負け犬デスティニー

ユズリハ

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1章 運命の始まり

1-2 サラレリアのウサギ達

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白い壁、白い床、そしてウサギ。 

この状況を”不気味”という言葉以外でなんと形容したら良いものか。 

もしも生まれ変わったら、異世界へ行ってみたい。 
アニメの主人公になって超絶美少女なヒロインと恋に落ちたい。 
世界を救うヒーローになりたい。 
男なら誰だって思うよな? 

だけどなんだこれは。 

異世界に来たかと思えば、超絶美少女はいないし、白で覆われた部屋に1人だ。 
これのどこが異世界だよ。何にもないじゃないか。 

それに妹はどうなる?
しばらく家に帰れないということになると、両親はいないし妹は一人になる。
たった一人で生きていくなんて無謀な話だ。

俺がいなくて困らない、なんてあいつは思ってるだろうがな…

…って、まてよ。 
あのウサギ、これから面接だっていっていたよな。 

ということは、何かすっごい能力を身につけちゃって、 
敵をバッタバッタやっつけて、それで… 
美少女とあんなことやこんなことを… 

「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン! 
変態モブキャラくんっ、超絶美少女ヒロインだぞ♡」 

そういうと、何もないところからそいつは現れる。 

「お前のどこがだよ 
さっさと帰れ、馬鹿ウサギ」 

「あーら、初のご対面だっていうのにそんなこといわないで~? 
どうです?ワ・タ・シのこの美ボディー!」 

じっと、ウサギを凝視する。 

「ウサギの被り物に執事服。 
それに7頭身ってイケメンの無駄遣いかよ」 

「もう、そんなに褒めて~!照れるなぁ。 
…ってボクも暇じゃないんです! 
そろそろ仕事に戻らないとっ!ではお先に~!」 

「あ、あぁ…勝手にしてくれ」 

俺の返事を聞くとすぐにウサギはその場からスッと姿を消した。 

はぁ…まじで意味わかんねぇ。 何しにきたんだよ。

俺は徐に壁に向かって歩く。 
そして、そっと壁に手を当てる。 
異世界なら何か仕掛けでも、と思ったが何もないか。 


ーーーーそう思った時だった。 

「あっ、こんにちは」 

「さっきも会っただろ。馬鹿ウサギ」 

「えっ、前にお会いしてましたかね?」 

「えええええええええ!?」 

聞くと、この世界に元からいる人みんな同じウサギの被り物に執事の格好らしい。 
彼はまつげの長さとか、耳の長さが少しずつ違うというが全くわからない。 

それになぜその格好なのか聞いたが、はぐらかされてしまった。 

「あ、行きましょう」 

そうそう、どうやら彼は俺を面接に呼びに来たらしい。 

彼が俺の能力の決定権を握っている、そう思うとワクワクする。 

「それでは行きますよ。 
僕の手を握ってもらってもいいですか?」 

「あっはい」 

言われた通り、彼の手を握る。 
いや、触れたという方が正しいかもしれない。 

同性、それにウサギ相手に恥ずかしがるなんて気持ち悪いと我ながら思う。 

なんて考えていると、目の前に数十匹のウサギが椅子に座っていた。 
魔法で移動したようだ。 
不思議と魔法という存在にも何故だか慣れてきている自分がいる。 

「こちらへどうぞ?」 

部屋の角にいると、椅子に座るように案内される。 
いよいよ面接が始まるようだ。 
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