさが恐怖を煽る。
深く息を吸って、なぐり書きの文章に目を走らす。
__________________________________________
拝啓
初めてお便りを差し上げます。
初夏の風に肌も汗ばむ季節となりましたがいかがお過ごしでしょうか。
この度、貴方様が " @d:*& " に選ばれたことをお知らせするために筆を取らせていただきました。
それではこちらへ招待させていただきます。
__________________________________________
ここまで読んだ途端視界が真っ白になった。
その刹那、視界は家のリビングから異世界!?と思わせるような場所に…
ではなく、まさかの”The 田舎”に変わっていた。
生い茂る草木に奥の方まで広がる田園風景。
これを田舎以外になんと形容したら良いものか。
なんて冷静に考えている場合ではないと気がついたのは、
今日放送のアニメをリアルタイムで見れないと時計を見て唖然としたときだった。
情けない、不甲斐ない、そんな理由で…とでもいって笑えばいい。
俺にとってそれは全てで人生なんだよ。
まて、独り言オンパレードで俺は陰キャか。
そう思いながら「はぁ」とため息をこぼす。
そのときだった。
天高く何処か遠くで幼さを残した声がしたのは…
「さあさあ、みなさんっ!ようこそおいでくださいました!
ボクはこの魔法世界の管理人、ウサギで~す!末永くヨロシク…ね♡」
そういうとプツリ、とその声は途切れた。
今のは一体何なんだ。
…って落ち着け、今はあの管理人の言葉しかこの状況を理解するすべはない。
俺は一つ息を吸い、管理人の言葉を思い出す。
あの管理人だかは”みなさん”といっていたよな…?
ということは、俺以外にも集められた人がいることになる。
だが、あたりを見渡しても人影なんてない。
それに、”魔法世界”とかいっていたよな。
…まてよ。
もしかして、俺ってーーーー
その刹那、瞬きをすると視界は、
白という色しか存在していないのではないか、と錯覚するほどに
白い壁に覆われた小部屋に変化していた。
そして、全てを見透かしたようにその声は俺にいう。
「もしかして、俺ってすごい能力とか持ってるかも!? …とでも思いましたか?」
「そ、そういうわけでは…」
「あらあら、図星ですかぁ!
ざ~んねんっ、それはこれから行われる面接次第ですヨ☆
さぁ、頑張ってきてくださいネ!…高倉碧さん♡」
「はぁ…」
あぁ…俺、こいつ嫌いだ。
初めまして(_・ω・)_バァン
ユズリハと申します!
ぜひ、お気に入りとコメントよろしくお願いします(๑ ˙˘˙)/
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