[完結]聖女?いいえ容赦のない鬼だそうなので、クズな父と婚約者をまとめてヤっちゃっていいですか? 、、、そして私は王妃になります。

masato

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9 側近アリア爆誕

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数日後、父の反対などお構い無しに正式にアレクサンダー殿下の側近となる事が決まった。

殿下はわざわざご自分で勅書を持って我が家にいらして下さった。

父は最後まで往生際悪く、私では力不足だとか分不相応だとか、所詮女では、、、などと愚痴愚痴言っていたが、

「お前は王命に逆らう気?」

という王太子殿下の一言で、真っ青になって黙った。
ほんと馬鹿じゃないの?
初めから分かりきってる事でしょうに。
そして、

「お前の忠誠心の無さには驚かされた。、、、このまま無事でいられると良いな?」

わぁ、青を通り越して真っ白だわ。
何よ、そんな縋る様な目で見てきても、私が庇う訳ないでしょ。
精々破滅までの時間を楽しめば?

「じゃぁ、アリア、早速だけど君もこれから王城で過ごす事も多くなるからね、今から案内しても良いかな?」
「勿論ですわ。」
「じゃあ行こうか。」

そう言って、にっこり笑い合って邸を出て行く私達に父は必死で何か言っていたけど、聞いてやる気が起きるはずも無いわよね?



恐れ多くも殿下にエスコートされて乗り込んだ馬車の中。
さすが王家の紋章入り、大きくて豪華でなんて座り心地のいい事!
ふっかふかよ⁈

やがて滑るようにお城に向かって走り出した。

「まさか殿下が直接いらして下さるなんて思いませんでした。お蔭でスムーズに事が運びましたわ。」

向かいに座った殿下に頭を下げる。

「侯爵がゴネてるって聞いたからね。下手に揉めて大事になっても面倒だしね。」
「助かりました。本当にあの人何を考えているのか。」
「君も苦労するね。」

何と返事をするべきか。
困った様に会釈した。

「さてアリア、改めて僕の側近になってくれてありがとう。頼りにしてるよ。」
「身に余るお言葉です。誠心誠意努めさせていただきます。」
「うん。そう固くならないで。君が側にいてくれると心強いし、僕が嬉しいんだ。」

にっこりと嬉しそうに微笑んで下さる。

「、、、ありがとうございます。」

心臓に悪い言い回しだわ。

「それでだ。アリア?僕の側近として憂いなく努めてもらう為にも、、、僕に相談したい事があるんじゃないかな?」
「っ!」
「何でも相談してって言っただろう?僕は無条件で君の味方になるよ?僕を頼ってくれないかな?」
「、、、殿下、、、。」

“頼れ”と言ってもらったのは物心ついてから初めてだ。
母は、母親である前に師だった。
大事にはされたと思うが、甘えさせてもらった記憶はない。
父は勿論アレだ。今では他人以下だ。
祖父母は領地にいるが、ほとんど会った事もない。
婚約者は言うに及ばず、、、。

ずっと、自分の力だけで生きていかなくちゃいけないと思ってた。
だから必死に勉強もして、誰に頼らずとも生きていける様に、強くあろうとしてきたのだ。

なのに。

「頼っても、良いですか?、、、私を助けて下さいますか?」
「勿論だ。、、、今までよく頑張ったね。」

そう言って、隣の席に座り、優しく頭を撫でられて。
その手の温もりに、とうとう我慢できなくなって涙が溢れてきてしまった。

記憶にある限り、初めて人前で泣いてしまったのだけど、それは安堵とも嬉しいとも何とも説明のつかない感情の発露だった。

泣き顔を見られる恥ずかしさに、ずっと手で顔を覆いうつむいていたのだけど、アレク殿下は必死に慰めて下さってて、それで余計に涙が止まらず、、、最後は宥めるのを諦めた殿下にそっと抱きしめられた。

もうどうしたら良いかわからなくって、涙が止まっても結局そのまま動けずに、お城まで過ごす事になってしまった。

お城で出迎えて下さったサイラス様が、馬車の扉を開けるなり、慌てて閉めて、

「殿下!まだ早いです!順番はちゃんと守って下さい!」

と、叫んでいた。
、、、何の順番、、、?

「阿保!まだ手は出しとらんわ!」

と、殿下も叫び返していた。
、、、 手、、、?

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